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RQ〜運命のダイス〜  作者: 織田璃空
望まれぬ者、招かれざる者

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18/18

RP 02

「お孫さんと結婚させてください!」

「『お前のようなまだまだ未熟な男に、孫娘はやれん!』と拒否されます」

「くそっ……! なら、『説得』を試みる!」

「えーと、技能は?」

「……初期値、だな」

「振ってください」


 コロコロコロ……。


「よっしゃ! ギリギリ成功!」

「え~……」

「残念そうにしてんじゃねーよ! 成功だよ、成功!」

「ん~……じゃあ、ケンのしつこい説得に諦めたアルフレドは、ケンの申し出を許します」

「何となく引っかかる判定だな……」

「エルフリーデは『やったな、ケン! これで問題はなくなったぞ!』と喜んでいます」

「それを見て、リックは『これはメンバーが増える日も近い、か』とニヤニヤします」

「そんなリックを見て、『やめなさいよ、そういう品のないこと』と釘を差します」


 和気あいあいと、ゲームは進行していく。

 今遊んでいるシナリオは、織田が『ロール&クエスト』の基本設定とシナリオ案を参考に組んだオリジナルだ。GMとして進行させる中で手応えもあれば、失敗だったなと思った部分もある。それでも、こうして楽しんで遊べていることに織田は感謝する。


 TRPGは、こうして多人数で楽しむのが面白い。人数が増えれば増えたで難しい部分もあるが、こうして色々やり取りが出来るのが楽しいのだ。


「一同はアルフレドに別れを告げ、里を後にします。君達の行く手に何が待つのか……まだわかりません。――というところで、今回のシナリオは終了です。お疲れ様でした~」

「「「お疲れ様でした~!」」」


 織田の終了の声に、健二、美久、麗華が応える。


「結局、ケンとエルフリーデがくっついたか~……」

「高貴なエルフって、良いよな」

「アンタのその股間にぶら下がってるもの、切り落としてやろうかしら……」

「美久、ちょっと怖い……」

「ケン子ちゃんにしないであげてね、進行が大変だから」

「それもどうかと思うんだけど……」


 織田のツッコミに、美久が苦笑する。


「次のシナリオって、用意してるの?」


 美久に問われ、織田は「未完成」と答える。


「一応、今回も話に出てきた魔術士を絡めようとは思っているんだけど、上手くいかなくてね」

「個人的に、今殴りたい奴ナンバーワンのアイツか」

「ケン、骨は拾ってやるわ」

「何で負けるの前提なんだよ、勝ってるだろうが」

「こういうのは、『ふはははは、私の真の実力を思い知るが良い!』って、パワーアップするのが定番でしょうが?」

「でしょうが、って言われてもな」

「どうなんです?」


 麗華が可愛らしく首を傾げるのを微笑ましい気持ちで眺め、「どうだろうね?」とぼかす。

 そうであっても面白そうだし、そうでなくても面白くできそうな気もする。

 オリジナルシナリオは作る苦しみはあるけれども、世界観を壊さない限り、自由だ。その自由の中で、いかに楽しめるものを生み出せるか。そこにGMとしての楽しみがあるし、腕の見せ所でもある。


「まあ、次の定例までには完成させておくよ。とりあえず、今日はここまで」

「お、結構時間経ってるな。この後は?」

「私は特に予定なし。麗華は?」

「私も特に」

「それじゃ、お茶でも飲みに行きますかい?」

「俺は珈琲だけどな」

「そういうことを言ってるんじゃないでしょ。馬鹿じゃないの?」

「お前、彼氏によくそういうこと言えるよな……」

「甘やかすのが彼女の役目じゃないのよ。時に厳しく導いてやるのも、彼女の役目なのよ」

「カッコイイ、美久」

「そうでしょ、そうでしょ」

「頑張れ、健二」

「応援する気、サラサラねえだろ? 他人事みたいに言ってるが、俺よりお前の方が大変だろうが……」

「あら、私が、何か?」

「麗華というよりは、ご両親とコイツの問題だけどな」

「両親は、とても気に入ってくださっていますよ? 早く孫の顔が見たいって……」

「うん、照れながら言わなくて良いからね?」


 美久がツッコミ、とりあえずその話題は終わる。


「よしよし、ケーキセットまでは奢ってやろう」

「お、太っ腹じゃん?」

「臨時収入、あったからな」

「後ろめたい金じゃ、ねえだろうな?」

「そんな金だったら、話をしねーよ!」


 馬鹿みたいな話をしながら、家を出る。

 日が傾き始めている。おやつ時は過ぎているが、夕飯という時間でもない。

 お茶でもしながら、今日のことを振り返ろう。そして、これからのことを話そう。


 近くの喫茶店を目指しながら、織田は仲間達を見る。

 こうして巡り会えた偶然に感謝しながら、これからのことに胸を熱くする。

 きっと、楽しいことだけじゃないだろう。時に、苦しむこともあるかもしれない。

 それでも――。


「どうしたの?」


 麗華が、そう言って顔を覗き込んでくる。


「いや……これからどうしようかな、ってね」

「一人で悩むより、皆で考えましょう?」

「そうだね」


 笑って、「ありがとう」と伝える。


 まだ未完成のシナリオを完成させるために、皆の知恵を借りよう。

 自分は、完璧なGMじゃない。でも、そうであることを自覚し、努力すれば良いGMにはなれるかもしれない。


「――頑張ろう」


 前を歩く健二と美久、そして隣を歩く麗華を見て、自然と微笑む。


――俺達の『ゲーム』は、これからだ!







~『RQ』 第一部END~

とりあえず、ここまでとします。

お読み頂き、ありがとうございました。

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