第1話 凪さんと僕
初めまして。ひつじと申します。
以前から小説を書いてみたかったのですが、書くことに関しての知識が全く無く、悩んでいました。
でも、少しでも書いてみたいという気持ちがあったので、チャレンジしてみました。
至らない事だらけで、めちゃくちゃだと思いますが、どうか、暖かい目で見て頂けると幸いです。
でも、まさか、1話を書くだけでこんなに時間が掛かるとは思いませんでした。
プロットなどは無く、その場で考えて書いているのでなかなか更新が出来ない時もあると思いますが、よろしくお願いいたします。
――両目が光を捉える。
けたたましく鳴るクラクションと共に、光が両目に吸い込まれた瞬間、僕の身体は衝撃を受け、弧を描きながら宙を舞った。
そうか、僕は死ぬのか。
そう、頭の中によぎったときには、もう身体は地面に叩き付けられた後だった――。
「っと……そこのあなた……」
「ちょっと、そこのあなたってば!」
僕に呼び掛ける声がする。
「ん……なんですか……」
「あのさ、いい加減に起きてくれないかしら?」
僕は、そのイライラしたような声に戸惑いながらも、身体を起こす。
身体を起こすと、そこにはムスっとした顔をしている少女が立っていた。
「やっと、起きた。まだ理解出来てないと思うけど、説明するわね? あなたはたった今、トラックに跳ねられて亡くなりました。
この度は、ご愁傷さまです」
少女はマシンガンの様に、早口で話し掛けて来る。
「あの、ちょっといいですか?」
「いいわよ。何?」
「ここは、どこ? そして君は誰?」
僕は、一番最初に思い立った質問をしてみる。
「そういえば、言ってなかったわね。ここは、そうね、あの世とこの世の狭間と言えばいいかしら。そして私の名前は凪。これでいいかしら? 桐谷宗吾さん」
凪さんは早口で話すことを止めはしないみたいだ。
というか、どうやら僕の名前も知っているらしい。
僕は溜め息をつき、もう一度言葉を掛けた。
「凪さんと言うんですね。そして、ここはあの世でもなくこの世でもないと。よくわかりました。でも、僕は本当に亡くなったんですね」
「あら、ずいぶん物分かりがいいのね。普通ならこんな突拍子もないことを言われたら、笑ってしまいそうだけど。もし、私があなたの立場なら信じずに大笑いしてるわよ」
「そうですよね。でも、僕自身の中で納得してしまった自分がいるんです」
「そう。でも、私がさっき言った事は本当よ。トラックに跳ねられて、あなたは血塗れになって死んだ。その若さでまったく残念な事ね」
凪と名乗る少女から、死んだと言われても何故かそれほどショックではなかった。
それは、生前の僕がそれほど生に執着していなかった、からかもしれない。
凪さんは眉を大袈裟に八の字にしながら、溜め息をついている。
「ところで、凪さんはどういった人なの? 見た感じだと僕より十個以上は、年下に見えるけど。しかも、僕の名前まで知っているみたいだし」
目の前の少女――いや、凪さんに目線を向けると、どう見ても小学生位の子供に見える。
しかし服装は大人びていて、黒い生地に紅い蝶の刺繍が入った着物を着ている。
帯も紅色で、帯締めは黄金色だ。
口調も、小学生のそれではない。
どう見ても、話している感じでは外見と中身が釣り合わない様な気がする。
それに今、僕と凪さんが立っている場所も、空間がネジ曲がった、と言えばいいだろうか。とにかく現世では存在しないような場所だ。
僕がそんな事を考えていると、凪さんは腕を組みながら人差し指をとんとんさせて話し掛けて来る。
「もう、いちいち面倒くさいけど話してあげる。私はこんな外見だけど、これでも樹の精霊なの。名前を知ってるのも精霊だからよ。年はそうね、千年は生きてるかしら。それから、あなたがここに呼ばれた理由も話してあげる。それはね、あなた自身に想い残している事があるからよ」
「はぁ、長く生きてらっしゃるんですね。というか想い残しって何でしょう? しかも天使や神様じゃなくて樹の精霊さんなんですね?」
「もう、ごちゃごちゃうるさいわね。私はあなたが想い残した事があるから、あなたの言う天使とか神様とか言う奴が来る前に、あなたの魂を私の次元に引きずり込んだんじゃない。しかも想い残した事を忘れてるってどういう事よ!」
凪さんは、僕が想い残した事を忘れている事に怒っているらしい。
でも、怒られた所で思い出せないものは思い出せないのだから、しょうがないと思うんだけど。
「まぁ、いいわ。ってかあなた、ちょっとこっち向いて!」
そう言われると、凪さんは強引に顔を近づける。
いくら、小学生みたいな見た目でもこんなに顔を近づけられたら、流石に照れる。
凪さんは、しばらく僕の目を見つめてまた溜め息をついた。
「やっぱり。あなた、事故の衝撃で少し記憶を失ってるみたいね。もう、どれだけ厄介なのよ! しょうがない。ここは力ずくで取り戻すしかないわね」
そう言うと、いきなり手を僕の頭の中に突っ込んでくる。
「ちょっ、ちょっと! 何するんですか!? 」
「あなたの記憶を探してるのよ! ちょっと黙ってて」
そう言いながらも、しきりに頭の中で手を動かしていて、とても気分が悪い。
駄目だ。意識が飛びそう。そう、思った瞬間――。
「ようやく、見つけたわ! これで思い出すはずよ」
凪さんが、嬉しそうに頭の中から手を引き抜いた瞬間、僕の意識は途絶えた。
1話を書き終わりましたが、2話以降、全く考えておりません(笑)
でも、おおまかなストーリーはあるので、それに沿って書いていこうと思います。
よろしくお願いいたしますm(__)m