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第35話 急展開

 予想外の返答に翡翠は唖然とした。

 白琳や彼らのやり取りを見守っていた金銀の三公陣も目を丸くしている。


「白琳殿と一緒にいる間、私が護衛も兼ねて常に目を光らせておく。それならよろしいか?」

「し、しかしっ……!」

自惚うぬぼれだと思われるかもしれないが、これでも六師の称号に恥じない武術を身に着けているつもりだ」


 何なら、腕試しとして貴殿と剣を交えても良い。


 相当な自信があるのか、理玄は泰然と対峙する。


「おいおいおい。相手は将軍にも引けを取らない光禄勲だぞ。何挑発してんだよあいつは」


 仁鵲は眉を八の字にして呆れの表情を浮かべた。


 ——確かに、殿下の佇まいには隙が無い。


 先ほどこちらに歩いてくる様子も熟練の剣士のそれだったと、翡翠は理玄の立ち居振る舞いから相当な力量の持ち主だと推測する。

 どうやら理玄の発言は嘘や誇張では無さそうだ。しかしそれでも、白琳を想うがあまり潔く引き下がることが出来ない。


「理玄の腕前はあたしが保証するよ。なんてったってその男はこのあたしとも張り合えるくらいだからね」


 本気で翡翠が理玄の腕前を疑っていると思ったのか、後方から紅鶴が声をあげた。 

 銀桂最強の女将軍が太鼓判を押すのであれば、やはり理玄の実力は本物なのだろう。


 ――しかし、やはりこの目で確かめなければ気が済まない。


 護衛役としての矜持と、白琳を理玄と二人きりにさせてしまうことへの僅かな焦りが彼を突き動かす。


「翡翠。わたしは――」

「では、殿下のお言葉に甘えて腕試しをさせていただきたく存じます」


 白琳の言葉を待たずして、翡翠は理玄と剣を交えることを選んだ。


「分かった」


 では、修練場に移動しよう。


 先導する理玄についていこうとした翡翠の腕を白琳が掴む。


「白琳様」

「……翡翠。あなたが決めたのならこれ以上引き留めはしないけれど」


 どうか、無茶だけはしないで。


 真っ直ぐな瑠璃の双眸がこちらを捉える。

 翡翠は口角をあげて、力強く頷いた。


「はい」


 白琳は翡翠の腕を離し、彼らの後を追った。銀桂の三公陣も戸惑いを隠せないながらも白琳に続く。


「あたしの弟子と銀桂の光禄勲殿が一騎打ちとはねえ。これは見物だ」

「見物どころの話じゃないよ……。紅鶴姉さん」

「…………」


 紅鶴が興奮気味に呟いたのに対し、仁鵲は額に手を添えて溜息交じりに相槌を打つ。

 義隼に至ってはあんぐりと大きく口を大きく開けており、今何が起こっているのか理解できず思考が停止しているようだった。

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