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かつて神童と呼ばれた89位聖女。ハニトラ勇者伝説の真実を暴いて見せます!  作者: けけりーな
第三章 野に咲く聖女に、守る力を教わりました
46/100

46 世界中の多くの人々に祝福を

〇名もなき村・広場


マーサの葬儀は、村人たち全員に見守られながら執り行われた。

ミアはシスターとして、震える声を抑えて祈りを捧げた。

参列した村人の誰もが涙を流し、彼女がいかにこの村で愛されていたかを物語っていた。


「シスター・ミィ、どうかこの村に残って、マーサ様の代わりに教会を守ってくれないか」

宿屋の主人や村人たちからの、切実な願い。


一瞬、ミアの心は揺れた。この温かな村で、マーサの意思を継ぎ、彼女のように人々に寄り添って生きる道もあるのではないか?


しかし、ミアの脳裏にはマーサが最期に遺した言葉が響いていた。

「世界中の多くの人々に祝福を…」

それこそが、同じシスターとしてマーサの意思を継ぐこと…


それに、自分は国王から追放を命じられた身だ。

もし騎士団が本気で自分を追ってくれば、この村を戦火に巻き込んでしまう可能性もあるだろう。

自分は、ここに留まるべき人間ではないのだ。


「・・・ごめんなさい。私、行かなければならないんです。」



〇村の近くの峠道


旅立ちの朝。

ミアの手には、マーサが最期に握らせてくれた古びた杖があった。宝石などの装飾は何一つない、ただの木を削り出しただけの地味な杖。

けれど、握りしめると、そこにはマーサが長年込めてきた「多くの人々を守るための祈り」の温もりが宿っているように感じられた。


ミアは一度だけ振り返り、朝日に照らされる小さな教会と村を見つめた。

そして、風になびくピンク色の美しい髪を手で押さえて、前を向いた。


目指すは、バルカ帝国。


新聖女イザベラの不穏な思惑。歴史から消された第二十三代聖女の真実。

そして、目の前で困っている人達を助ける事…


すべてを奪われた89位聖女が自分の足で歩き始める。

一歩、また一歩。


ミアは今、果てなき巡礼の旅路へと歩み出したのだった。


第三章【完】

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!


今回で第三章は完結です!

ここまでお付き合いいただきありがとうございます!


次からは、新章・第四章に突入します。

よろしければ次のお話も、またよろしくお願いいたします!

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