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かつて神童と呼ばれた89位聖女。ハニトラ勇者伝説の真実を暴いて見せます!  作者: けけりーな
第三章 野に咲く聖女に、守る力を教わりました
31/98

31 お城の外の孤独な世界

〇王都郊外


王都の壮麗な城壁が地平線の彼方に消え、時折聞こえる魔物の遠吠えだけが響いていた。

森林を切り開き、馬車などが通るために草が刈られた、道と呼べるものを歩いてはいるが、

城下町の中で生活してきたミアにとっては険しい道である。


国外追放を受けてしまったのだから、国内にとどまっていると何をされるかわからない。

早く王国の外に出なければならないだろう。


しかし、もちろんあてなどない

あてと言えば、自分の故郷に帰るか、リリィの故郷のポテチの村?に行ってみるかぐらいしかない…


「リリィ様の故郷と言っても、結局どこにあるかもお聞きできなかったし・・・

ポテチが名産と言っても・・・ そんな町や村なんて世界中に五万とあるわよね・・・」

リリィと、笑いあった日々が何年も前の事のように思える…


とぼとぼと歩きながら考える


「ウチに帰ろうかな・・・」


しかし、学園にいるときに地図で大体の位置は把握しているが、歩いてどれほどかかるのか見当もつかない。

9歳の時に馬車で送られた時は、船にも乗って何日もかかかっていたはずだ…


それほど多くの食料も路銀も用意されてるわけではない。

このまま何も考えずに歩いていても野垂れ死ぬのは時間の問題。


城下町を離れると、多くの野獣や魔物がうろついている。

タダでさえ女一人の旅路、ましてやミアは戦う力を持ち合わせていはいない。

野党に襲われる可能性だって決して低くはない。


城下町を離れれば、そこは弱肉強食の世界だ。一瞬でも気を抜けば命取りになるのだ。


一歩踏み出すごとに、豪華だった巫女装束の裾が泥に汚れ、重くなっていく。


「うぅ・・・お城のふかふかのベッドが恋しいなぁ」

つい口から出てしまった弱音は、乾いた風にさらわれて消えていった…


その日の夜、ミアは大きな岩の陰に身を潜め、マントにくるまって夜を明かすことにした。


「女神様・・・どうか今夜、恐ろしいものに襲われませんように。なにとぞお守りください・・・」


暗闇の中で捧げる祈り… それが、今の彼女にできる唯一の防衛手段だった。


かつて王都で奇跡の雨を降らせた聖女ミア。しかし、王都から一歩出れば、孤独と寒さに耐えながら、運に任せて祈ることしかできない…


自分がどれほど狭く、守られた世界で生きてきたかを実感させられる。



数日歩き続けた。

ぐっすりと眠れるわけもなく、疲労困憊のミアの視界に、小さな集落の影が映った。


「あ・・・村だ。よかった・・・」


あと一日到着が遅れてたらヤバかったかもしれない…

そう考えながら、空腹と渇きと眠気の三重奏で霞む目をこすり、ミアは自然と早まる足取りを止めることができなかった。


村には人はあまりいない。

廃村ではないようだが、活発な村でもなさそうだ。

畑があり、農作業で生計を立てているのか…?

村の入り口付近に馬小屋らしきものも見えるので、王都への最後の馬の中継地点も兼ねている村なのかもしれない。


その馬小屋の壁にもたれて、座り込んでいる男がいる。

(よし、あの方に話しかけてみよう・・・)

ミアは泥で汚れた衣服を少し整えて、男に近づくのであった…

最後まで読んでいただきありがとうございます!


今回から新章突入です!ミアの新たなる旅も見守ってあげてくだされば幸いです!

もしよろしければ、次のお話もよろしくお願いいたします!

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