第47話【転生候補】
妖怪・鎌鼬。
日本に伝わる妖怪、もしくはそれが起こすとされた怪異である。
つむじ風に乗って現われて人を切りつける。旋風に乗って現れ、両手の鋭い爪で人に切りつける。これにつけられた傷は鋭く深く、時に大量の出血を伴うが、痛みは殆どない。鎌鼬に斬られた傷は普通の治療法では回復しない。
地域によっては三匹の兄弟もしくは親子の鎌鼬がまず人を転ばし、次に傷付け、そして薬を塗るとも、カマキリの怨霊とも、鎌の付喪神の仕業とも様々な説が存在する。
◇◆◇
突然の事に戸惑いながらもタウキングに立ち向かっていくと3匹のイタチ達も首の周りに着いてきた。
『先ずは俺からだ!!左の鎌を地面に指してくれ!親分!!』
言われた通り、左手に持ってる鎌先を地面に突き刺すとタウキングの足元の地面を削り取りタウキングのバランスを崩させた。
『次は俺だ!!デッカイの股を潜り抜けてズタズタにしてやろうぜ!!親分!!』
左手の鎌を地面から引き抜いてタウキングの股から滑り込み腹、腰、脚を切り裂き、背後から首、背中、アキレス腱を切り裂いた。
『最後は私!!本当は切られた事を隠す為に治すけど、猛毒を傷口に送り込むよ!親分!!』
最後は何を言ってるのか分からなかったが、切られた部分から噴き出した血が元の部分に戻っていき傷口が塞がっていってしまった。
「バカ野郎!?最後に治してどうすんだよ!?」
『大丈夫!今回は猛毒だから毒が全身に周るまで逃げれば良いんだよ?』
折角あのタウキングの硬い筋肉を切り裂いたのに最後に治してしまっては意味がない。たが、体内に猛毒が入ったの間違いないようで、タウキングはもがき苦しみ始めた。
俺の身に何が起きたのかまるで理解が追い付かない。このイタチ達にも色々と聴きたいことは山程ある。
だが、タウキングは「ブモォォォッ」と最後の力を振り絞り雄叫びをあげて石斧を振り回しながら突進してきた。
俺ではない3人の方にだ。すると、本城が大盾で構えて二人の前に仁王立ちした。
「掛かってこいよ!!ワタシは仲間を護る『守護者』なんだよ!!」
大盾使いとして矜持を見せた本城の盾に不思議な光が纏い、タウキングの石斧を弾き返した。
突然の事に本城も盾を離してしまい、大盾『だけ』が攻撃を防いでいたのだ。当の本人も何が起こったのかわからないといった様子で戸惑った表情をしていた。
だが、顔が変わり光輝く大盾に触れると形が変化した。元々長方形の大盾がしずくを逆さにした形に変化し十字架の模様と中央に紅く光輝く宝石が取り付けられた。
呆気に取られていると本城は盾を持って身体を引くと、そのままタウキングの身体目掛けて突進し始める。
気が付くと後ろにタウキングが吹き飛ばされてそのまま姿を消してしまった。取りあえずは討伐する事ができたために3人の元に駆け寄った。
「じ、丈だよな!?その姿どうしたんだよ!?」
「俺も分からねぇんだよ。このイタチ達に力貸してもらったみたいなんだが…」
『俺達の親分!』『やっと見つけた!』『私らの親分!!』
「丈くん、この子達は?凄く可愛いんだと…?」
「んー、もしかして鎌鼬に転生したんちゃうん?」
ダンジョンを踏破した事よりも色々な事が一度に発生してしまった為にイタチ達に話し掛けようとするも本城の盾が再び輝き始めると金髪の鎧を来た美女が姿を現した。
『我が名はアイギス!!この盾に宿りし不滅の正義の盾の精霊なり!!よくぞ強敵に屈すること無く仲間を護る為に立ち上がった!貴女こそ我の主に相応しい!』
「ま、待ってくれよ!色々な事が起こりすぎて混乱してるんだ!色々と教えてくれよ!?」
『ぬっ?確かにそうだな。まず始めに我はアイギス。大盾に宿る精霊だ。そっちの鎌使いの周りにいるイタチ達は妖怪だろう。転生は知っているな?』
どうにも転生は獣人・精霊・妖精・妖怪の4種類でどう進化するかは決まっているらしい。本城はアイギスに認められて精霊に。俺はこのイタチ達に認められて妖怪になったそうだ。
実際にステータスを確認すると
草加 丈
・名前:クサカ ジョウ レベル42
職業クラス:鎌鼬
固有スキル:武器成長(暴風・大地魔法付与)
選択スキル:調合知識・ 回避・トレジャーボックス
筋力+550 敏捷+1480 体力+1850
器用+2420 知能+1585 魔力+1510
と、かなりステータス値がかなり上がって変わっていた。因みに本城はというと…。
本城綾香
・名前:ホンジョウ アヤカ レベル42
職業クラス:守護者
固有スキル:完全防御
選択スキル:大盾の心得・挑発・筋力増強・体力増強
筋力+3300 敏捷+0 体力+3600
器用+0 知能+10 魔力+0
職業が守護者に変わり固有スキルも完全防御と変わっていた。アイギスによると、この固有スキルは仲間だと思っている者が受けるダメージを完全に防ぐ事ができるスキルだというのだ。
すると、高城と九条は自分達はどうしたらそうなれるのかアイギスに訊ねると、高城は既になっているそうだ。そもそも魔法少女という特殊な職業になっている為に既に精霊であるというのだ。
そして、九条も既に破戒僧のユニーク装備を持っている為に精霊になる可能性が高いという話だ。
『我が知っている事はこれくらいだな。少なくともこれはヒトに起きる現象で他種族には起こらんからな!』
「おお!?もしかしてアタシらめちゃくちゃ強いのか!?」
『親分の嫁強い』『しかも3人も!』『私らの親分凄い』
「んで、お前ら名前は?何で俺に力を貸してくれたんだ?」
ずっと気になっていた事を訊ねると元々あの鎌に宿っていたらしく、条件が揃った為に声が届くようになったというのだ。
ここにくる前に温泉の壁を造った際、鎌で土魔法を使い、ダンジョンでレベルアップした事で条件が達成されたそうだ。そして、三匹は名前がないらしい別に兄弟でもないらしいのだ。俺を親分と呼ぶのは名前を貰って子分になり妖怪としての地位を得る為だという。
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