43 ミアに迫る魔の手
「あの?それで話というのは?」
三人の兵士に囲まれるようにして部屋に入ったミアは、首を傾げて問いかけた。
女神教会の強力なカーテンで守られている聖女学園で、9歳の時から女神魔法の英才教育だけを受けてきた彼女には、男たちが放つ、どす黒い生の感情や欲望に気づく術がなかった。
「話ですか……おらぁ!!」
「えっ!?」
不意に、目の前の兵士がミアの細い腰を抱え上げました。逃げる間もなく、彼女は乱暴にベッドの上へと叩きつけられた。
「きゃあっ!?」
背中に走る鈍い衝撃。
混乱するミアの視界の中で、一人の兵士がニヤニヤと笑いながら扉の前に立ち、かんぬきをかける。
もう一人の男は、鼻歌混じりに自らの鎧を脱ぎ捨てている。
「へへ! しっかり押さえておけよ。逃がすんじゃねえぞ」
「わかってるよ! ダラダラやるんじゃねえぞ、次は俺の番なんだからな」
ミアを押さえつけている男は、必死に抗う彼女の手首をベッドの上に押さえつけて、その感触を楽しむように下品な笑いを浮かべた。
「や、やめて・・・! あなたたち、こんなことをして許されると思っているのですか!?
め、 女神様がお許しになりません!」
「へっへっへ… 国外追放された『元』聖女様だ。どこで誰に何をされようが、文句を言う奴はいねえよ。まさかこんな極上品を好きにできるとは… 本当についてるぜ」
鎧を脱ぎ去った男が、首の骨をコキコキと鳴らしながら、獲物を追い詰める獣のような目でミアににじり寄ってきている。
「いいから早く終わらせちまえよ。見てるこっちが我慢できねえ」
「あ、ああっ・・・」
ミアの体はガタガタと激しく震え出してしまう。恐怖が思考を真っ白に染める。
(そ、そうだ・・・ぼ、防御魔法を・・・)
マーサと練習した、壁のイメージを必死に呼び起こすミア。
しかし、自由を奪われた体、止まらない震え、そしてにじみ出てくる涙で歪む視界…
魔法を発動させるために必要な精神の集中など、今の彼女には不可能だった。
「いや・・・いやあぁぁっ!!」
逃げ場のない密室。
王国を守るはずの兵士たちの手が、ミアの純白の修道衣に伸びる。
絶体絶命の窮地。果たしてミアは…!?
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