37 歴史から消された聖女様
「こんなところまで、掃除してくれているのね…少し休憩にしましょうか。」
流れる気まずい空気…
いつもの小さな食卓で紅茶をいれてくれる
「あの・・・」
ミアが先に声をかけようとすると静かにマーサが話し始めた。
「聖女教会の基本的な考え方は二つ…
女神様からいただいたこの力で、生きとし生けるもの全てに祝福を与える事を目的とする初代聖女マリアベル様の教え…
そしてもう一つは歴代最高聖女とのいわれも高いミラ様の、完璧な防御で相手の戦意を喪失させて、争いごと自体を起こさせないという考え方。
彼女は大陸の覇権を争う戦争で王国全土に防御魔法をかけて戦争を終結に導いたという話は有名だわね…」
マリアベル様派のミアと、ミラ様派のエレナで、どちらが歴代最高の聖女かという議論で、いつも喧嘩になっていた幼少期を思い出すミア。
「そうですね・・・それが?」
「…歴代聖女様。聖女学園の教科書にも載っているわね。全員のお名前の暗記って今でもやらされるの?」
少し、懐かしそうに笑っているマーサ
「あ、はい。やらされますね・・・」
アレきついですよね?と言わんばかりの苦笑いで返すミア
「そう…あの暗記をした時に、みんな少し気になるけど、誰もなにも教えてくれないから、みんなそのうち忘れてしまう事があるわね…」
「・・・・・・?」
「第二十三代聖女様」
静かに語るマーサの言葉に、ミアの心臓が大きく跳ねた。
「第二十二代の次は、なぜか第二十四代が続く。その間にいたはずの聖女様は、名前も…存在したという記録すら、どこにも残されていない」
女神教会の完全なるタブー。
学園の教師たちも教会の高官たちも、子供の頃のミアがその問いを口にするたびに露骨に顔を曇らせ、話を逸らしてきた。
ミアもそのうち、これは聞いちゃダメな事なんだと理解し、その疑問は記憶の片隅に閉じ込めてしまっていた。
「さっきの絵画にいた勇者様のパーティ『五人目』の同行者・・・ あの方が、第二十三代聖女様なのですか?」
ここまで読んでいただきありがとうございます!
第二十三代聖女様は伝説の勇者パーティのメンバーだったのか…?
もし、よろしければ次のお話もよろしくお願いいたします!




