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第46話【妖怪・カマイタチ】



 タウキングが俺に狙いを定め大斧を振り下ろしてきた。デカい分力を貯め込む隙が産まれるが、鎌の刃も上級魔法である暴風魔法の風の刃でも身体にかすり傷1つつけることができなかった。

 

(これがタウキングが【上級冒険者キラー】の異名を持つ由来か。確かに相手が悪すぎるだろう…)

 

 俺自身も武器が成長し、上級魔法やレベルが上がった事やここまでの道中の魔物相手でも苦戦する事が少なくなってきた。

 

 だが、そういった『己にたいする慢心』が多くの冒険者達が大成せずに命を落としてしまった原因だ。レベルが上がれば上がるほど確かに強くなるが故に、冒険者はレベルアップの為に魔物を討伐している。

 

 そして、冒険者に取ってダンジョンは色々な欲を満たしてくれる為に多くの上級冒険者が自分達の実力を信じて挑み、タウキングに亡き者にされてしまったのだろう。

 

 レイドリス王国でドルダムが冒険者ギルドのギルドマスターをやっているのもそういう理由もあるのかもしれない。現場での経験からレベル40前半のパーティーではタウキングには敵わないと判断してダンジョンから離れ、外の魔物を討伐してレベルアップを目指したが、結果的にレベル42。

 

 程よく魔物が強くて丁度良いダンジョンに入り、このまま踏破できるだろうという所に勝てない強敵を出す。ダンジョンが生き物であると言われるのも納得だ。

 

 実際、タウキング相手に1人で何とか戦えているがダメージを与えられてる感じは全くといってない。唯一の上級魔法の暴風魔法でも切り裂く事は難しい。



 すると、高城が変身してバニーガールになると手にトランプを持ち、タウキングの足元に投げつけると、そこから炎の柱が立ち上がった。逃げ場を無くすようにトランプを地面に指して炎の柱でタウキングの逃げ場を無くした。

 

 タウキングから距離を取り、高城の横に移動すると大丈夫かと確認された。だが、タウキングは化け物そのものであった。

 

「ブモォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ~~ッ!!!」

 

 突然咆哮のような雄叫びを轟かせるとその衝撃波で炎を消してしまった。鼻息を荒げて首を動かしながらこちらの様子を伺ってくる。

 

 炎に全身包まれてたのに平然と大石斧を地面につけて仁王立ちしていた。

 

 この化け物めと悪態をついて笑うしかなかった。

 

 すると、後ろから巨大化した鉄球が飛んできた為に高城を抱えてんで端に移動すると九条がモーニングスターの鉄球を巨大化されてタウキングに当てたのだ。

 

 タウキングは不意打ちとなった鉄球をモロに食らった。

 

 あのタフなタウキングでも真っ正面から巨大化した鉄球をまともに受けたのだ。これでダメージが入らなかったら笑うしかない。


 だが、タウキングは巨大化した鉄球を「ブモォォォッ」と雄叫びをあげて斧を振り回すと右側の壁に撃ち放った。鼻息を荒げて首を横に振るが平気そうだ。

 

「マジで笑うしかねぇぞ…どうやってこの化け物倒せば良いんだ?物理攻撃も魔法攻撃も効果ネェなんて…」

 

「に、逃げられないの!?きた扉からさ!?」

 

「無理や。ここはダンジョンでボス部屋やで?倒すか倒されるかのどっちかや…」

 

「ッ…あの野郎ッ!!舐めやがってッ!!ワタシ相手に小手調べ手加減しやがったなッ!!!」



 意識を取り戻した本城は不機嫌そうにタウキングの姿を睨み付けた。最初の一撃は小手調べて軽く振るわれたものだとわかりかなりキレていた。

 

 だが、タウキングは俺達よりも明らかに格上なのだ。

 

 手持ちの手札にあるカードはほぼ全てだし尽くしてしまっている。

 

 考えろ。まだタウキングに勝てる手段がある筈だ。

 

 よく相手を観察しろ。何かある筈だ。何か…

 

「まどろっこしい!!アタシがアイツを盾で吹っ飛ばしてやる!!」

 

「む、無理だよ!さっき綾香ちゃんが吹っ飛ばされちゃったじゃん!?」

 

「無理でもやるしかねぇだろ!?桃華だってここからでるのにあの怪物倒さなきゃならねぇのはわかってるだろ?」

 

「二人とも喧嘩しとる場合やないで?どうにかせんと…せめて弱点でもあれば…」

 

 タウキングに弱点何てあるのか。あの巨体であの怪力相手に通用するのか。いや、待てよ。あの巨体なら足元を転ばせれば致命傷になるんじゃ?

 

 だが、転ばして特に意味がなかったら?転ばせるのはどうにかできるかも知れないがその後はどうやって仕留める?

 

『僕達が力貸すよ?』『俺達やろうぜ?』『遊ぼうよ!』

 

誰か分からねぇけど力貸して助けてくれるなら力を貸してくれと頭の中で答える。

 

 『いいよ!』『やるぜやるぜ!』『やった!やった!』

 

 いや、俺大丈夫か?幻聴聞こえてるよな?何か子どもが声を掛けてきてるし、何か身体がムズムズする。特にケツと頭の辺りが…。


すると、タウキングが一瞬だが怯んだように後ろに下がった。何が起きたのか九条に言われて気が付いた。


「じ、丈だよな?どうしたんだよ?その尻尾と耳は!?」


「こんな時に何バカな事をいってるんだ!?ンなもん生えてる…ワケ…」


『僕達の親分!』『俺達の力を!』『使って下さい!』


気が付くと首の周りに3匹のイタチの姿が目に入ってきた。頭の中で聞こえた子供の声の主だ。色々と聞きたい事はあるが、今は目の前のタウキング討伐が先だ。 両手に鎌を構えると、不思議な力を感じる。


これならタウキングを何とかできるかも知れないと、その場で軽く跳び跳ねてタウキングに立ち向かった。



 


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