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第三の聖典  作者: 廃人覚悟の字書き
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第三の聖典 6~10章

聖書の内容。

天地創造を終えた後、アダムとイヴが生まれて、神からある決まり事を申し付けられる。それも、「知恵の木から実を取って食べてはならない。」という戒めである。

しかしイヴは蛇にそそのかされてしまって、知恵の木の実を口にしてしまう。それはアダムも同じ事で、裸である事を知った二人は裸である事を恥じて、やって来た神から隠れてしまう。

神はその裁きを地の呪いとして下す。蛇を呪い、男と女を苦痛と疲労の世界へと入れてしまう。二人は楽園を追放されて、共に生きる事に成った。遠い遠い昔の事である。

その世界に我々は生きているのである。

6九次元

1アズラエルは単独にて、天より下の堕落天使、すなわち、堕落天使の住処(すみか)に分けいった。

2それを不審がる悪魔はいなかった。アズラエルがアダムを造る手伝いをした事を指摘出来る者がいなかったからである。

3イグノランスは元々、無知の天使であり、そういう事情に疎かった。私が前に書いた「無知こそ罪なき者」という啓示とは呼べないものを先行して、知識としていたからである。

4彼が黒い衣服をまとい、黒い羽根を持っていた為に潜入出来たのである。

5彼を見るものは既に堕落した天使だと見え、彼の本性を知らなかった。

6彼はある使命を帯びていた。神から頂いた指令である。

7ちなみに、堕ちた天使は白い肌以外の全てが黒くなり、まとっている衣服すら黒くなるのだ。それは神の宣告によるものである。

8彼は堕落天使の数を数えに来たのだ。その総数は二十三万を数えた。

9それぞれ戦いの準備をし、七大天使を打ち倒そうと、張り切っていたのだ。

10イグノランスはその堕落天使達を度外視し、何やら思慮をしていた。


7陣容

1「戦いの時だ。準備は出来ているな。天国を攻撃し、人間を堕とすのだ。」

2しかし、アズラエルが帰還し、報告。陣容を把握された為に、攻撃は防がれ、守りは打ち(くだ)かれ、散々な有り様であった。

3(よろい)(くだ)かれ、剣は折られ、盾は押し(つぶ)されてしまった。

4近代兵器を使わないのは、ある程度、武術を極めると、天使は剣の方が強いからである。

5ある程度、極めた剣が通じないと見切り、イグノランスは辺りを見回した。

6怪我(けが)した堕落天使達がいるだけであったが、ちょうど良くエデンの園、すなわち、楽園が目に入った。

7イグノランスは近づいて行って、楽園の蛇に取り()いてみせた。


8女

1(アダム)にはミカエル、ガブリエル、サマエル、マウェッタエルが守護していた為に、蛇は守護のない女に目を付けた。

2「あなたはどうして、神の言う事を信じるのですか。神の言う事が絶対に正しいと言えるのですか。」

3「そうです。神様の言う事に間違いはありません。」

4「それならば、どの木から思いのまま取ってもいい。と園の中央にある木からは取ってはならない。という言い付けは相反するものではないのですか。」

5「たとえ、矛盾していても神様は絶対正しいのです。」

6「それならば、知識の木の実はどうして存在するのですか。神様は本当にそう言われたのですか。」

7「アダムから教えられた事なので、何とも言えません。」

8「もし、あなたがそれを食べるなら、神の様になって、善悪を知る事になるでしょう。あなたは神に等しい者になる事が出来る。その権利がある。」

9蛇に言い切られて、イヴも心変わりをして、知識の木の実におずおずと手を伸ばす。

(実はイヴは神を無限の命を持つ方、永遠の王(いわば、王の王である。)だという事を知っていたのである。それはアダムも同じで、その実を食べれば、それらを得られる。と。そんな予感があったのである。事実、知恵の木の実は生命の木を指し示してくれたのである。)

10それで、悪い事だと分かっていても自制が効かない。今日の人にも言える事である。


9陣営

1この後、蛇は神に呪われる事になるのだが、その時、イグノランスは既に戦場に舞い戻っていた。

2天使は原則死なないのだが、疲労や痛みは感じる。

3それで士気が下がっていたのだが、イグノランスが帰還した事により、士気が上がりに上がった。その口上を述べよう。

4「男と女をだまし、我々は目的を達したが、戦争にはまだ勝っていない。ここは大天使の一人でも我々の中に入れようではないか。」

5それに呼応したのか、行動を起こしたのが、かつての十大天使の一人、ガギエルである。十大天使は、七大天使を含めてインマヌエル、ガギエル、イシュアエルである。十二大天使は、十大天使を含めてグセル、イブリースである。この内のイブリースが天界で天使だった頃のイグノランス、または、サタンである。十二大天使の三分の一が堕落してしまった為、今は、七大天使でまとまっている。

6十人程の供を連れて、アダムにまつわりついているミカエル、ガブリエル、サマエル、マウェッタエルの所に行った。

7「ミカエル様、話があります。」

8「何だ。話してみろ。」

9「いえ、ここで話せる話ではありません。こちらの陣営に来て下さい。そうすればお話出来ます。」

10「いやいや、ここで話せよ。後ろめたい事でもあるのか。」

11「・・・・・・実は、仲間に加わって欲しいのです。」

12「わはは。」

それがミカエルの答えであった。

最初から話をする気も、聞く気もなかったのである。


10無双

1天界の天使と堕落天使の戦いはアダムとイヴが楽園を追放されてからも続いた。

2堕落天使の皆は名誉に預かろうと、おののいて、戦った。

3中でもガギエル、サタネル両名は一生懸命に戦い、多数の天界の天使に傷を負わせた。

4「天界の天使も大した事がない。私達が本気ならこれでは済まさない。きっと敵陣営には重傷者があふれかえる事だろう。」

5イグノランスは自身も戦いに参加して、七大天使のいない天界の天使等、ひよっこのようだ。いくら集まったとて、我々の敵ではない。と豪語したそうだ。

6そこで七大天使が集まり、何やら話し合った。

7先陣に七大天使が立ち、二十三万の堕落天使達を威圧した。

8堕落天使達はおのおの、戦いに行ったが七大天使にはばまれた。

9彼らは予知能力をもって、先回りをして、堕落天使達をボコスカ、剣で殴ったのである。

10中でも、イグノランスとミカエル、ガギエルとガブリエル、サタネルとサマエル、サリエルとマウェッタエルの戦いは周りを巻き込む程、熾烈な戦いであった。

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