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ドラゴンプラネット RE:turn players  作者: 級長
chapter2 インターバル 嵐の前の静けさ
21/23

13.拠点を探して その1

 現在攻略できるヒロインは何人かって?

 このゲームどちらかというとメガテン的な分岐なので……。少なくとも物語の軸がいくつあるかは見えてるはず。

 俺は氷霧とクインの二人と、ドラゴンプラネット内でチーム、騎士団を組むことになった。最初の目的は拠点探し。多くのゲームでは決まった部屋が与えられるし、このゲームでも最初は同様だ。しかし、実際に惑星の物件を購入してそこを拠点とすることが出来る。それはマイルームに関しても同じだ。

「色んな惑星があるな……」

 物件の情報誌を見ても、本当に惑星が変わればものが変わると言うか。ネイチャールでは古民家の様なものがある一方、ギアズは廃棄されたガレージ、ネクノミコには無人のガソリンスタンドと世界観を強調したものになっている。水没惑星のオーシアは……軍艦を拠点にしているところもあるのか。

 バーにて三人で物件を選んでいるが、俺には一つ気になっていたことがあった。氷霧とクイン、そして夏恋の関係だ。偶然とは思えないことが多い。そんなに世界が狭いはずもないが……。氷霧とクインは夏恋を知っていた。そしてその逆も然りという態度を夏恋が取っていた。さらに氷霧は俺と夏恋との距離を離したい様だ。

 その言葉に執心や嫉妬の様なものは感じられず、夏恋のことも心配した上でのことだというのはハッキリ分かる。ここは聞いておくべきか、それとももっと信頼を築いて、確たる証拠を掴んでからにすべきか。迂闊に手を出すと関係を壊しかねない。


 ▷夏恋のことを聞く

  一旦置いておく


「なぁ、一ついいか」

 もやもやしているのも癪だし、ここはハッキリさせよう。どのみち、長らく付き合うならこういう微妙な引っ掛かりを解消するのが信頼の第一歩にもなる。

「何?」

「いい場所見つかった?」

「いや、そうじゃないんだが。聞いてくれ」

 興味本位でないことはまず伝えないと。

「俺は夏恋と同じクラスだし、仲のいい友人だ。このゲームに誘ってくれたし、必要な周辺機器もプレゼントしてもらった。そしてお前らとも仲良くやっていきたいと思っている。氷霧は初心者の俺にいろはを教えてくれた。同じクラスになるもの、この広いゲームで出会うのも得難く捨てがたい縁だ」

「そんなに前置きして……一体なんだ?」

 クインは結論を聞いた。氷霧は情報誌から目を離さないながら、俺の聞きたいことに薄々気づいている様な素振りだ。

「お前達と夏恋、過去に何があった? お互い心の底から憎み合う様な関係には見えないが……知り合いなのか?」

 担当直入に言おう。問題はそこだ。

「それは……」

「私から話す」

 クインが話そうとすると、氷霧は主導権を取った。情報誌を手放さないが、ページを送らない。これは彼女なりのワンクッションなのだろう。

「上杉夏恋……上杉先輩は私達の先輩。同じ美術部だった。今年卒業したけど」

「知り合いか。そういえば夏恋は越してきたんだったな」

 夏恋は地元の人間ではない。長篠高校の性質上、珍しいことではないのであまり気にしてはいなかった。

「どこまで言うか悩むけど……私達は直接的な当事者じゃないから。でも上杉先輩も不本意な形で問題が起こって、転校することになった。当事者の後輩は許してるけど」

「なるほどね……」

 加害者と被害者が出る問題って感じだな。いや、だとすると夏恋が貰っていたという紹介状はなんだ? あれはまた関係ないのか。

「まぁ、別にバチギスの不仲じゃないって分かってよかったよ、悪かったな」

「ううん、でも気を付けて」

 とりあえず仲が悪いわけではなさそうだ。それが逆に、悩みを深めている点でもあるのだろう。

「前も聞いたが……それはどういうことだ?」

「上杉先輩も困っていることが、貴方を傷つけるかもしれない。ただこれ以上は私の口から言うと、告げ口みたいになるから」

 妙に含みがあるな。夏恋にコントロール出来ない問題があるというのか。

「俺は親族に警察がいる。ストーカーみたいなやつが絡んでんだってんなら、なんとでもなる」

「そうじゃないから、結構複雑。本人でしか、解決できない……と思う」

 なるほど、変な奴に付きまとわれてるとかじゃないのね。

「そっか、なら俺も多少は力になるよ。安心しろ。それより、どっか内見でも行こうぜ。気分転換にさ」

 さて、今回集まった主題を熟していこう。騎士団の拠点探しだな。さて、どこ行こうか。

「こういうのはどこか他の騎士団を見た方がいいよな」

「だったら、惑星警衛士の本部がネイチャールにある」

 氷霧は元々の所属である騎士団の名前を上げる。相当大きいだろうな、きっと。知り合いの場所なら気兼ねなく見学も出来るってもんだ。

「そうだ、こ……知り合いがオーシアで騎士団やってんだ。そこ見に行くか?」

 クインからはオーシア案。実は両方行ったことない惑星なんだよなぁ。プロトタイプの件でわちゃわちゃしてたし、強化に必要なギアズに行った程度で。しかし俺はネクノミコもギアズも十分見たとは言い難い。

「どっちも気になるが……俺の中の男の子が廃棄ガレージと無人のガソスタにわくわくしてる」

「わかる」

 男の子の大好きが詰まったこの二つも見逃せない。クインもメカ好きなだけあってここは気になっていた様子。

「え? クインのマイルームも似た様なものじゃ……拠点も同じでいいの?」

「プライベートガレージもロマンだけどチームの隠れ家としてのガレージも魅力なのよ……」

 氷霧はダブりを気にかけたが、ロマンに上限はない。わかるマン。というわけで選択肢が一気に倍化してしまった。

「さて、どこに行こうか……いくら時間が五倍に伸びてても今日行けるのは一か所になりそうだ」

「そうか?」

 元気な女子中学生はそうだろうけど、俺は体育祭で死にかけてるからな。週末には用事も控えている。

「体力的にな……。他のゲームの数倍体力使うっていうか、俺が虚弱なんだけど」

「そっか、無理はよくないな」

 他のゲームならテレポートしたりして一気に見て回れるんだろうが、リアル移動を伴うとなるとな。実際テレポートできても疲れそうだけど。さて、どこへ行こうか?


  ネイチャールの惑星警衛士本部

 ▷オーシアの知り合いの騎士団

  ギアズの廃ガレージ

  ネクノミコのガソリンスタンド

 タスククリア

 氷霧と夏恋の関係を聞き出せたぞ。しかし逆に謎は深まった様な……。仲が悪いんじゃなくてよかったと思うべきか。

 →NEXT

 後輩に詳しく聞こう

 これ以上詳しい話は夏恋自身かその後輩という人物に聞くしかない。後輩も起きた問題については許しているらしいので教えてはくれそうだが、初対面で聞き出せるはずもないだろう。

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