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かつて神童と呼ばれた89位聖女。ハニトラ勇者伝説の真実を暴いて見せます!  作者: けけりーな
第六章 崖っぷち聖女ですが、帝国で勇者伝承の真実に迫ります!
82/108

82 アンナとの再会

〇バルカ大山脈・南側中腹


「ア、アンナちゃん!?」


返り血を浴びた少女の顔を見て、ミアは裏返った声を上げてしまった。


金髪をサイドアップにした少女のようなツインテール。

両サイドの髪留めの赤いリボンが良く似合っている。

小柄で幼い容姿ながら、その瞳に宿る意志の強さは、ミアもよく覚えているものだった。


彼女の名前はアンナ。


聖女学園での同期であり、15歳の女神の祝福による顕現でやってきた『通常組』。

しかし、努力の末に最終順位「8位」という輝かしい成績を収めたエリート。


ミアが頂点にいた頃も、どん底に落ちた後も、彼女は群れることなく、ただ淡々と自らの道を歩んでいた。


会話らしい会話など、数えるほどしかなかったはずの相手。


セレスティーヌとは反対の意味で、全くミアへの態度を変えなかった少女である。


「え?なんでアンタがこんなところにいるのよ!?ウチの回復役でもなかったでしょ!?」


「え?回復役……?」


「で、今は『ミィ』って呼んだらいいわけ?」


「あ、はい!それでお願いします!!」


突然の再会にもかかわらず、アンナはぐいぐいと距離を詰めてくる。


「まあ、どうでもいいわ!今は手伝ってちょうだい!友達のよしみでしょ!!」


「……いえ、友達というほどお話ししたことはないような……」


「うるっさいわねー!じゃあ同期のよしみ!いいから回復を手伝って!!」


「あ、はい!わかりました!!」


かつての無関心さが嘘のような強引さに、ミアは流されるままアンナの後に続いて、戦場へと足を踏み入れた……



「みなさーん!助っ人連れてきましたー!美少女シスターのミィちゃんでーす!!」


アンナが戦場に響き渡る声で叫ぶと、疲弊していた兵士たちの顔に活気が戻った。


「み、ミィです!皆さんのこと、精一杯回復しますから!」


ミアがすぐそばで倒れていた兵士に手をかざし、瞬時に傷を塞ぐと、地響きのような野太い歓声が上がりました。


「うおおおおおぉぉお!!!マジで聖女様降臨じゃねえか!」

「めっちゃ可愛い!俺、もう一回戦いってくるわ!」

「え?この山って天使いたの!?」


ミアの正確かつ迅速な回復魔法は、兵士たちの士気を爆発的に跳ね上げた。


「アンタ、なかなか腕上げたわね!よーしっ、アタシだって!下がってなさい!」

長い詠唱を始めるアンナ


「うおああああああっ!!」


アンナは大声で叫ぶのと同時に両手を大きく広げ、天を仰いだ。

その瞬間、戦場全体を包み込むような、神々しくも温かな光の渦が巻き起こる。


(第三神界魔法……!)


ミアが息を呑むほどに濃密な魔力。

それは、戦場にいる味方全員の傷を癒やし、さらにはミアの魔力さえも活性化させるような、


人の使える中では最上級と思える、広域回復魔法だった。

学園8位の実力は伊達ではないようだ。


しかし、その代償としてアンナはどっと疲れが出たのか、膝をついて肩で息をしている。


「はぁ、はぁ……さあさあ、ミィちゃん。私の代わりに個別回復、お願いね……」


ぐったりしたまま、手だけをクイクイと動かして指示を出すアンナ。


「あ、はい!了解です!」


ミアも負けじと、アンナの魔法で回復しきっていない兵士たちの元に駆け寄った。

同期の二人が協力して女神魔法を放つと、戦況は一変。


圧倒的な回復力を得た人間側の軍は、山から溢れた魔獣の群れをじりじりと押し戻し始めた。


その時……


山の上から、巨大な怪鳥が舞い降りてきた。

どうやら、この魔獣の群れのボスのようだ……


「ま、マジか……」

「あんな奴が、まだ残ってたってのかよ?」

「ケ、ケラウノスだぁー!!」


ぐおおおおおおお!


ケラウノスの咆哮。

どうやら、自分のテリトリーを荒らされて、ずいぶんお怒りのようだ……


その時、勇ましい声が聞こえた


「貴様ら!それでもバルカ帝国軍人か!!

我らがここで踏ん張らないと、帝国本土に甚大な被害が出ることを忘れるな!!」


見ると、身体が大きく、立派な鎧を身にまとい無骨そうな顔をした男が

兵士たちを鼓舞している。


「ガ、ガストン兵士長!!」


ガストンと呼ばれる男は先陣を切って怪鳥・ケラウノスに突っ込んでいく。


しかし、怪鳥の羽ばたき一つ。


「うわあわああーーーー!!」


多数の兵士が空高く舞い上げられる。

ガストン隊長も、前進を止めて、踏ん張るのでせいいっぱいと言った感じだ。


ミアの周りに張っている防御壁など、この魔物の攻撃の前に通用するのかは不明だ。

ミアは震える脚を必死に前に進める。


一度、脚を止めてしまうと、恐怖でもう動かなくなることはわかっていた。


果たして、ミアはこの戦場を切り抜けることができるのか?

最後まで読んでいただいてありがとうございます!


よろしければ、次のお話もまたよろしくお願いします。

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