第05話【スキル獲得】
迂闊だった。丁度、群生地になっていた場所がホーンラビットの巣穴だったとは…。少しだけかすり傷をおったが何とか倒すことが出来た。九条が倒したのが3匹で全部合わせると15匹だ。先ほどの戦闘でレベルアップし、ステータスも上昇したみたいだ。
草加 丈
・名前:クサカ ジョウ レベル5
職業クラス:鎌使い
固有スキル:武器成長
選択スキル: 調合知識・ 回避
筋力+32→40 敏捷+70→78 体力+50→60
器用+50→55 知能+55→70 魔力+30→40
後は選択スキルに調薬知識と回避というスキルを獲得したようだ。回避は攻撃を避ける確率をあげるもので調薬知識は薬草や魔物の素材を元に調合できるスキルか。冒険者ギルドに戻ったら少し聞いてみるかと考えていると九条が後ろから抱き着いてきた。
「なぁ~ウチもレベル上がったで~?確認してや~」
「胸を押し当てるな!見るから!」
九条 梨沙
・名前:クジョウ リサ レベル5
職業クラス:僧侶
固有スキル:破戒僧
選択スキル:回復魔法・聖なる矢・魔力強化
筋力+10→10 敏捷+5→5 体力+50→70
器用+20→20 知能+70→90 魔力+90→120
筋力と敏捷が伸びていないが魔力が3桁に行き、回復魔法も獲得できている。これならば僧侶として多分申し分ないだろう。依頼を達成した為に元来た道を引き返そうと振り替えると、とがった耳に緑色の肌。若干、猫背で大人の人間よりも少し身長が低い。醜悪な顔。手にはボロボロのナイフと鉈を持った魔物・ゴブリンであった。
数は全部で3匹。流石に草刈り鎌だけで何とかなるとは思っていない。ロープで耳を縛り纏めたホーンラビットを地面を投げ落としてゴブリン達に集中するが意味がなくなった。
「聖なる矢!!」
「グギャッ!?」
光の矢がゴブリンの顔面や腹に突き刺さりしとめてしまった。余りの光景につい「うわっエグいな…」と口に出してしまったが
「まぁ、おかげで助かったありがとう」
「梨沙って呼んでくれたらエエで~?」
「…梨沙、ありがとう。助かった」
「…なんや恥ずかしいなぁ~」
いや、頼まれたから言っただけなのだが?
まぁ、九条が後方から戦闘できるのは心強くなるだろう。ゴブリンの討伐証明は左耳を切り取る事だった筈だ。
九条にやられたゴブリンの左耳を切り取り帰路に着いたがそこでまたホーンラビットの巣の前を通ってしまった為に思わぬ戦闘をしてしまった。
◇◆◇
「えっと?薬草採集の依頼だけでしたよね?」
冒険者ギルドに戻り、受付に『スキマ草』を納品すると同時に討伐したホーンラビット三十匹とゴブリン三匹の討伐証明を買い取り場に出した。
コレットに鍛えられていた本城と高城は驚いた顔をして九条に色々と尋ねて来ていた。
ホーンラビット1匹の買い取り価格が銀貨1枚で合計銀貨30枚。ゴブリンは1匹辺り銀貨2枚で討伐数が3匹で6枚である。
合計銀貨36枚か。
「おい、梨沙。取り分は半分で良いか?」
「んや、丈くんに全部やるわ~ここで渡しておけばウチにメリットあるやろ?」
「ったく、わかったよ…」
そうやり取りをすると高城はいつの間に名前で呼ぶようになったのかキラキラと顔を輝かせて本城は「マジか…」と呟きていた。
そういえば、気付かなかったが貰った草刈り鎌の刃先が少しだけ大きくなっているような気が?
武器成長ってそのまま武器のサイズが大きくなるって事か?
じっと鎌を見つめたが理由がわかる訳でもない為に止め、ドルダムに調薬知識のスキルを獲得した為に調合道具を揃えたい事を伝えると明日には揃えてくれるという。銀貨10枚だったが安いだろう。
確かここにくる前の雑貨屋ですり鉢とすりこぎ棒、薬研や薬を入れる容器込みで金貨50枚だったからだ。
(取りあえずは荷物が多くなるから大きめの鞄かリュックの購入を考えた方がいいか?)
そう考えていると、ドルダムからお願い事を受けた。このレイドリス王国では薬を調合できる人材が不足している為にポーション等が不足している為に作ってくれないかというのだ。
こっちとしては色々と薬やその他諸々を作って売買して生計を立てられれば問題ないと伝えると契約成立ということで手を差しのべて握手をした。
その夜、冒険者ギルドが所有する宿屋に泊まったが個室がなく、共同部屋がいくつかあるが俺以外に男はいない。ドルダムの所に泊めて貰おうと交渉しようとしたが、その前に九条に取り抑えられてしまった。
「丈く~ん 逃がさへんで? ウチと相部屋でエエやろ?」
「襲うなよ?避妊法がないし、子どもを養うだけの経済力がない」
「ウチのセリフやと思うんやけどなぁ~けど、ウチが襲ってまうかもなぁ~」
「桃華と梨沙はワタシとだ!!3人部屋借りたからな?草加はそこの部屋だ!ったく、イチャついてんじゃねぇぞ?」
本城が九条の首根っこを掴んで部屋に連れていってしまったが、九条は悪い女ではないし久しぶりに素で誰かと話せた事に何故だか暖かさを感じた。
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