レベル165 越えていかねばならない場所があるのです
年上の年配者や兵役などの経験者は、彼ら同士で組んでもらうよう周旋屋にお願いする。
その一方で、戦闘の経験がない者や、村から出て来たばかりの者達などを吸収していく。
それらをまとめた手紙を出し、日々の仕事に向かっていく。
小屋が出来上がるのと前後して町から人を移動出来るよう、その時期を見定めていく。
完成前に到着してしまわないように、完成から日にちがあきすぎないように。
なるべく時間差が出ないようにしたかった。
アツシとも話を進めていく。
これから更に十人を追加する事になる。
二十人で行動する事になるが、これらを一カ所に集めて行動させる必要はない。
二手に分けて行動していく事が出来る。
その場所を決めておかねばならない。
モンスターのよく出て来る場所を見定め、的確な場所を決める事になる。
こちらは町ほど離れてないので、比較的簡単に話をする事が出来る。
「場所は幾らでもありますよ」
アツシははっきりと言い切る。
「特に北の方からはいくらでも出て来ますから。
そっちの方なら、どこに陣地を作ってもいけますよ」
「そんなに来るのか?」
「ネズミくらいですけどね」
それでも大量に出るなら厄介な問題になる。
「モンスター除けとかはどうなってる?」
「設置してからはかなり減りましたね」
「効果はあるのか」
「でも、時々は中に入ってきますから。
そうなったらやるしかなくなります」
そのおかげで開拓は進み、田畑も整備されている。
野原だった場所が、今では耕された畑になっている。
「水路を造ったりすれば、田も出来そうだな」
「そのつもりらしいですよ。
まだ先の事って言ってましたけど」
「ここまで拓いただけでも凄いよ」
元々は何も無い原っぱだった。
そこから実りが得られるようになっただけでも大きい。
「そのうち北の方の森も切る事になるのかな」
「たぶん、そうなりますよ」
田畑を拡げるなら、そこをどうにかしなければならない。
平らな原っぱばかりではないのだから。
だが、それもまたずっと先の事になるだろう。
まだ耕してない場所もかなり残ってる。
そこを開墾するだけでもかなりの広さを確保出来る。
当分は森が邪魔になる事はないだろう。
田畑に限って言えば。
だが、トオルの計画を考えると、森が邪魔になる。
(馬車…………いや、大八車が通れるくらいには切り開いておかないと)
でないと北に向かう事が出来ない。
そこに、今後倒す予定の強力なモンスターがいると聞く。
(道だけはどうしても通さないと)
でなければ、先に進む事が出来ない。
今まで余裕がなくて後回しにしてきたが、そろそろ考えねばならなくなってきていた。
必要となる木こりがどのくらいになるか。
作業にどのくらいの時間がかかるのか。
それを考えなくてはならない。
とりあえず、村の木こりには今後北の森の方で作業をしてもらうよう頼む事になるだろう。
トモノリに進言して、そう伝えていかねばならないかもしれなかった。
(間にあえばいいけど)
再来年には必要レベルに到達してる者を確保出来る予定である。
それまでに道が通ってくれないと困ってしまう。
ただ、天然の障害物としてはありがたい部分もある。
突破して進むには面倒な森であるが、モンスターを阻むには好都合でもある。
そこに生い茂る木々が、一定以上の大きさのモンスターの突破を阻害している。
村を脅かす直接的な脅威を低下させるという事については、大きな恩恵を与えてくれていた。
だが、進むのに邪魔になるのに変わりはない。
歩く邪魔にならず、荷物を持ち運べるよう道も造らねばならない。
まず必要なのは、森の探索になる。
モンスターが潜んでる事は十分予想が出来る。
それらの分布を確かめておく必要もあった。
先に進む為にはそれもまたこなしておかねばならない。
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