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あぶら

作者: しゃん

まぁいっか。インフルが流行るこの時期、ほんとうは手洗いうがいしてからおやつを食べるべきだ。

そうは思っても食欲は正直だ。昨日もらったポテチにするすると手が伸びる。袋が弾けないように丁寧に摘み、開ける。今日はのりしおの気分。



こんな時間に食べたら太る、なんて言われるかもしれないけど食欲には叶わない。


一口食べるごとに歯が、舌が、喉が、食道が、胃が、喜んでいるのを感じる。


だから、大丈夫。太ったりなんてしない。


そうして二袋目を開けようとしてやっと自我が戻ってくる。

まるで夢でも見ていたかのようにこの数分の行いが虚だった。





今度はちゃんと手を洗い、うがいをした。口元についたポテチの破片を見てあれは現実だったんだって妙に納得した。






でもどっちだろ。





ポテチを食べてるときと、食べていないときどっちが現実なのだろうか。

口に伝わるちょうど良い歯応え。パリっという軽快な音。それまでモノクロだった世界が急に彩られるように広がる塩味。




この思いをどうにか残したいとスマホを手にとる。


なかなか指紋認証が反応しない。画面さえつかない。

いつもならすぐのはずなのに、どこか接続が悪いのだろうか。




仕方ないから放置、した途端他にやることがないので再度スマホに手を伸ばす。




やっと画面がついた。










なんだかいつもよりちょっと見にくい。

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