表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
かつて神童と呼ばれた89位聖女。ハニトラ勇者伝説の真実を暴いて見せます!  作者: けけりーな
第一章 卒業順位89位。なのに次期聖女に選ばれたのは私でした
8/97

8 元神童と現聖女

こうして、ミアの王宮生活が始ろうとしていた。


聖女『候補』と言っても、そこに選ばれた時点で大変な名誉である。

聖女になれなくとも、その肩書だけで一生食べて行ける。


聖女候補たちの第一目標は、現聖女の力が衰えてきたときに、

すぐに次の聖女として、入れ替わりで王国の聖女になる事である。


次に、友好国の聖女として派遣される事。


後は、女神教会の幹部となって教会と王国の橋渡し役になる事や、

強大な女神魔法の力を活かして、国の内政に入っていくものもいる。


また、王や王族に気に入られたものは、そのまま后となるものも多くおり、

民間に戻ることはほぼないとされている。


それほどまでに重要なポジションなのである。



〇王宮・聖女の間


豪華な装飾が施された室内。


卒業式の興奮が冷めやらぬ中、ミアはガチガチに緊張して椅子に座っている。


対照的に聖女リリィは法衣を少し着崩し、ソファに深くもたれかかっていた。


「いやぁ、面白かったねー!アナタの名前を言った瞬間、会場中のみんながポカーンとしてさ。あはは!」


「……」


(大丈夫かな、この人)


「あ!今、『ウワーさすがに聖女様は威厳があるなぁ、お会いできるなんて光栄!』って、考えてたね? そういう顔してたよ!」


「……いえ、全然思ってません。むしろ正反対のことを思ってました」

ミアのある意味失礼な言葉にも動じず、ケラケラと笑うリリィ。

ひとしきり笑うと、リリィはソファから身を乗り出しミアの顔を覗き込んだ。


「……『なんでアタシなの?』って顔だねぇ」


「は、はぁ…… エレナちゃん……いえ、主席のエレナ・フォン・ローゼンタールはじめ、私より成績が良い生徒はたくさんいましたので……

正直、なぜ私をお選びになられたのかな?と……」


「はぁ? 本気で言ってる?それ」


リリィは呆れた顔で、冗談はやめてよね、と言わんばかりん笑っている。


ミアには、本気で理由がわかっていない。


考えられる理由は、『9歳の神童』というかつてのネームバリューだが

現状の力は、89位と言う成績が残酷に示してしまっている……


そんなミアの顔をビシッ!と指さすリリィ。


「顔よ! あとスタイル!」


「…………は?」


「『…………は?』じゃないわよ!わかるでしょ!?

あなた、群を抜いて美人だったわ。愛らしいし!スタイルなんてスーパーモデル級!


エレナちゃんもまあ、綺麗な子ではあったけど、なーんかね……

あの子、貴族の出でしょ?私あんまり好きじゃないんだよねー

ああ言う『美男子×美人で生まれちゃったサラブレッドです!』みたいな顔の子」


ジト目でリリィを見るミア。


「あ!コイツは何を言い出すんだって今思ったね!?」


「…………はい。大当たりです」


「聖女は魔力よりルックスだからね。私も子供っぽい見た目で苦労したんだよねー

だから次の子はさ、圧倒的な美人にしようと思ってたの!」


リリィが話し終わる直前に、勢いよく立ち上がるミア。


「何を言ってるんですか! ふざけないでください!

聖女様はその絶大な魔力で多くの人々を救っていくものです!

見た目が優先だなんて、そんなこと!!」


思わず熱くなってしまい、声を荒らげたミアに対し、リリィは驚くどころか

「まあまあ、実際に聖女やってるアタシが言ってるんだから、間違いないんだって!」

そう言って、座れ座れと手でジェスチャーする。


不服そうに腰を下ろすミア。


リリィは、ミアが落ちついたのを見て、壁にかけられた歴代聖女の肖像画を指差した。


「学園にもたくさん飾られてたでしょ?

有能だったと言われている、歴代の聖女たちの肖像画。

見てごらんよ。全員、くそ美人じゃん」


そう言いながら、私の勝ちと言わんばかりに笑っている。


「……っ! 確かにお美しい方が多いですが!

それ以上に、その実力が素晴らしいからこそ評価されているのです!


例えば第十三代聖女のミラ様!戦争時に国土全体に魔法バリアを張って王国民を守った話は有名です!

それは第六神界魔法だったのではないか?とまで言われているんですよ!

他の方々だって、その力を多くの人のために使い続けたからこそ……」


「ふーん…… でもそれってさ、全部ただの『伝承』なんだよね。噂レベルってやつ。


当時の文献をいくら漁っても、実際にどんな魔法を使ったのか、具体的な魔法の構成や術式なんて、どこにも載ってない


だけど、絵画だけはハッキリと、当時の彼女たちの美しさを残してる。それが歴史に唯一残っている『真実』…… そうでしょ?」


(…… ……ぐ!言い返せない!この人、意外に口が立つ……)


「あ!コイツ意外と頭いいなって思ったでしょ?そういう顔してた!」


「……もう、いいです。……外見で選んだというのは理解しました。

……納得はできませんが。」


口論では勝てないと悟り、ミアは深いため息をついて、うなだれた。

リリィの言い分を、黙って聞くことにしたミアなのだった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


ミアとリリィの初対決(?)はミアの完敗でした。

もし、よろしければ次のお話もよろしくお願いいたします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ