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嵐
私は、無我夢中で走ったがたかやに追いつかれた。
「痛い、離して」
「ごめん。俺が悪かった」
「今さらなんなの」
私は、少しずつ後退りした。
すると、たかやが抱きついてきた。
「離して!うちの好きだったたかやはどこにいったの?こんなのたかやらしくない。それに、あの女を抱きしめた体で抱きつかないで。喋らないで」
「頼むから聞いてくれ」
「嫌だ」
「たかや、離してやれ」
「まさと…」
「お前がやってることはよくない。少し落ち着け」
たかやは離してくれた。
「えなちゃんも今日は帰りな」
「ありがとう」
私は、たかやを見た。
「たかやなんかだいっ嫌い!」
家まで走った。そして、そのままたかやの匂いを消すかのようにシャワーを浴びた。
こんなにも、たかやが好きだった。幼なじみだからって安心してた。当たり前だと思ってた毎日が当たり前じゃなかった。1日1日が幸せだった。
たかやは、一歩前に行ってて、私の好きなものは全部覚えてて…。
たかや…好きだよ。




