第70話【今後の対策】
アラネスの腹の中には糸袋という糸の素があり、それを特殊な技術で糸にして取り出す事ができる。アラネスの糸は獲物を捕らえる以外にも産んだ卵を包み込む為に1匹でも数十着の衣服を作れる量が取れるという。
実際、女店主も女性が着る下着類には目を付けていたが、商売になるのか不安だったらしい。
元々女店主は元冒険者らしいが、冒険中にも履ける丈夫な下着に可愛い物が少ないことが不満だったという。確かにこっちの下着類は紐で簡単に隠す褌のような物が主流で、獣人の多いダイアラック王国では不人気だと愚痴を言っていた。
女獣人は下着を着けず、尻尾を丸出し。つまりは半ケツ状態の者も多かった。そこで高城が閃いて獣人のタイプによって尻尾が出せる穴を作って獣人向けの下着を作るのはどうかと助言したのが切っ掛けであった。
助言のおかげで、今では女獣人冒険者向けの商品を色々と販売しているらしく、人間用の下着も新作を次々に作っている。そこに風呂で着用できる水着の話を持ち掛けると快く引き受けてくれたのだ。
高城と本城に連れられて選びにいったアエリアとシャーリーも下着を5着と水着を2着購入したようで上機嫌のようだ。
「下着類が豊富なのは女性からするといいな…」
「褌やサラシだとどうしても垂れますもんね…」
「サラシで胸潰してただけで2人とも巨乳だった…」
「梨沙のよりもデケェかも…」
2人は自分の胸に手を当てて見つめているが、本城も高城も小さい方ではないと思うが、下手な事をいうと面倒事が増えるために口を閉じる。モーグルは2人からも好評だった事を踏まえ、エルドラにも何店舗か開きたいと考えているそうだ。
実際にエルドラの冒険者比率は男が6で女が4である為、女性冒険者の多くが『鎧の下にも着込める服と肌着が欲しい』という要望が多かったからだと言う。
モーグル自身も娼婦館を運営しているが、簡易シャワーが好評だった為に前向きに大浴場建設も検討を考えており、各冒険者ギルドにも似たような設備を導入したいと考えていると話すと、近くで聞いていたヘレナがダイアラック王国の発展に繋がる可能性があるのかモーグルに訊ねる。
すると、モーグルは取りあえずは「ドラゴンを討伐した英雄達を労うのが先だろう?」とホノルの冒険者ギルドの酒場を貸しきり奢ってくれるという。
「細けぇ話は飯食いながら話せばいい。少なくとも、ジョウの話を聞く限りだとソドリア王国経由で輸出できるようになれば、その可能性は高いし、俺の利益にもなるしな…」
「それを聞いて安心しました。クサカ達がくるまで色々と問題が山積みだったので…」
「俺の見立てだと、その騒ぎの元凶を明日辺りにでも討伐しに行くつもりだろ?んで、その後の仕事を俺に任せたい感じか?」
「モーグルさんの感も当たりますね。その通り何です。ただ、厄介な事に『魔族絡み』なのでちょっと時間が掛かるかもしれないですが…」
そう訊ねると、魔族というワードに騎士団のメンバーとギルドマスター達も反応を示した。その情報は確かなのかとガララスに両肩を掴まれて訊ねられたが、グランドが確認している為間違いはないとうなずく。
すると、ギルドマスター陣は互いに顔を見合わせ、この場に騎士団長のロックスを召集しても良いか訊ねられたが、元々西の街にはロートンさんとエレノアらが滞在しているので何かあればホノルの冒険者ギルドにくるように伝えておけば大丈夫だろうと話す。
◇◆◇
ロックスがホノルの冒険者ギルドに到着する頃には、既に多くの料理がテーブルに運ばれて来ていた。大商人・モーグルがいる手前、冒険者ギルドとしても最大限のおもてなしをしようと考えているようだ。
ロックスは着くなりヘレナ達の元に行き、地竜らの襲撃から良く守り抜いてくれたと騎士団のメンバーを褒めている。気分をよくしたマグノリアがステータスを見てレベルアップしたことを報告すると、ロックスが顔を顰めた。
「ジョウ。うちの連中を育ててくれたことは感謝するが、これはやり過ぎじゃないか?レベル40だなんて…」
「前にも相談したと思いますが、魔族絡みなので最低でも40前半のメンバーが欲しかったのと、魔族絡みとなると騎士団との合同がいいかと思ってました」
「魔族なぁ…。どんなタイプとかわからんかったん?」
「…悪魔。しかも低級悪魔じゃなくて上級悪魔で、少なくとも俺達4人じゃ太刀打ちできないヤツがな」
魔族は魔王に忠誠を誓った魔物等の事を示す。魔族はよく強く進化する為に必要なエネルギーの源である魔力を魔王への絶対服従という契約で得られるものであり、魔族は人の言葉を理解するほど知能が高くなると言われている。そして、上級悪魔は魔族の中でも精鋭クラスの強さを持ち合わせており、1人で1国を滅ぼす力を持っている事から竜種と同等の力関係であるからだ。
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