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かつて神童と呼ばれた89位聖女。ハニトラ勇者伝説の真実を暴いて見せます!  作者: けけりーな
第一章 卒業順位89位。なのに次期聖女に選ばれたのは私でした
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12 聖女の心

〇王都・城下町オープンテラス


午後の柔らかな日差しが降り注ぐカフェ。

ミアは一人、冷めかけた紅茶を前に座っていた。

賑やかな街の喧騒が、今の彼女には遠く感じられる。


(私は聖女になるためにここに来た。

そのチャンスが、今、目の前にある……

なのに、どうして私はこんなに躊躇しているの……?)


みんなを助けたかった……

傷ついている人を助けたかった。

自分はそれができる女神に選ばれた人間だと思っていた……


「ううぅ……」


卒業式でも見せなかった涙が、ポロポロとテーブルに落ちる。

才能が枯れたから、第一神界魔法しか使えないから、だから人を救うのもやめるというのか。

それでは、自分が今まで学んできたことは何だったのか。

ただ、高い能力を持って人から崇められたかっただけなのか。


11歳の頃、ミアがエレナに語っていた言葉。


『初代聖女マリアベル様は、元々は小さな教会のシスターだったのよ。

でも、その魔力をすべて人々のために使おうとした姿勢が支持されて、みんなが彼女を『聖女』と呼ぶようになったの。

聖女とは与えられる称号じゃない。必要なのは能力の高さじゃない、救いたい心と実行力だけなのよ!』


「……そうだよ。そうだったじゃないミア!」


ミアは立ち上がり、涙を乱暴に拭った。

能力が伸びなかったことを言い訳にして、一番大切な『聖女の心』まで失いかけていた。


(私が間違ってた。能力の高さなんて関係ない。一からやり直そう!)


ミアは王宮に向かって走り出した。

風を切り、ピンク色の長い髪が鮮やかに揺れる。


(今すぐ聖女の話はお断りしよう。

まだ間に合うはず。私より優秀な生徒はいくらでもいるのだもの!


私は…… 私は一から、もっと真摯に一つ一つ教会や医院や薬屋に当たっていこう……


どんな小さな場所からでもいい。

一人ずつ、目の前の人を助けることから始めるんだ!)


今の自分に足りなかったのは、高い魔力や第二神界魔法ではなく、地に足をつけて人々に向き合う覚悟だった。


走り続けるミアの顔には、迷いは消え希望に満ちた笑顔が溢れていた。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


ミアは自分で何とか心の整理ができました。

よろしければ、続きのお話もよろしくお願いします。

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