81 戦場の天使ミア、予期せぬ再会
〇 バルカ山脈・南側
山頂の険しい岩肌を乗り越え、反対側の斜面へ足を踏み出した瞬間、ミアの視界に圧倒的な光景が飛び込んできた。
「こ・・・これは!!!」
眼下に広がるのは、見渡す限りの広大な大地。王国よりも遥かに巨大で、整然と区画分けされた城下町。地平線の先までまっすぐに伸びる街道と、そこを行き交う無数の灯り。
バルカ帝国。それは、ミアの想像を絶する規模を誇る大国だった。
「こ、こんなに大きな国なんだ・・・」
幸いなことに、山頂までの道のりに大きなトラブルはなかった。
単身で、かつ余計な殺気を持たないミアは、山の強力な魔獣たちには『驚異ではない』と見なされたのかもしれない。
あるいは、女神の導きか…
しかし、その静寂は長くは続かなかった。
山を下り始めて数日。もう半分以上は下山しているだろうとミアが考えているころ、
彼女の耳に入ってきたのは、凄まじい怒号と魔獣たちの咆哮だった。
(魔獣同士の縄張り争い? ・・・いいえ、違う。これは人と魔獣が戦っている!?)
ミアは反射的に駆け出した。
低い崖の下に広がる山中の平原。
そこでは、銀色に輝く鎧を纏った帝国の軍隊と思われる一団が、山から溢れ出した魔獣の群れと激突していた。
剣士が前線を支え、後方から魔導士の火球とアーチャーの矢が降り注ぐ、組織化された本格的な大規模戦闘。
しかし、相手は山脈の過酷な環境で育った獰猛な魔獣たち。
一人、また一人と兵士たちが倒れていく。
場所によっては数人の兵士たちがまとめて吹き飛ばされている。
「ぐはぁ!!」
戦場に近づいてきたミアの目の前に、一人の兵士が叩きつけられた。
大の大人が宙を舞い吹き飛ばされてきたのだ。そのダメージは計り知れない。
全身を強打し、血を吐く兵士を見て、ミアに迷いはなかった。
「大丈夫ですか!? 今、回復します!!」
杖を構え、オリジナルの最短の術式による超スピードで回復魔法を使う。
「おお…痛みが引いた…」
驚愕に目を見開き、自分の身体を触る兵士。
完全に回復している事を確認するや否や、彼はすぐに槍を掴み直した。
「礼を言う!」
そういうと、駆け出し、戦場へと走って帰ってしまう。
その背中を見送りながら、ミアは改めて戦場を見渡した。
戦況は最悪。至る所に負傷者が転がっている。
(この方達を放っておくことなんてできない!今の私にできることをやるしかない!)
ミアは戦場のただ中へ飛び込み、自分の周りに防御魔法を張りながら、
倒れている兵士たちを次々と、驚異的なスピードで回復し始めた。
必死に回復していたミアに突如背後から声がかけられる。
「あんた、回復ができるのね? 名前は!?」
声の主はどうやら若い女性のようだ。
ミアは、傷ついた兵士の回復を続けたまま振り向かずに答えた。
「あ、はい! ミ、ミィと申します!!」
「ふーん、ミィさんね。いきなりで悪いんだけど、あっちの重傷者も… って、ミアじゃん!?」
「え……?」
ミアの動きが、完全に止まってしまった。
投稿する順番を間違っちゃいました、申し訳ありませんでした。m(_ _)m
整えてあげなおしていきますね。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
懲りずに頑張ります。
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