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【完結】転生したけどやっぱり底辺ぽいので冒険者をやるしかなかった  作者: よぎそーと
その8 目指すべき次は、やっぱりいつも通りな感じのようだった

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レベル178-1 最初は上手くいかないと自分に言い聞かせてがんばらねばなりません

 嘆いていても始まらない。

 いつも通り、今できる事をやるしかない。

 一旦作業を切り上げ、素材を持って村へと帰っていく。

 素材は一度に運び出せないので、何回かに分けて運搬する事になった。

 二日でこんな状態なのだから、頻繁に運び出す必要を痛感する。



「こりゃまた、頑張ったな」

 行商人も持ち込まれた素材に驚いてる。

 さっそくそれらを数え、値段をつけ始める。

 ただ、一度に持ち込まれる量が多いので、全てを精算出来ない。

 単価が上がってしまうので、行商人の手持ちの金では全てを買い取る事が出来ない。

「買える範囲で買い取って、一度町に持っていくよ。

 売りさばいて儲けた分で残りを買い取るってので良いか?」

 金が無いのなら仕方が無い。

 それで構わないと言って、買い取れるだけの素材を買い取ってもらった。

「とりあえず、今回分の素材はこれだけになる」

 金額だけは出てたのでそれを確かめる。

 総額で九十六銀貨。

 一人当たり一銀貨と九千二百銅貨になる。

 ここから税金を引くと、一銀貨と三千四百四十銅貨になる。

 一見かなり稼いでるようだが、そうでもない。

 二日でこの金額である。

 一日あたりの稼ぎは六千七百二十銅貨にしかなってない。

(これじゃ駄目だな)

 これなら、妖犬を数多く倒している方がよっぽど稼げる。

 もっと多く取れるようにするか、一人当たりの作業効率をあげるしかない。

 やり方について再度考える必要があった。



 人数自体は今の半分でやってもおそらく大丈夫。

 これは実際に妖鳥を相手にしてみて分かった。

 今のレベルとやり方なら、戦闘は十人で十分である。

 余裕を見てもう少し人数を増やしはしても、今回ほど多くは必要ない。

 どちらもあわせて三十人もいれば大丈夫だろう。

 それなら、一人当たりの分け前も増える。

(そうなると、レベル7が増えるのを待つしかないか)

 あと二ヶ月か三ヶ月もすればレベル7に上がれそうな者達もいる。

 そこまでいけば、二つに分割する事も出来るはずだった。

 それまでどうするかである。

(希望者以外は妖犬の方に戻すかな)

 そちらの方であれば、さほど稼ぎが下がる事もない。

 そちらの方に少しばかり移動してもらい、あらためてレベル7が増加した時に妖鳥の方の相手をしてもらう事にする。



 考えねばならないのは、素材の運搬だった。

 この調子なら毎日運び出さないといけなくなる。

 それを誰にやってもらうかだ。

 素材の運搬だけでは儲けが出ない。

 必要な作業ではあるが、その為だけに人を使うとしたら、その負担を他の者達でまかなってもらう事になる。

 それでも、さほど危険のない場所であれば、村人などに頼んでも良いのだが。

 森の中に入るとなるとそうはいかない。

 途中でモンスターに襲われる可能性が出て来る。

 道に防備を設置しない事には安心して往復も出来ない。

 柵と堀はここでも必須になりそうだった。

 それを作るだけの人と費用をどこから出すか。

(当分は一団の中でやりくりするしかないか)

 だとして、どうやりくりをするか。

 そこがまた悩みどころだった。



(馬車が入れればなあ……)

 運搬能力からすれば、馬車の方が上である。

 大量の素材であっても、数少ない台数で一気に運ぶ事が出来る。

 だが、森の中の道はまだ整備もろくろくされてない。

 馬車が通れるほど平らになってる所はほとんどない。

 道幅も足りてない。

 安全面の心配ももちろんだが、そもそも通り抜け出るような状態ではない。

 解消する為にも、やはり森の整備が必要になる。



 森の中の拠点に収納場所を増やせれば、とも思う。

 週末あたりに人を集めて一気に運び出せれば、毎日運搬する必要もなくなる。

 しかし、拠点の広さからすればそれも無理がある。

 もう少し森を切り開かなければ、物置の置き場所が無い。

 その為には、木こりに頼んで場所を拡張する必要がある。

 いずれはそうするつもりであるが、今は余裕がない。



(運び出しは二日に一回くらいにしておくか)

 とりあえずそうしていこうと考えた。

 収容能力ギリギリになるが、二日くらいなら素材を貯めておく事は出来る。

 それで当面はやりくりしていく事にする。

 運び出す者達は一団から出し、多少の日当を出して作業をしてもらうしかない。

 出費は痛いが、当面はこうやっていくしかなかった。

 レベル7が増えて、妖鳥をもう少し多く倒せるようになるまでは。

 ただ、それはそれで別の問題を増やしもする。

「物置をもっと増やさないと……」

 妖鳥退治を二組にするなら、成果も当然二倍になるだろう。

 今のままだと、物置が足りなくなる。

 状況を考えれば、三倍ほどの数が欲しいところだった。

 その為の広さも。

 どのみち、拠点の拡張は避けられない。

「妖犬相手にがんばるしかないか」

 当分、稼ぎはそこから捻出するしかなかった。



 小屋を建てる時にも思ったが、生活基盤を一から築き上げていくのは難しい。

 まして今回は、何もない所に居場所を作る所からだ。

 町にしろ村にしろ、既に人が集まって生活してる所ではない。

 何も無い所に何かを作る事の大変さがどんなものなのかを思い知った。

 続きを19:00に投稿予定

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