表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
かつて神童と呼ばれた89位聖女。ハニトラ勇者伝説の真実を暴いて見せます!  作者: けけりーな
第四章 道中で出会った女性と共闘したら、魔王と聖女の娘でした
60/103

60 夜空で深まる二人の絆

〇山間の平地


カレンが再び漆黒の翼を広げ、弾丸のような速度で飛び出して行った。

それに続く魔族たちも、先ほどまでの疲弊が嘘のように、獰猛な力強さで敵陣へと突っ込んでいく。


「ば、馬鹿な… あの女は本当に人間なのか? 人間一人の魔法でこれほどの… がはっ!?」


動揺したメガネ魔族のみぞおちを、強化されたカレンの蹴りが的確に撃ち抜く。

完全に戦況は逆転した。

黄金の雨に打たれ、無敵の軍勢と化したカレン軍、逆にメガネ魔族の配下たちは、デバフの効果で力が出せず、四苦八苦している。

空中から地面にたたきつけられ、ミアの目の前で消滅していく敵の魔族たち。


「ひけ、ひけー! 撤退だ!! カ、カレン様!必ずあなたを魔界に連れ戻し、巫女姫の居場所をはいてもらうぞっ!!」


捨て台詞を残してメガネ魔族は、命からがら空中へ逃げ出し、残った手下たちと共に夜の闇へと消えていいった。


あっけなく戦闘は終了。

途端に、先ほどまでの死闘がウソのように、静まり返った山岳地帯。


ミアは安堵のため息をつき、杖を支えにその場にへたり込みそうになる。

空から舞い戻ってきたカレンが、ミアの肩をポンと叩く。


「あ、カレンさん。皆さん、お怪我はありませんか?」

ミアが疲れ切った笑顔で尋ねると、カレンは呆れたように笑って首を振る。


「あなた。さっきの魔法、ガリウスってのが言ってた『黄金の雨』そのものじゃない?」


「え、えへへ……まあ、似たようなものです」


「…ねえ。『89位』って何の順位なのよ? この世界の全ての人間の中での有能ランキングなわけ?」


「まさか! 学園の卒業生の順位ですよ」

ミアは困ったように笑い返した。


「でも、良かったです。皆さんが無事で。……私、お役に立てましたか?」


その屈託のない笑顔に、カレンの顔の緊張も少し和らいだ。

「おかげで生き残れたわ」


「あの・・・お聞きしたい事が・・・」

おずおずとたずねるミア。

両手を肩の横で広げて、呆れたポーズをとるカレン。

「報酬をよこせってわけね? いいわよ、話せることは話してあげるわ」


「で、では、先ほど襲ってきた魔族の事を・・・」


「あいつの名前はヴィンセント。あんなやつでもね、お父様には忠実なワンちゃんだったのよ…

でも、アイツはお父様が封印されたのが、お母様のせいだと思ってる…

お父様とお母様は純愛だったんだから!

それを、お母さまのせいにするとか、アナタもおかしいと思うでしょ?」


┏━━━━━━━━━━━━━━┓

┃カレンの話に賛成しますか? ┃

┃➡はい           ┃

┃ いいえ          ┃

┗━━━━━━━━━━━━━━┛

まるで、ゲームのこんな選択肢を迫られている気分のミア

カレンはハニートラップの事を知っているのだろうか…?

しかし今は、それについては触れない方がよさそうだ。


「あ、愛し合ってる方達の恋愛を邪魔するのは良くないですよね・・・」

困り笑いで『はい』を選択する。


ミアの賛同を聞き、なんだかご機嫌のカレン

「でしょ?私とあいつは、そもそも考えが合わないのよ。お父様が復活したら、うんとおねだりしてあいつは処刑にしてもらうつもりよ」


娘のおねだりで、忠臣の一人を処刑になんてするものなのか?

冗談なのか本気なのか、よくわからないミア。


「では、巫女姫様と言うのは・・・?」

先ほど、ヴィンセントの口から出た名前…

どうやら、カレンがどこかに匿っているようだが…


「私の妹よ。お人好しなところがアンタと、どことなく似てるわね…

さっきのヴィンセントたちは、あの子の能力を利用しようとしているのよ

だから私が、変に悪用されないように匿ってるの」


「そ、そうなんですね・・・」


「質問タイムは、おしまいかしら?」


「では、最後に・・・カレンさんが人間界に来た目的を教えてください。

お母さまの故郷を見に来ただけなのですか?」


「まあ、それもあるけど… 聞かない方が良いんじゃない?それは…」

そう言って、カレンはミアの腰に手を回してくる。


「え?わ、わわ。」


慌てるミアをよそに、カレンはミアを抱いて大空に飛び立つ。

「そろそろ、帰らないとあの商人たちに怪しまれるしね」


「は、はい~」


カレンの目的は聞けなかったが、話せない理由があるのだろう。

しかし以前に、母エレンの愛した、この世界の人々を苦しめるつもりは無い。と言いきったカレンを

ミアは信用しても大丈夫だと思い、上空で彼女を強く抱きしめるのだった。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。


よろしければ、次のお話もよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ