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かつて神童と呼ばれた89位聖女。ハニトラ勇者伝説の真実を暴いて見せます!  作者: けけりーな
第五章 巡礼先の帝国で、本物の聖女達に出会いました
76/102

76 泥の中に咲く白百合

〇バサラークの街・教会の裏庭


夜のとばりが下りた教会の陰で、ミアは信じがたい光景を目撃していた。


憧れの完璧なシスター、クラリス。

彼女が教会の裏手で密会していたのは、あの日、検問所でミアを辱めた下劣な検問官だった。

なぜ、彼女があんな男と?

その疑問の答えは、最悪の形で目撃することとなってしまった。


男が鎧を脱ぎ捨て、汚れた手で、震えるクラリスの肩を乱暴に剥き出しにした瞬間、ミアは血の気が引いて行くのを感じた…


「よーしよし、いい子だ。

女神のシスター様の、その澄ました顔がどう崩れるか、見ものだなぁ、おい!」


「…これで…あの子たちに、手は出さないでもらえるんですよね? ……はぁっ……」


クラリスの苦悶(くもん)に満ちた声が、湿った夜の空気を震わせる。


なんと、彼女は身を挺して守っていたのだ…

まだ幼く、女神の加護も持たない見習いシスターたちを守っていたのだった。


バサラークのような辺境に派遣される兵は、バルカ帝国の正規兵になれなかった、落ちぶれた、ならず者かぶれだ。

そんな者たちが取り仕切り、腐敗した警備兵という暴力から、教会の少女たちを遠ざける唯一の手段として、彼女は自分と言う存在を差し出していたのだ。


「まあなぁ… でも、そろそろお前にも飽きてきたんだよ。

そうだ!この前この街に来た、巡礼の修道女がいただろ!」


「!!」


「なんだ?この街の修道女の格好をさせれば、あの女が立ち去るまで、

俺たちにバレずにやり過ごせるとでも思っていたのかぁ?

バカな女だ。あんな上玉が混ざって気づかないわけないだろ!

アイツを回せよ。アイツならお前も、守り通す義理はねえだろ? へへへ…」


クラリスの頭を押さえつけながら、下品な言葉を投げかける検問官。


「な……何を馬鹿げたことを!? そんなこと、できるわけがないでしょう!

彼女は(けが)れを知りません。あなた方のような者が、触れていい子ではないわ!! んあああっ!」


「うるっせぇ!オラ!!」


鈍い衝撃音と共に、クラリスの悲鳴が上がります。男が彼女を乱暴に組み伏せ、あざ笑う声が夜の静寂を切り裂く。


その瞬間、その様子を見ていたミアの頭の中で、何かが弾けた。

これまでの人生で感じたことのない怒り…

心の底から燃え上がるような激しい憤怒!


「そこまでです……!! その方から離れなさいっ!!」


夜の闇を切り裂くような叫び。

ミアは物陰から飛び出していた。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!


よろしければ、次のお話もよろしくお願いいたします。

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