第65話【飛竜と地竜】
俺の嫁の中で一番怒らせてはイケナイのは九条に決まった。理由は俺に休みを与えている間に俺がどこで何をやっていたか調べてどの程度働いていたのか細かく調査していた事。
日中は訓練見たり子どもと畑作業したりして、夜はほぼ天幕で薬を調合して騎士団と冒険者ギルドの納品分を1人でこなしていた為、1日中働いていた事が調査でバレてしまった。。不眠不休で働くのはなれてたから1日休みを貰えば元気になると九条に言い訳をしたが、拳骨を落とされてしまった。
「まったく、まさかと思って皆に協力してもらって良かったわ。1人でどんだけ働くねん…」
「だ、だって皆働いてるのに動いてないと変な感じがして…」
「異世界来てまで日本の社畜見たくないわ!子どもらに仕事を教えて手伝わせるとか、もうちょっとなぁ~」
九条の長いお説教が始まり、逃げ出すように皆がそれぞれの持ち場に逃げていた。
すると、イザベルが本城と高城に近付いてコソコソ集まって話し始めた。
「ジョウは梨沙には敵わないように見えるが…」
「アタシらも嫁何だけどなぁ。なんつーか、恋人から抜けきれてない夫婦みたいな感じで、あそこは最初から夫婦だったんだよ…」
「それはあると思う。私達にも気に掛けてくれるけど、大切な事は1人で考えてるけど、梨沙ちゃんに見破られてるし…」
確かにそうだが、お前ら助けろ。俺が困ってるんだろう。
ん、何だ?今の雄叫びは。それにこの揺れは…?
正座していたが、異変に気が付いて地面に耳を当てる。とてつもなくデカい生物が歩く足音だ。すると、北門の鐘が突如して鳴り響いた。また溶岩バジリスクかと騎士団達も冒険者達も思っていた。
「梨沙!全員出撃態勢!!イザベル、バレッタ、リリアン、フィーナ、ヘレナ副騎士団長の部隊は俺らと来い!ロックスさん!ここの指揮をお願いします!モーリアさんはアメリアさんとガララスさん、クレアさんに緊急通達お願いします!地竜3匹と飛竜15匹が接近!」
そう報告すると、直ぐに行動に移した。ヘレナとバレッタ、高城が訊ねてくる。
「今、飛竜っていいました?それにア、アース、|地竜《アースドラゴン】って…」
「マジかよ!?ドラゴン何て倒せるのかよ!?」
「えっ?えっ?倒せるの!?大丈夫なの!?」
「んー、流石にドラゴン相手だと何ともいえん…。ちょっと先に梨沙と足止めしておくから直ぐに来てくれ」
九条をお姫様抱っこして空中跳躍で宙を駆け上がると、イザベルが空間魔法で北門へ続く入り口を作り出し全員が北門の外へと現れた。
上空を飛び回っているのはファンタジーモノの定番、飛竜である。黄緑色の鱗と茶色い鱗の飛竜の群れ。ワイバーンは鱗の色によって強さが違う。茶色いワイバーンが群れのリーダー格で2匹。残りは若い個体だ。そして、断崖の草原には茶色い鱗したティラノサウルスが地竜だ。それも3匹だ。
思わず、某有名な恐竜映画かよ…といってしまった。
ここに来た理由は分からないが、九条が前に討伐したホーンブルの群れやウルボーが関係しているかもしれないというのだ。
飛竜も地竜も肉食系であり、ホーンブルやクルボーは好物だ。
何より、最近まで数が増えていた為こちらに来てもおかしくはないという。実際、ホノルの冒険者ギルドに飛竜の目撃情報があったために十中八九餌場としてこちらに来たのだろう。
そして、地竜は山々を縄張りにしている為、恐らくは繁殖の為に降りて栄養価の高いホーンブルの群れを求めて山を降りてきたと予想した。
確かに知識としては知っていたが実物を見るのは始めてである。
「取りあえず飛竜の翼に穴開けて落とすか…。このままモーニングスター使えるよな?」
「そうやねぇ。飛行系の魔物は翼を撃ち抜いた方が楽やしな~エエと思うで?」
「レベルアップしてたら許してくれよ?」
「まぁ、これからはちゃんと休むことやで?ウチらもおるんやし、それに魔族が相手ならウチのスキルも必要やろ?頼りにしてや?旦那様♪」
そういうと、小さくしていたモーニングスターを元のサイズに戻して「ええで?」といい、飛竜の群れに突っ込んだ。
九条がモーニングスターの鉄球を巧みに操り、飛竜の翼を撃ち抜いて次々に落としていく。
飛竜もこちらに気が付いて鋭い牙で噛み付こうとしたり、太い尻尾を振るってきてたが、そこまで速くはない。
早々に全ての飛竜を地面に叩き落とすと、既にイザベル達が飛竜の首を切り落としていていた。
仕事が早くて助かるが、問題は飛竜よりも格上の地竜の3匹だ。
だが、そう優しい世界ではない。地竜の1匹が咆哮を上げると、レスリア王国方面から別の飛竜の群れが向かって来るのが見えた。
良かったらいいね・ブックマーク宜しくお願いいたします。
誤字脱字等の報告も承ってます。何卒宜しくお願いいたします。




