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レベル164-2 あれをしたい、これをしたい、でもやる余裕が無い

 一方で、一団の外部の事についても多少は対応を考えていく。

 参加希望者の中で年齢が高めの者や兵役などの経験者についてだ。

 まず、講習などを開いてやり方を教える、というのはその余裕がないので保留にする。

 それよりも、希望者同士で組ませて、一団として活動できるように案内してもらう事にした。

 個人が単独で行動してもなかなか成果は上がらないが、集まれば戦力になりえる。

 そうやって自分達で活動してもらう事を優先していく。



 このあたりの編成は周旋屋でも行っている。

 人数に空きのある一団と、一人であぶれてる者達を引き合わせたりする。

 そうやって仕事に必要な者達を集合させるのも業務のうちだった。

 だが、全ての者達が上手く合流出来るわけではない。

 中にはどうしてもあぶれてしまう者もいる。

 今回、トオルの一団に加わりたいという形で何人かが集まってると聞く。

 その願いをかなえていく事は出来ないが、機会にはしてもらいたかった。



 経験者は高い。

 それもまた引き入れる事を躊躇わせていた。

 技術を持っていてレベルも高いのであればそれも当然である。

 普通に依頼を出したり受けたりするならそういう考えで良いかもしれない。

 だが、トオルは外部に発注をかけてるのではない。

 一緒に稼いでいく者を求めている。

 レベルや経歴などをもとに、「俺にはこれだけ払ってもらう」という考えでいてもらっては困るのだ。



 トオルの一団は、完全な成果制となっっている。

 倒したモンスターの数がそのまま報酬に直結する。

 というか、倒さなければ何も手には入らない。

 当然のことであるが、ここを理解してもらわないとどうしようもない。

 一団という存在が、所属する者達に金を提供するわけではない。

 稼ごうと思ってる者達が集まって一団を形成してるのである。

 自分の足りない所を一緒にいる者達が補ってくれるが、自分が働かなければ稼ぎは得られない。

 そこを理解してもらわないと、文句や問題を起こされかねない。

 この辺りは事前に説明しておいた方が良いかもしれなかった。

 しても理解されないかもしれないが、誤解をしてるならまずはそこをなおしてもらわねばならない。

 所属すればどうにかなる、入ったら何とかなると思う者もいるのではっきりとさせておかないといけない。

 仕事をしなければ何も手には入らないという事を。

 要求したところで、誰も何も提供しない事を。



 こんな事を気にしてしまうのは、周旋屋に入ってから何度かそういう者達に出会ったからである。

 前世においても、職場で同じような考えの人間に遭遇した事もある。

(職場というのは助け合う場所じゃないのかな……)

 そう思ってるトオルにはどうにも理解しがたいものがあった。

 それを持ち込まれてはたまらない。

 そうでなくても、一団からの依頼か何かと思っているならばそれも困る。



(レベルや年齢で威張ったりされても困るし)

 そこも怖いものあった。

 何かにつけて威張ろう、上に立とう、自分以外の者達を見下そうする輩はいる。

 集団の中で主導権を握ろうとするのか、とにかく突っかかってくる。

 こういうのも相手にしてるだけ時間の無駄になる。

 そして自分の優位性(えてして思い込みである事が多い)として、年齢が上である事やレベルが高い事を示してくる。

 だからこそ、面倒の原因になりかねないこういった要素を排除するしかなかった。

 だいたい、そんなに誰かの上に立ちたいなら、自分で一団を結成すればよい。

 わざわざ出来上がった一団に入ってこないでもらいたい。



(余所で頑張って貰いましょう。

 人はいるようだし)

 体の良い厄介払いと言えばそれまでである。

 その為に組ませようとしてるわけでもあるのだから。

 巻き添えになる者達には申し訳ないが、こればかりはしょうがない。

 上手くやっていける者達と組んでやってもらうしかない。

 それが出来ない者ならば…………言わずもがなである。

(とりあえず様子見だわな)

 組んでもらって上手くやれるなら良し。

 わざわざトオルの所に来る必要もなくなる。

 駄目なら試行錯誤をして最善を見つけてもらうしかない。

 さすがに全てを救う事は出来ない。

 トオルは全知全能でも万能でもないのだから。



(あとは……)

 自分の所の問題をどうするかである。

 まだそういった話は聞いてないが、今後は少なからず出て来るはずだった。

 人が増えればそれだけ問題も起こりやすくなる。

 その際にどれだけ厳然と対処出来るか。

 トオルもそうだし、各地で人を率いてるサトシやレンにも言える。

 二人ほど離れてるわけではないが、開拓開墾地にいるアツシもそうだ。

 何か起こった時にどれだけやっていけるか。

 切り捨てる事も含めて対処が出来るかどうかが問われていく。

 続きを明日の7:00に投稿予定

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