レベル168 冒険者として活動するのではなく、冒険者を活動させられるように
金銭だけではない。
レベルも当然必要である。
妖犬以上のモンスターが出て来ると言われてる。
最低でもレベル7くらいは欲しい。
そうなると、行ける人間が限られる。
初期からやってるサトシ達などでないとそのレベルに達してない。
まだレベルが低い。
今やるとしたら、あちこちから人員を引き抜くことになる。
そうなると、全体の作業に支障が出る。
それだけは避けたかった。
(やっぱり来年になるかな)
少なくとも半年以上先。
多少余裕を見て、春になった頃。
その頃なら、今の新人達もレベル2や3になってるだろう。
今後も継続して入ってくるかもしれない者達はともかく、その頃には今の新人達が面倒を見れるはずだ。
レベルの高い者達がいなくてもどうにかなるようにしておかねばならない。
偵察に行くとするならば。
あわせて、人が抜けた場合の対応も決めておかねばならない。
もし、サトシやレンなどを引き抜いてしまったら、町や派遣される者達を上手く束ねられるか分からなくなる。
そうなっても困らないように、ある程度独自に行動できるようにしていかねばならない。
二人ほど経験はなくても、それなりにレベルの上がってる者達などに任せてみる事も考える。
人が多くなれば、一人でまとめるのにも無理が出てくる。
早いうちに、何人か幹部を作っておかねばならなかった。
でないと巨大化した組織の重さに潰される事になる。
(いい機会なのかもなあ……)
小さな部分で統率をする者達を作り始める時期として。
もう誰かが引っ張っていくだけで済むわけでもないのだから。
町において活動してる者達には、特にこれを意識してもらいたかった。
いずれあちこちの村に人を送り込むつもりである。
どうしても独立して動けるようになってもらわねばならない。
まずはサトシが率いてるレベルの高い者達に他の者を引っ張ってもらう事にする。
いずれは新人達も独自に活動が出来るように、色々と学んでもらわねばならない。
(最初は自分達でネズミ退治をしてもらう所からか?)
いきなり村に送り込んでも混乱するだけだろう。
まずは自分達で動けるようになってもらう所から始めねばならない。
村などでの振るまい方も。
先にサトシに連絡をつけ、他の者達にもそれを意識するよう伝えておかねばなるまい。
いずれ君達には組を一つ率いて村に赴いてもらうと。
まずはサトシがどうしているのかを見ておいてほしいとも。
手近にある見本を参考にして、やり方を身につけてもらいたかった。
(礼儀とかを学ばせた方がいいのか、これって)
周旋屋経由で、そういう事を学ばせる事も考える。
研修や講習といってよいかは分からないが、必要な技術を身につけるために、そういった事もやっている。
ただ、高度な技術が身につくわけではない。
あくまで基本的な型を教えるといった程度である。
それでも、有ると無いのとでは大きな違いが出る。
今まで意識してなかったが、それらの利用も考えていかねばならないのかもしれない。
(手間だな、やっぱり)
人を抱え、教えていくというのはとんでもなく面倒で手間なものだ。
やらねばいつまでも現状のままなので、どこかで始めねばならないが。
(ま、まずは皆に伝えるトコからだな)
早い所手紙にして、サトシやレンに伝えたかった。
なんだかんだで慌ただしい。
手紙を出し、自らも町に赴き、考えを伝えていく。
実入りに比べて出費が大きくなり、持ち出しが増えていく。
これも次の段階に進む為の投資と思えば諦めるしかない。
更なる稼ぎに発展していくかどうかも分からないが。
それでも、その時になって慌てないよう、出来るだけ事前の準備をしておきたかった。
開拓開墾地の方にいるアツシにも話をしていく。
距離が近い分、こちらの方が説明をするのも楽である。
ただ、歩きでも一日でたどり着ける場所にあるとはいえ、やはり離れている。
日々の忙しさを考えれば、これだけの距離であっても、連絡員がいて欲しいと感じてきた。
そちらの方も可能な限り早くどうにかせねばならないのだろう。
まだ解決の目処がたたないが。
時間はトオルを待つ事なく進んでいく。
夏の暑い盛りを過ぎ、実りの収穫も終わっていく。
空気に肌寒さが感じられるようになった頃、開拓開墾地に小屋が出来上がった。
それにあわせて、町から新たに十人が移動をしてきた。
一団とは直接の関係はないが、トモノリの方の縁談も大きく前進をしていった。
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