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かつて神童と呼ばれた89位聖女。ハニトラ勇者伝説の真実を暴いて見せます!  作者: けけりーな
第一章 卒業順位89位。なのに次期聖女に選ばれたのは私でした
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6 主席のエレナ

式典は厳かに、そして着々と進んでいく。

学園長の長い訓示、王国国歌の斉唱、王国の文部大臣による形式的な祝辞……


そして、ついに主席卒業生・エレナが壇上へと登った。


「私は11歳の時に、この学校に来ました。

当時の私は自惚れ、歴史上稀に見る天才と称えられることに喜んでいました。


……しかし、上には上がいることを、この学校は教えてくれました。

かつての私では到底及ばぬ高みを見せつけられ、下から追う者の苦しみを知った……


それを知ったからこそ、私は弱き人々に寄り添い、世界中の多くの人を助けたいと本気で思えたのです」


ステージ後列、一番端に立つミアは、俯き加減でその言葉を聞いていた。


(私のことまで語ってる…… あんなにキラキラした顔で言われると、なんだか少し悲しくなってしまう……)


エレナのスピーチが終わると、割れんばかりの拍手が講堂を包み込んだ。


誰もが確信していた。

次代の聖女はこの人しかいない、と。


続いて、校歌『聖女たる心』の斉唱。


周囲の卒業生たちは、三年間を共にした友人と顔を見合わせ、涙を流している。


しかし、ミアの目には涙は浮かばなかった……


九歳で故郷を離れ、九年間。

通常の三倍もの時間をこの学園で過ごした。

思い出の数は誰よりも多いはずなのに、心はどこか他人事のように思えた。


(多くの人の期待を裏切ってしまって……

みんなと一緒に泣く資格なんて、私にはないのかもしれない……)


校歌の最後の一節を歌い終え、静寂が訪れる。


ついに、式典最後のプログラム――『王宮付き聖女候補の指名』が始まった。


「……これより、王宮付き聖女候補を指名いたします。

指名していただくのは、王国が誇る至高の癒やし手……

聖女リリィ・フォン・ルミナス様です!」


現聖女、リリィが真っ白な法衣の裾を翻して祭壇へと向かう。


彼女が壇上に立つと、会場の緊張感は最高潮に達した。

祭壇に立ち、ふっふーん!と笑い全体を見渡すリリィ。


誰もが、エレナの名を口にすると信じて疑っていなかった……

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


リリィは誰を聖女候補に指名するのか…

もし、よろしければ次のお話も、よろしくお願いいたします。

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