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第70話 ムービー前に、メイドカフェと占い

 レイは自分の下僕に、ここの戦い方を教えていた。

 これは命懸けの戦闘になりかねない。

 だからしっかりと戦士の心がけを叩き込まなければならない。


「いいか? 俺の…いや、一人称は「私」、「あたし」、「ウチ」、「自分の名前」好きにして構わない。最初の挨拶はいらっしゃいませではなく、『お帰りなさいませ』だ。そして相手の名前は『ご主人様』、もしくは指定があった場合でも『様」付けは忘れるな」


 これは世界の崩壊を防ぐ戦い。

 そして、ドラステワゴンは恋愛要素ふんだんなゲームだ。

 これくらいの演出は、寧ろゲーム的にOKなのだ。

 創造神(ゲーム制作会社)の中には、これを盛り込みたかった神もいるだろう。

 だからこそ、ここまで円滑にことが運ぶ。

 そしていくつかの説明をした後、レイ子はこの言葉で締めくくった。


 いいか!と全員の目線を集めた後で、彼はどろどろと赤い、邪悪にしてかわいい何かを握りしめていた。

 そこからは禍々しいトマト味のどろどろとした何かが滴り落ちる。

 彼は魔人である。

 だからこそ、その滴り落ちた物が象るモノも、当然恐ろしいモノでなければならない。

 レイ子はそれを真面目に描いている。

 彼女が描いたのは、まさしく心臓をシンプルに描いたものだ。

 流石は変化しているものの、中身は魔族と言えるだろう。

 そして彼は最後に言った。


「萌え萌えコウモりん!」


 恐ろしさに集められたメイドたちは声を失った。

 皆も恐ろしき悪の象徴、心臓のシンボル、ハートマークを黄色いキャンパスに描いていく。

 そして全員が声を揃えて、人の心臓を握りしめる呪文を唱えた。


「萌え萌えコウモりん!」

「萌え萌えコウモりん!」

「萌え萌えコウモりん!」


 その様子に2mクラスの高身長メイドはニヤリ。


「流石はモブかわメイドたち…、我が軍は最強だ」

「レイ子様!竜兵団幹部、竜王が尋ねてきました。ただ、竜王は一人で入りたいと‼」


 レイ子の目が光る。


「ほう。そこまでとは、な。では、私がいきますわ」


 レイ子は一人、ここはサーカスか?とまで規模が拡大してしまった仮設メイドカフェの入り口へと向かう。

 そして、そわそわしている、あのゼノスの対応をする。


「お帰りまなさいませ、ご主人様。後ろの方々も同じくお帰りなさいませ。…エクレアのご主人様。お待ちしておりました。最高級のメイドがエクレアのご主人様の帰りを、いまかいまかと奥の席で待ちわびております…りん?」


 そして竜王は固まった。

 彼は後ろの部下に耳打ちをし、冷たい視線がレイ子に向けた。


「部下も…か。いや、そうだな。そろそろ帰ろうかと思っていたところだ。はぁ、今日の巡回は疲れた。俺の帰る場所に案内してくれ」

「はい、ですが。ドメスティックなバイオレンスは…、その…」

「安心しろ。俺は自分でも恥ずかしくなるほど、メイド一筋なんだ」

「それは安心しました。では、…ご主人様専用のメイドが…奥で待っていますよ…りん」


     ◇


 薄灰色の髪に竜のツノ。

 しかも見えない壁を持つゼノスは意気揚々と歩く。

 とは言え、彼の顔は険しくなる。


「ハリボテ感が否めない…か」


 我が家がハリボテでは気も滅入る。

 ただ、


「おかえりなさいませ、ご主人様!」


 少女の旋律を奏でるような、そして朝日を告げるような、栄光の未来を告げるような心地よい声が響いた時。

 ゼノスはいつの間にか泣いていたことに気がついた。

 魔王軍四天王として、それはあるまじき行為だ。

 こんな様子をあの男たち、アズモデやドラグノフに見せるわけにはいかない。

 だからと、彼は涙腺に力をこめて無理やり涙を押し込んだ。

 後ろにガノスだけがついてきているのを確認して、背筋をしゃんと伸ばした。

 そして、ついに自身の本当の心を知る。


 全く、俺の心の方がハリボテか。


 竜王としての風格、ドラゴンオーラが少しずつ、薄くなっていく。

 鷹揚に店内を見回して、我が家に相応しい竜人でありたいと自嘲した。


「ただいまぁぁあ。いやぁぁ、竜王、今日も巡回疲れたよー」


 顔のすべての筋肉を弛緩させて、竜王は帰還した。

 ただ、ここで竜王の足が止まる。


「では、お好きな席へどうぞ!」

「お好きな席?最高級のメイドが…、ではなく最高級の席が…と、大柄な女に」


 一画だけ、明らかに他とは異なる席があった。

 上手い具合に顔の当たりが観葉植物で見えなくなっている。

 そこに案内されると思っていた。

 話が違うではないかと思った時


「ご主人様、申し訳ないにゃん。…あそこはお財布が分厚くないとダメにゃん。家計は火の車だにゃ」


 四天王の一人、そして正義感あふれて、実直で実力もありと名高いゼノスは、ホッと胸を撫で下ろした。


「そういうことか。大丈夫だ。俺は何と言っても竜王だからな。懐の心配は要らない。今日の為に王様として頑張って働いてるんだからな。だから早く寛ぎたい。腹もすいてるんだ」

「畏まりましたにゃん‼こっちですにゃん‼」


 漸く、ゆっくりできる。

 今日も王としての責務を果たしたのだ。

 ただ、さっきから背中を小突く者がいる。


「王!まだ、 巡回の途中ですぞ。 今、何か食べていこうかなぁ、などと考えておりましたよね? しかも、身分や立場など大嫌いだとおっしゃっているにも関わらず、先ほど職権濫用しましたよね!?王の財産は、連綿と引き継がれるものでして…」


 だが、ガノスの言葉をゼノスは鼻で笑った。


「何を言うか、最近勇者の動向が激しいので、巡回を厳しくしていただろう。俺はただ、兵士達のために慰労してやろうと言っているだけだ。俺の顔が見えては休むものも休めないだろう?少しは頭を回せ。親戚とは思えぬぞ。さぁ、主が帰ってきたぞー。今日も仕事頑張っちゃったぁ! なーんか、今日の俺、財布の紐が緩くなってるかも。だから気分も緩くして寛ぎたいなぁ!」



 メイド姿のイリ子は竜王を奥の部屋へとお連れした。

 看板娘、『ウサ子ちゃん』の担当している席である。


 サキュバスバニーの本能を引き出すのは不味いので、彼女にはメイドがなんたるかを教え込んでいる。

 そして、この一連の流れをレイは『世界の崩壊を防ぐために』、イーリと連携して観察している。

 具体的には、出来る限りの竜人兵を店内へ案内するよう指示し、ゼノスの付き人で一番目立っている色違い竜人ガノスを数名がかりで催促させている。

 ガノスがエルザでいうワットバーンで間違いなさそうだった。


「こちらの御主人様はこっちですよ」


 そしてイーリがイリ子として、その側近を引き剝がす。


「叔父貴、今日の仕事は終わりだ。お前も帰ってこい」

「ぐぬ…。仕方ありません…」


 だから彼は主人の行動に従わざるをえない。

 そしてこれも、世界平和のためだ。

 世界平和の為に、ウサ子を演じるラビも頑張る。


「普通のオムライス、愛情たっぷりオムライスがありますにゃん。どれがいいかにゃん? あとカフェラテと、愛情たっぷりカフェラテがあるけど、これも頼むにゃ?」

「ふ、普通のオムライスとあ、あい、愛情たっぷりオムライスとはどう違うのだ?」

「中身は一緒だけどぉ、愛情たっぷりオムライムにはぁ、ウチの愛情がたっぷり入ってるにゃん!」

「それで頼む‼」


 レイ子は他の客を案内しながら、その様子を片目で見て、心でほくそ笑む。

 そして同時に戦慄していた。

 あの竜王の言動は、正に世界の崩壊(バッドエンド)を感じさせるもの。

 脅威は間近に迫っている。それが分かるだけに恐怖すら感じていた。

 因みに、ここでのバトルの引き金になるのはゼノスではなく、彼の参謀ガノスの行動である。

 設定上、ガノスは日々のゼノスの善行に不満に感じている。

 そして、魔王軍の力を借りてこの街に災禍をもたらす。

 その時についでのムービーイベントで現れる役者こそが、魔人レイなのである。


 重要なのは、このイベントの発生条件がゼノスとアルフレドパーティの接触であること。


 ムービーにはレイが含まれるので、レイが立ち去ればワンチャンイベント回避できる、かもしれない。

 けれど、今回ばかりはそうもいかない。

 世界を崩壊させてはならないと伝えなければならない。


 そして、予想通りの出来事が起きる。


「レイ子さん! まずいっす!如何にも強そうな奴らが訪ねてきてます‼」


 イーリ、いやイリ子が小走りで近づき小声で告げた。

 遂に勇者の登場だ。

 流石にこのメイドカフェは目立つ。

 だが、どのみち強制力で会う運命だから、先手を取ったというもの。


 ゼノスをあの区画に閉じ込めた今しかない。


「チッ」と舌打ちをして、周りをきょろきょろと見ながら入り口へと向かう。

 竜王軍は統制が取れているらしく、目を泳がせながら嬉しそうにケチャップでハートが描かれたオムライスを食べている。

 最も力があるゼノスはラビが抑えているので、その辺の扱いは問題ない。


 アルフレド、この目で確かめてやる。

 ちゃんとアイザを大事にしてるだろうな!


 その思いで、入り口に向かうレイ。


 ここまで来れば分かるだろう。竜人族は女好き。

 そしてゼノスは、ただの女好きではない。

 普段の実直で、どこまでも中立的。そして全体を俯瞰している風を装ってはいるが、彼の根幹は『むっつりすけべ』だ。

 だから、ラビが心配というのもある。

 だが、むっつりが故に、ラビはそのような人種の扱いには慣れている。


「サキュバスバニー・エリート・ネイムドとなったラビには任せられる。時間はそれなりにある…が」


 竜王軍の兵士は竜人といえども、体幹は人間に近い。

 だから街の女たちも思いの外、楽しげに演じている。

 NPCで生まれた彼女たちは、基本的なルーティンを与えられただけ。

 この店は一夜限りでなく続ける方が良かったかもしれない。

 その為にも、ここで勇者を確かめる。


 ——カチャ


 軽い音を立てて、仮説の扉を少しだけ開けた。

 一応、レイだとバレないか確認する。

 ただ、そこで厄介なものを発見した。

 あの時、あれを使われていたら相当厄介だった代物。

 レイとバレた瞬間に『イベント』が発生する可能性がある。

 そうなれば、いきなりゼノスとアルフレドが会うことになる。

 アルフレドを確かめずにそれをするのは、バッドエンドリスクが高い。


「ここの街では戦闘は禁止ですよ? ゼノス様が治安を取り仕切っております。ですから武器はお納めください。特に一番奥の眼鏡っ子の武器は流石に…」

「あ、あぁ。治安がそれなりに維持されているのは分かっている。そして竜人は扱い上、モンスターか。確かにそうだな。キラリ、念のために他の装備類も外してもらえるか?」

「えー、僕の存在意義がー」


 今のところバレていない。

 ただ、キラリの寂しそうな顔が、レイの心臓を抉る。

 だから長身のメイドは、少しだけの予定変更をすることにした。

 ここはラビの腕の見せ所である。


「イリ子、残りのお店のお金、全部使っていいわよ。だから上客を返さないようにね?」

「い、いいんですか? って言っても、実は今黒字なんすけど、じゃあ分かったっす。あいつらから絞るだけ搾り取って、極楽気分を味わわせるっす!」


 イリ子は側から見れば金髪の少女に見えるらしい。

 喋り方もちょっと元気な女の子かな、くらいに思われている。

 それ故か、レイ子より人気がある。

 そんな彼女は、スカートを揺らせながら店内に消えた。


 これで、更に時間が伸ばせるか…


 イリ子には時間が空いた時はガノスの相手をするように伝えている。

 そしてレイ子は左右のスカートの裾を摘み、勇者パーティに恭しく一礼した。

 この降って湧いたチャンスを活かさなければならない。

 あの事さえ伝えることが出来たら、最悪バレても構わない。


「いかがでしょうか? 私、こう見えても占いが得意なんですよ?」

「あのねぇ、アタシたちは占いとかじゃなくて、情報を探しにきているの! ここに竜王軍の幹部がいるっていうから訪ねてきたってわけ!」

「ほんとにそうです。あなたのようなビッチには関係ありませんよ」

「そうね。先を考えれば、立ち止まっている暇はないわ」


 ただ、エミリ、マリア、ソフィアが速攻で断った。


 ビッチってなんだよ!と一瞬ツッコミそうになったが、なんとか堪える。

 そして感じる違和感。


 パーティが二分している…。やっぱ、そうなるよな…。


 このままではバッドエンドな気配。

 どうにか話を聞いてもらわなければならない。

 

「本当に聞かなくても宜しいんですか?」


 この一言で少し空気が変わる。


「アル、これって」

「…ご婦人。少し考えたい。また後に」

「分かりました。ただ、私の占いは期間限定です。次はありませんが」


 勇者と賢者の目の色が変わった。

 そして、レイ子も険しい顔。

 何せ、ソフィアがいるから嘘をつけない。


「ねぇ、一応聞いてみない?占いなんて、信じるか信じないかでしょ」


 すると桃色少女が少し食いついた。

 ただ、慎重派の勇者様は険しい顔。


「このまま戦闘に入るかもしれないぞ」

「もう、準備は整えたじゃん。ね、フィーネ」

「それは…そうだけど。アルが決めること…だし」


 勇者たちは、びっくりするほど拗れていた。


「今日のメイド喫茶は貸切です。あなたたちは噂に名高い光の勇者様ですよね? 中立とはいえ、竜王軍も魔王軍の一部。そこはお通りにならない方が良いです。私はあっちに行きますので、そこに入る前までに、話しかけてください」


 少しずつ、テントから移動する。


「こっちに入るとイベント?」

「だったら、このおばさんの話聞いちゃえば?」


 人気のない方、人気のない方へと歩みを進める。

 アルフレドとアイザにそれとなくキーワードを話せれば良いだけ。

 それに、イベントが始まれば、話せる機会はずっと先になるし、この雰囲気は不味い。

 次の再会までにバッドエンドを迎える可能性がある。


「分かった。占ってもらおう」


 そ資材置き場を目の前にした時に勇者は決断した。


「君はこの先の未来が分かるのか?」

「あら、無粋な御方ね。占いは一人ずつが個室に入って行うものですよ? では占いを受けますか?」

「いや、一人ずつは不味い。ここで全員で聞く。そうじゃなければ聞かない。いいな、皆」


 そして勇者は立ち止まった。

 彼は、レイモンドイベントを気にしているらしい。

 それは流石に無理もない。

 隣でフィーネが怯えきっている。


 成程、詳しく話す訳にはいかないか…


 だから、簡単なキーワードのみを伝える。


「では、今ここでちょっとだけ占いましょう。まず…」


 レイは全員の顔を見回しながらも、必ず言わなければならない相手、アイザを指さした。


「薄紫の髪のお場ちゃん。私には見えます。待ち人は、ある場所で待っています。でも、急いではいけません。今を頑張って下さい」


 黄金の瞳、金の皿がまん丸と浮かんだ。

 そして、嬉しそうに微笑んだ。

 アイザ視点では、あの作戦の結果が分からない。

 だから占いだとしても、嬉しいと思ってしまう。


「待ち人来たるってこと?そんな占い、僕にも出来そう…」

「黒髪の可愛らしい少女、貴女はとっても凄い力を持っています。男の方、その偉才から逃げることなく、ちゃんと考えてください」


 話さなければならないことがたくさんある。

 本当に一人一人にある。

 とは言え、キラリの話は余りにも具体的過ぎた。


「では、俺から質問だ。未来が見えるのか?その知識はどこで学んだ?」

「こ、これはただの占いで…」

「未来が見えるんだろう?写本を持っているんじゃないのか?」

「こ、これはただの占いで…」


 コイツ!まだ設定資料に拘ってんのか…

 仕方ない…。アイザに伝えられたことで良しとするか。


「設定資料という名の本の在り処を占って欲しい。その占いもそこから」

「こ、これはただの占いで…」


 必殺、NPCのフリ。

 それで乗り切ろうとするも、アルフレドも同じく質問を変えない。

 何度も繰り返し、エミリが止めに入り、マリアも止めに入り、今度はソフィアというところで、


「こ、これはただの占いで…」

「あら?占いは嘘…?」


 遂に、ソフィアのユニークスキルが発動して、レイ子は少したじろいだ。


「嘘…?今のは全部嘘か」

「ううん。僕のは当たってるよ。だから、ソフィアが言いたいのは…、占いって言葉が」

「つまり本当の未来…、だったら──」


 くそ、どんだけ拘ってる!また、同じ質問って!


 そして、こんな調子だから時間はあっという間に奪われる。


「レイ子さん! だめです。ガノスが……じゃなくてガノスさんが無理やりゼノスさんを‼」


 十分に作った筈の時間は溶け、彼が動き始めてしまう。


「なんだ。どういうことだ?」


 これが強制力かは分からない。

 考えている暇もなく、レイ子のシンデレラタイムは終わる。


「お客様が暴れているようですね。ですので最後に。次に出会う仲間は女好きです。勇者様は決して皆の手を離さぬように!じゃないと、…世界が終わりますぅぅぅぅ」


「すぅぅぅぅ」の所で、レイ子は走り出していた。


     ◇


 テントの入り口で、ゼノスとガノスとすれ違った。

 そして、テントの中は竜人兵が整列していた。

 結構な時間を満喫したのだろう、全員が幸せな顔。

 メイドたちは怖がりながら、片付けを始めている。


「レイ子ちゃん、ちゃんと想いは伝えられた?」

「ウサ子ちゃん、そんなに急に聞いたら悪いわよ。レイ子だって頑張ったのよ。それに好きって気持ちが伝わってから、恋愛は始まるの。そうよね、レイ子ちゃん!」

「私、ちゃんと好きって伝えられたかどうか……、私ってすぐ話題変えるとこあるじゃん?だから、その。それにあいつ鈍いから伝わったかどうか……っじゃねぇよ!何、学校の放課後ごっこしてんだよ‼ってか、半分も伝わってない。NPCかってくらい、同じことばっか聞くし」


 相当レベルを上げているのに、まだ勇者はあの本に拘っていた。

 それにまだ、フィーネは落ち込んだまま。

 

「…必要なことは伝えたし、アイザにも伝わったと思う。じゃあ、ぼちぼち次の作戦に移行する。…って、その作戦、俺は参加できないから…」


 そこでレイは気が付いた。

 入った筈の仮設テントがない。

 そうではなく、自分がそこいない。

 何より、変身魔法が溶けている。


 つまりこれは


 そろそろ、ムービーが始まるな

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