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閑話【崩壊したパーティーからの脱走(佐々木編)①】



 この世界に来てからため息しか出ない。佐々木亮は同じパーティーである付与術師の吉屋拓海(よしやたくみ)と男子の共同部屋で今後の事について話し合っていた。

 

 理由はパーティーリーダーである東条日葵(とうじょうひまり)に着いていけなくなったからだ。同じパーティーメンバーにも声を掛けたが東条派閥の女子とその取り巻きと付き合ってる斥候の神谷真司(かみやしんじ)と戦士の渡辺 健太(わたなべ けんた)はここにはいない。

 

 付き合っている連中は個室が与えられて神谷と渡辺はそこにいるからだ。すると、西城パーティーの守谷達が部屋に戻ってきた。守谷達も西城のワンマンチームに飽き飽きしてるらしく、ダリウスに頼んで正式に騎士団の団員として活動するという話を聞いている。

 守谷は自分のベットに腰を降ろすとため息をつき、正式に西城パーティーから抜けてきたと呟く。

 

 すると、吉屋が反応し、「守谷達もか?」と訪ねるとその言い分だとお前達もなのかと返された。

 

「ああ、東条に着いていっても仕方ねぇよ。俺は佐々木と冒険者やるよ。コレットさんに付与術師と前衛職の佐々木と組みたいってパーティーがあったからそこに行くつもりだ」

 

「俺達は三か国同盟を結んでいる合同遠征に参加する。そこで成果を上げれば騎士としてエルドル王国の前線で戦えるそうだ…」

 

「マルシェ女王とメイスン様が他国との合同演習増やして騎士の質を上げたいって申し出たあれか…」


 前に起きたレイドリス王国の騎士誘拐事件を重く受け止めて、エルドル王国とソドリア王国の重鎮達を交えて話し合っていたそうだ。その結果、騎士団及び冒険者のレベルアップを国で全面的にサポートする事になった為にレイドリス王国にも冒険者が増えてきていた。

 

 元々、城の裏手であるエルドル王国との国境付近は冒険者の立ち入りが禁止されてきたが、冒険者と騎士団で見回りをして今後似たような事件を起こさないために動いてくてたのだ。

 

 守谷達は暫くは長期遠征に出てそこで成果を挙げ、そのままレイドリス王国の騎士団として前線に行く事を決めたようだ。

 

 すると、パーティーで唯一マリアスの迷宮を踏破した委員長の秋野さんのパーティーメンバーが戻ってくると、吉屋と守谷が治癒術師の佐藤 悠人(さとう ゆうと)に頭を下げた。

 

「お前の助言のおかげで色々と助かった。礼をいう」

 

「い、いや、お礼を言われる程の事じゃないんだ。ただ勇者を当てはめた時にどうしても違和感があったから…」

 

「その違和感に気づいてくれたおかげでスキル獲得にも貢献してダンジョン踏破もできたんだろ?謙遜するなよ。俺らなんてほぼ解散だぜ?」

 

 吉屋は身の回りの物を片付けながら喋ると大城がどういう事なのか訊ねてきた。俺らは東条に着いていけなくなった事と冒険者登録をして別の冒険者パーティーと組んでやっていく事を伝えた。

 

 大城らは驚いたが、佐藤はそれもありかもしれないというのだ。

 

 実際に九条はダンジョンでユニーク装備を手に入れているから、もしかしたらそういった装備が手に入るかもしれない事と他の冒険者パーティーと組むことで活躍する場面が増えるのはいいことだと話す。

 

 実際に吉屋や守谷の他にも佐藤からのアドバイスで伸びた者も多いのは事実だ。俺もその1人であるからだ。


 大城は佐藤が獲得できるなら回復魔法を獲得してサポートするメンバーを固定したり、前衛で指揮を秋野と大城に任せて後衛は佐藤が指示する形を取って見事にダンジョン踏破に貢献しているのだ。

 

 東条や西城はそういった事に取り組もうとはしない。少なくとも、草加に眼中にないと言われてからムキになっいる節がある。

 

 少なくとも、守谷は草加だからあの3人と上手くやれてスキルを獲得できたのだろうと評価する一方で、召喚士のが使えないと愚痴を溢した。

 

 実際、守谷のパーティーにいる勇者適正Bランクの蛭子七奈(ひるこなな)を例に上げた。

 

 召喚士は魔物の魔石に自分の魔力を付与する事でその魔物を使役する事が出来るが、肝心の強い魔物の魔石がレイドリス王国にはない。いつも倒したゴブリンやスライムばかりで使い物にならないとぼやいた。

 

 東条パーティーの召喚士・ 伊藤 由美子(いとう ゆみこ)も似たような感じの為に同意する。少なくとも強い魔物の魔石が必要になるならそれなりに金が必要になってくる職業であるからだ。

 

 だが、レイドリス王国はハッキリ言って金がある国では無いため、強い魔物の魔石は大国のガラハット王国かエルドル王国に流れていってしまう。


 ◇◆◇

 

 守谷達は次の日にはレイドリス王国の遠征派遣の騎士団に交じってレイドリス王国を旅立ってしまった。エルドル王国・ソドリア王国・レイドリス王国の順に周って国内の魔物退治を冒険者達と合同で行い、レベルアップをするといっていた。俺と吉屋も正式に東条のパーティーから脱退し、マルシェ女王にも声を掛けて冒険者ギルドに行くと、コレットさんに案内されて新しいパーティーメンバーを紹介された。

 

 俺も吉屋も驚いたが女獣人のパーティーだったからだ。話を聞くと獣人族は身体能力の差が男女で無いため、獣人だけで組むことは珍しくないそうだ。

 

「白狐族のメノウ。職業は魔法使いでパーティーリーダーをしてるわ」

 

 白い狐耳と白髪ロングの淑女らしい狐顔をした 美女獣人。160センチ程でナイスバディでモフモフの白い尻尾。

 

「黒猫族のコロネニャン!ウチは斥候兼剣士!よろしくニャン」

 

 可愛らしい見た目をし、黒髪に猫耳で出るところは出ていて黒い尻尾フリフリとしている。

 

 「白鼠族のモニカです。職業は僧侶やってます…」

 

 子どもっぽいがこの中で最年長の18歳でムチムチのエロい身体をした僧侶の鼠の女獣人の3人だった。

 コレットは3人ともエルドル王国の冒険者でダンジョン攻略をしたいと申し出ていたのだが、前衛職と後衛職の紹介をギルドに求めてそこに当てはまったのが俺達だったらしい。

 

 コレットは後は5人で仲良くしてねといって去っていてしまった。どういう意味なのか吉屋と顔を見合わせると、コロネとモニカが俺達の腕を引っ張って冒険者ギルドを後にすると彼女達が泊まってる宿屋に連れ込まれてしまった。その後俺と吉屋は東条のパーティー戻ることはなかった。

 

 



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