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かつて神童と呼ばれた89位聖女。ハニトラ勇者伝説の真実を暴いて見せます!  作者: けけりーな
第二章 聖女として頑張ったら、国外追放になりました
24/100

24 陛下の毒

〇最高司祭の私室


「ここからの話は、あなたも同席するのです」

セシリアに促され、入室してきたのは懐かしい親友の姿だった。



「承知いたしました、セシリア様」



少し恥ずかしそうに顔を上げて、上目遣いでミアに視線を向けるセレスティーヌ。


肩まで切り揃えられた、深みのある濃緑色のボブカット。


以前と変わらない清楚な空気を纏い、純白の司祭ローブに身を包んだセレスティーヌ・アルジャンは、

一輪の百合のような空気を漂わす。


ミアとセレスティーヌ。二人は公務を忘れて見つめ合う。

あの頃から何も変わっていないセレステーヌの瞳。


言葉は交わさずとも、互いに茨の道を歩みながら、それでも己の信念を失っていないことを確認し合う二人。


そんな二人の空気に割って入るように、咳ばらいを一つ入れたセシリアが話しかけてきます。

「それで聖女様、こちらに出向かれたのには、何か理由がおありだったのでしょう?」


ミアはこの二人になら話しても大丈夫だろうと決意する。


「……実は、陛下が毒を盛られた可能性があるのです。

私の解毒魔法で快復に向かわれてはいますが、混入経路が不明で……」


流石に少し驚きを見せる。セシリアとセレスティーヌ。


「陛下の毒…… それを、この教会内にその手引きをしたものがいるのではないかと……

聖女様は、そうおっしゃりたいのですか?」


セシリアの言葉に、もう引くことはできないとミアも覚悟を決める。


「証拠は何もないのですけれど…… その可能性もあるのではないかと……」


セシリアは少しミアの目を見つめていたが、ふっと深い瞬きをしてから言葉続けた。


「確かに聖女様のお考えは的中しているかもしれません。

この女神教会内には、そういった暴挙を厭わぬ過激な派閥があることは否定できませんから」


セシリアが険しい表情で考え込んでしまう。


その横で、セレスティーヌが一歩前に出た。


「セシリア様、私も一点、ご報告すべきことがございます。

……武勇の国・バルカ帝国についてです」


「バルカ帝国?」


ミアは思わず耳を疑った。


剣と武勇を尊び、かつての魔王との大戦で甚大な被害を受けながらも、今や王国と肩を並べる大勢力へと復興を遂げた軍事国家。


王国とは友好関係にあるはずだが……


「そのバルカ帝国の聖女が、この国の女神教会内にある『教皇派』と密かに繋がっているという噂を耳に挟んだのです」


セシリアは少しだけ不安そうな顔で答えた。


「……確か、先代聖女リリィ様に王国の聖女争いで敗れた者が、

その有能さを買われてバルカ帝国の聖女として派遣されたはずですが…… 彼女のことでしょうか?」


「その方とは一体……?」


不安げに聞くミアに対し、セシリアは答えた。


「名はイザベラ・ド・モンティーヌ。リリィ様と同格かそれ以上の力を持っていたと言われる女性です」


ミアの背筋に冷たい汗が流れた。


リリィと競い合い、敗れた天才。

彼女がもし、実力主義の帝国で力を蓄え、王国内部の不穏分子と手を組んでいるとしたら……


「リリィ様がいなくなったこのタイミングで動き出す……

聖女様、陛下に盛られた毒、それは教会の過激派が『帝国』から持ち込んだものの可能性があります。

私が水面下で調査しておきましょう。」


「あ、ありがとうございます!」


セシリアの言葉に深々と頭を下げるミア。


穏やかだった親友との再会の場は、一気に緊迫した軍事会議のような空気に包まれてしまうのだった……

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


ミアの親友セレスティーヌが登場しました。

よろしければ次のお話も、よろしくお願いいたします。

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