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かつて神童と呼ばれた89位聖女。ハニトラ勇者伝説の真実を暴いて見せます!  作者: けけりーな
第四章 道中で出会った女性と共闘したら、魔王と聖女の娘でした
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54 聖女ミアvsシスター・ミィ

〇ガリウスの屋敷・食堂


贅を尽くした料理が並ぶ中、ガリウスがワイングラスを置き、感心したようにミアを見据える。


「しかし、ミィ様のお力はかなりのものですな。あの賊の刃も通さぬ防御魔法に、ワタクシを瞬時に癒やしてくださった回復魔法… 聖女学園での成績も、さぞや上位だったのでしょう?」


「え? あ・・・ 学園の成績は・・・アハハ・・・」


ミアはスープを掬う手を止め、困ったように首をかしげた。

しかし、ガリウスはまだミアの口から発せられる結果を期待している。笑って誤魔化せなかったようだ…

仕方ない。


「そ、そこまで上位というわけではありませんでしたよ」


成績上位者の順位表にも載れなかった日々… 事実を述べたミアでしたが、ガリウスは納得がいかない様子で眉をひそめます。


「ふーむ、そうなのですか… いえね、数年前に『聖女学園を30位で卒業した』という流れ者を護衛に雇ったことがあるのです。

ですが、その者の魔法といえば、時間をかけて小傷を治すのが精一杯。ミィ様のものとは、同じ女神様の力かと疑うほど天と地の差がございました」


「どうせ、300位かなんかなのを騙されたんじゃないの?」


カレンがバカにするように言うが、ガリウスは必死に反論している。


「何をおっしゃいますやら!こちらとて、高い金を払って雇ったのです。最終成績表や卒業証書は確認しましたとも!」


オーバーな身振り手振りをしながら話すガリウス


「ですので、これほどのお力を持たれるミィ様は、実は相当な上位での卒業生なのでは?と娘たちと話しておったのです」


「卒業年によってレベルが違いますし・・・」


と必死に弁明するミア


だが、その隣からガラスで突き刺されるような視線を感じる。

恐る恐る横を見ると、カレンが「話が違うじゃない」と言わんばかりの強烈なジト目でミアを凝視している。


(うぅ・・・睨まれちゃってる・・・)


生きた心地のしないミアだが、そこでガリウスが膝を打ち、何かに気づいたように声を上げる。


「ミィ様は巡礼が初めてとおっしゃる。…まさか、あのミア様と同じ神童世代なのでは!?」


「っ!?」


ミアの心臓が跳ねあがる。同時に、カレンがピクリと反応して、興味津々と言う反応だ。


(・・・どうしよう)


ミアは覚悟を決め、小さく頷きました。


「え、ええ・・・実は、そうなんです」


「キャーッ! 本当に!?」「あの話題の黄金世代なのね!」

娘たちが色めき立ち、食堂が華やぎます。ガリウスは気の毒そうに肩をすくめた。


「それは運が悪うございましたな・・・ 他の世代であれば間違いなく上位に入れたでしょうに。

相手があのミア様では、流石のミィ様も霞んでしまいましたか」


「そうなんです! 私、髪もミアさんと同じピンク色ですし、名前も『ミィ』ですから、よく彼女と勘違いされて困ってしまって・・・ あはは・・・」


疑われる前に先手を打って「似ているだけの別人」を演じるミア。

ガリウスは「はっはっは! それは災難でしたな!」と豪快に笑い飛ばした。


(良かった・・・ なんとか誤魔化せたみたい・・・)


ホッと胸をなでおろしたのもつかの間、

隣から、低く冷ややかな声がミアに突き刺さった。


「……で? そのミアってのと、会ったことはあるの?」


カレンのジト目はさらに深まり、逃がさないと言わんばかりにミアの横顔を捉えている。


「え? え、ええ・・・  まあ・・・いい子でしたよ? 彼女」


ミアは目を合わせられず、視線をサラダの豆の艶の観察に集中させる。


「ふーん… なーんか怪しいわね?」


カレンの追求を遮るように、ガリウスが再び声を上げた。


「ああ…戴冠式の『奇跡の雨』は、是非この目で見たかったですなぁ」


「奇跡の雨?」

カレンが聞き慣れない言葉に反応する。


「ああ、異国におられたカレン様はご存知ないかもしれませんな。

実はミア様というのは、齢九歳にして女神の力に目覚められた神童でしてな…」


ガリウスは得意げに、聖女ミアがいかにして勇者パーティの壮行会で人々を癒やしたかを、詳しく語り始めた。

その美談が熱を帯びるほど、カレンのミアへのジト目は強まっていく。


(睨んでる!すごい睨まれてる!!)


自分自身の伝説を目の前で語られ、正体を疑う少女に監視される。

ミアにとって、豪華なディナーどころではない時間となってしまうのだった。

最後まで読んでいただきありがとうございます!


よろしければ、次のお話もよろしくお願いいたします!

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