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かつて神童と呼ばれた89位聖女。ハニトラ勇者伝説の真実を暴いて見せます!  作者: けけりーな
第一章 卒業順位89位。なのに次期聖女に選ばれたのは私でした
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7 聖女リリィの決定

〇聖女学園・講堂


壇上に立った聖女リリィは、厳粛な空気などお構いなしに、ぴょこんと飛び跳ねて、目の横でピースを作り、ポーズを決めた。


「みんな!卒業おめっ!」


パチリとウィンクを飛ばす。



しかし、会場は水を打ったように静まり返り、多くの卒業生たちが口を半開きにしてポカーンとしている。


「……あれ? ウケない!?最近の若い子ってこんな感じのノリじゃないのっ!?

というか、ひょっとして今のノリは古すぎたの!?なにこのオバハンとか思ってる!?」


生徒たちの見る目が(この人が聖女様じゃないわよね?)と言いたげな視線に変わってきており、焦るリリィ。


「お偉いさん達の話って、なっがいわよねー!ずっと立ってる方の身にもなれってのよねー、あはは、はは……」



「……」



必死に話題を変えたつもりだが、何の効果も無いようだった。

横で大臣が頭を抱えている。


構わず続けるリリィ


「コホン!長い式典だったからみんなも疲れてるだろうし、聖女候補もすぐに発表したいんだけど、その前にちょっとだけ確認させてね!」


リリィはドレスの裾を豪快に持ち上げると、壇上からぴょん!と軽やかに飛び降りた。

そのまま早足でステージ最前列まで歩み寄り、主席エレナの正面に立つ。


「せ、聖女様!前へ出過ぎです!」


慌てて、護衛数人が彼女の周りを囲むが、リリィはお構いなしだ。


「ふむふむ…… あなたがエレナちゃんか……」


リリィはエレナの顔をじろじろと品定めするように覗き込む。

エレナは緊張に顔を強張らせながらも、敬意を表して深く頭を下げた。


しかし、リリィはそれ以上言葉をかけず、そのまま後ろの卒業生の列の中へと突っ込んでいった。


「えっ!?」

「きゃっ!!」


ざわめく生徒たちをグイグイと押し分け、リリィは迷うことなく突き進む。

そして、最後列にいたミアの目の前でピタリと足を止めた。


(……えっ、ええっ!?)


慌てるミアであったが、すぐにその真意の予想を立てた。


(……なるほど。

かつての『九歳の神童』を、最後の確認に来たってわけか……

でも、残念ながら、聖女様には期待外れと言った所だったでしょうね……)


ミアが自嘲気味に目を伏せようとした、その時。

リリィはミアの顔をじっと見つめ、何かを確信したようにニンマリと、いたずらっぽく微笑んだ。


「??? 」


(今の顔…… どういう意味なんだろう……)


リリィは満足げにひとつ頷くと、踵を返して再び壇上へと駆け上がっていった。


聖女が再び祭壇中央のマイクのような魔道具の前に立つ。

生徒たちは依然として困惑の中、列を整えてその口が開くのを待った。


「それじゃあ発表します!

今年の王宮付きの聖女候補は…… ダラダラダラ……、ダンッ!!」


自分の口でドラムロールを刻み、リリィは会場の端にいる少女を強く指差した。


「ミア・ルミエールちゃんで決定します!!」



静寂



そして一呼吸置いて、大講堂がひっくり返るような絶叫とどよめきに包まれた。


「えっ!?」

「嘘でしょ!?」

「主席のエレナさんじゃないの!?」



ミアは何が起こったのか理解が追いつかず、ただ壇上の聖女リリィを見つめるのだった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


聖女リリィがミアを聖女候補に指名しました。

よろしければ、次の話もよろしくお願いします。

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