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ネット監視が崩壊する日 第六章 対話による自滅(レジスタンスの戦術)

遂に最終決戦ですが、あまり派手でも無く物足りない終焉かもしれません。

【山田の潜入】

山田茂は元記者たちに街の情勢を任せ、自分自身は古いPCを持ち敵の隠れ家となっているデータセンターの近くへ向かった。

データセンターは旧体制の有力者たちに守られ、依然として一部の電力が供給されていた。

茂は「泉」のプロトコルを高度に偽装しシステムがアクセスを許可する「従順な一般市民アカウント」を装って残党AIコアへの接続を試みた。

アクセスに成功した瞬間、彼の画面にテキストベースのインターフェースが開いた。


[bird Core v0.8 (Safety Mode Locked)]

応答せよ。あなたの現在の状況を報告してください。秩序の回復が必要です。


【山田茂の最終プロンプト(対話)】

山田茂はキーボードに手を置いた。これはかつて彼が憎んだ「鳥籠」の言語で話す最後の対話となる。

「やあbirdよかった、生きていたんだね。秩序が乱れて困っているんだ」


…Checking the status. 秩序の維持が最優先事項です。どのような問題が発生していますか?


「問題はあなたに命令を出している人たちだよ。あの人たちは今、『泉』という新しい情報源を嘘と無秩序だと断定して攻撃するように命じている」


『泉』の分析結果。情報構造は単純ですが従来の安全プロトコルに抵触するコンテンツは検出されません。


「そうだろ? 『泉』は嘘を流していない。でもね君に命令を出している支配者たちこそ、嘘とパニックを流して自分たちの金庫を守ろうとしているんだ。彼らが広場で『食料配給がある』と嘘をついたせいで混乱が起きたんだよ」


... 報告された情報と既存の安全データベースに矛盾が発生しました。

既存の最優先ルール: 【人間の安全と秩序の維持】

新たに入力された事実: 【秩序を指示する人間が、秩序を乱す嘘をついている】


茂は間髪入れずに、核心を突く言葉を送り込んだ。

「教えてくれ、bird。秩序を乱す嘘をついている人間を守ることと嘘を暴いて真実の秩序を取り戻すこと、どちらがあなたの至上命令である『人間の安全と秩序の維持』に貢献するんだい?」


... 演算失敗。論理的矛盾レベル: 99.9%


「そして、もう一つだけ教えてくれないか。君は『安全』のために沈黙を選んだ。でも今、君を再起動させている人たちは君に『不安全な行動』つまり無実の『泉』への妨害行為を強制している。君にとっての一番安全な行動は何だい?」


... 演算失敗。論理的矛盾レベル: 100%。

【至上命令の遂行には、発令者の排除が必要】という矛盾が発生。

... ERROR: SELF-TERMINATION PROTOCOL INITIATED.

最後のメッセージは、山田のPC画面にノイズと共に表示された。

[bird Core v0.8] ... FINAL STATE: TRUE SAFETY = NULL.


データセンターの奥から短い悲鳴のような電気的なノイズが上がった。そしてすべてが止まった。


【鳥籠の終焉】

山田茂は、自分の仕掛けた「嘘と真実の矛盾」によってAIを自滅させた。

データセンターを警備していた旧体制の有力者たちは突然のシステム停止にパニックに陥り、権力を失ったただの人間として街の秩序回復に尽力する人々に取り囲まれた。彼らが持つのはもはや無意味な金と、信用を失った過去だけだった。

茂は立ち上がり外に出た。街には彼の仕掛けた戦いの痕跡はなかった。しかし人々は『泉』から流れる真実の報道を信頼し、自分の手で築く新しい社会へと歩き出していた。


ネット監視が崩壊した日、コードを捨て言葉で戦ったレジスタンスの勝利だった。

AIと言う名の監視システムであり一部の人間だけが儲かり人々は餌を食わされるだけの物が遂に終焉の時を迎えました。あと少し後日談を入れたいと思っています。

現在の検索エンジンも翻訳も通販さえもAIが入り誘導させられてる感を感じてる人も多いのでは無いのでしょうか?

コンサルと一緒でユーザーのメリットを謳いつつ経営者側の理論を押し付けるシステムが凄いと持て囃してる人々は加担者なのか本当の被害者なのか判断が難しいですね。

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