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かつて神童と呼ばれた89位聖女。ハニトラ勇者伝説の真実を暴いて見せます!  作者: けけりーな
第六章 崖っぷち聖女ですが、帝国で勇者伝承の真実に迫ります!
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89 ジークハルト、安らぎの終着点へ……

〇 バルカ城・禁書庫


「でも、カレンさんが現実に存在しているわけだから……

魔王と聖女エレン様は結ばれているってことよね。

だとしたら、勇者様のハニートラップ作戦は、結果的に成功しちゃったってこと……?」


ミアは禁書庫の冷たい空気の中で、一人考え込んだ。

手記によれば、ジークハルトはエレンを魔王へのハニートラップに使われることから、守るためにパーティを離脱したはず。


それなのに、なぜカレンという魔王と聖女エレンの間の娘が生まれたのか。


考えれば考えるほど、パズルのピースは食い違い、答えは深い闇の中へと消えていく。



その後、ミアはわずかな望みを託して、この国で最大の規模を誇る「バルカ国立帝国中央図書館」にも足を運んだ。

しかし、そこにあるのは一般に流布された美化された英雄譚ばかり。

王宮の禁書庫以上の資料は見当たらなかった。


「はぁ…… 結局、資料を追うだけじゃ限界があるのかな……」


疲れ果てたミアは、図書館の休憩室にある椅子に座った。

ふと、テーブルの上に置かれた一冊の雑誌が目に留まる。



『楽しいバルカ旅行! ここに行きたい名所10選!』



「私も、普通に旅行でこの国に来られたら、どんなに楽しかっただろう……」


自嘲気味に呟きながら、パラパラと雑誌をめくってみる。

地方のお祭り。美しい景色。美味しそうな特産品の紹介。

その中に、ある見開きページがミアの目を釘付けにした。



バルカ東地区ならココ!

伝説の英雄ジークハルト、安らぎの終着点

【ジークハルト大墓地】

英雄ジークハルトがその生涯を終えたとされる伝説の土地です。

静かな丘に広がる墓所には、歴史の真実が眠っているかもしれません。

さらに、晩年のジークハルトが愛したとされる名湯、

『ジークハルト温泉』もすぐそば!  絶景と癒やしのひとときを!



「……温泉、行こうかな……」



王国を追放されてからずっと、戦いと逃亡の連続。

温かい湯船に浸かり、頭にタオルを乗せて「はわぁ~」と、なごんでいる自分の姿を思い浮かべてしまう。


「……いやいやいや! 温泉じゃなくて!

ジークハルト様の『最後の地』に行けば、手記の続き……

四巻に関わる何かが、石碑とかに残っているかもしれない。

そう、これは調査よ! うん!!」


ミアは自分にそう言い聞かせると、勢いよく椅子から立ち上がった。

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