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【完結】転生したけどやっぱり底辺ぽいので冒険者をやるしかなかった  作者: よぎそーと
その8 目指すべき次は、やっぱりいつも通りな感じのようだった

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レベル164-1 あれをしたい、これをしたい、でもやる余裕が無い

(なーんか、やる事が増えるな)

 自宅に戻り、今後の事を考えているとそうなってしまう。

 手を打っておかねばならない事もある。

 思いつきのレベルを出ないものもある。

 滞ってしまってる所を解決しようとあれこれ考えてるのだが、それだけには留まらなくなる。

 結局、仕事そのものについて色々と考えてしまう。

 トモノリと話していた、土地をおさえるだけではない。

 やるべき事は他にもある。

 あらためてそれが浮き彫りになってきているようだった。



 まだ形となってない、町と村との連絡や人員の管理もある。

 将来の展開を考えての資金の配分・使い道を考えねばならない。

 入れ替わりやってくる兵士見習い達の教育もだ。

 六月に入り元奥方とその一族の仕打ちへの補償も払い込まれた。

 それを元手にして開拓開墾地の方に、トオル達一団専用の小屋が建築されていく。

 そちらに追加で送り込む人員の十人を選考する必要もある。

 その頃にはレベル2に上がってる者達もそれなりに増えてるだろう。

 しかし数はまだまだ少ない。

 レベル1になった程度の者達も含めて送り込む事になる。

 町に駐留してる者達から何人か引き抜くことにもなるだろう。

 それによって町の方の戦力が低下しないよう考えねばならない。

 レンとその人員の選考をするために手紙のやりとりが増えていく。

 一回か二回は直接顔をあわせて話し合わなねばならないだろう。

 参加希望者は少しずつではあるが着実に増えている。

 人数の余裕は少しずつ発生している。

 それでもレベルが上がらねば意味がない。

 最低でもレベル2に。

 それくらいの強さがないと、モンスター退治における安全性の確保が難しい。

 そこまでの成長にかかる時間は半年余り。

 四月に入った者であるなら、十月過ぎくらいにレベルが上がる計算になる。

 ちょうど建築中の小屋が完成する時期である。

 その頃を見計らって、誰を移動するのかを決めねばならなかった。

 本人の意向も考えて。



 その一方で、人数が増えてレベルが上がる事で可能になる展開も頭に浮かんでくる。

 単純なところで、派遣する組を増やす事だ。

 今はサトシが率いる合計十人の一組が各地の村に派遣されている。

 これを一つ増やす事で、依頼の消化を加速させる事が出来る。

 依頼は数多く、トオルの出した条件が拡散するにつれ、それも増えている。

 それらを引き受ける事で得られる宣伝効果と評判という儲け。

 これらを確保したいところだった。

 ただ、妖ネズミを相手にするとなると、どうしても稼ぎは少なくなる。

 レベルが低い者達ならともかく、一定以上のレベルの者達を送り込むのは難しい。

 今は金銭としての報酬を全くとらないでいるが、いずれ少額でも支払いを求めねばならくなるかもしれなかった。



 もちろんの事ながら、これまで冒険者に求められてきた仕事も受諾可能となる。

 基本的にはモンスター退治を今後も継続していくが、それだけにこだわる必要がない。

 レベルが上がり、人数にも余裕が出て来たならば、通常の業務を請け負っても良い。

 いわゆる、行商人の護衛や、出没したモンスターの討伐などである。

 レベルが低いと引き受ける事も困難なこういった仕事も、いずれは引き受ける事が出来るようになるだろう。

 これらを引き受ける事で、金銭報酬などもさる事ながら、モンスターの分布を把握する事も出来る。

 個別であちこち回っていては分からないものも、数多くの組があちこちに向かう事で統計データとしていく事も考えられる。

 どこに何が出るのかが分かれば、今後の方針も立てやすくなる。

 素材として得られるものも見えてくるだろう。



 危険な地域や現状が不明になってる場所もある。

 そういった所への調査も思いついていく。

 モンスター出現前までは人のいた場所も、今では危険地帯になってる事もある。

 そういった所がどうなってるのか。

 調べる事で見えてくるものもあるはずだった。

 よほど余裕が出てこない限りそこまで踏み切るのは難しい。

 それでも情報を何かしら得ておく利点を考えると、いずれやってみようという気にもなっていく。

 これを求める者達に提供する事も考えられる。

 現在は何の被害がなくても、周囲にモンスターが潜んでいるかもしれない。

 それらを事前に見つけ、何かが起こる前に退治する。

 そうする事で被害の復旧にかかる費用を無くす事も出来るだろう。

 何も無いという事もありえるだろうが、それならそれで、現状問題は無いという安心感を確認出来る。

 それはそれで貴重な情報になるかもしれない。

 根拠のない不安を取り除く事が出来る。



 そういったサービスを提供するための値段表も用意した方がよいかもしれない。

 今の所それは、慣例慣習的に出来あがった相場によって決まる。

 それが悪いわけではないが、あまり明確でないために慣れてない者には辛い。

 レベルと人数と期間の組み合わせの例をある程度用意しておいた方が、発注する方も分かりやすい。

 また、レベル幾つならどれくらいのモンスターに対応可能なのかも明示しておかねばならないだろう。

 弱いモンスターに強い者をあてれば無駄が大きくなる。

 強いモンスターに低レベルの者をあてたら悲惨な事にもなる。

 必要以上の日程を用意しても無駄が多いし、かといってギリギリの短い期間では事をなすことも出来ない。

 それらの目安をある程度こちらで提示しておく事も必要だった。

 そこから値切ろうとする者も出て来るだろうが、それなら依頼を断れば良い。

 値段表を出すのは、

「これ以上はとらないけど、これ以下では引き受けない」

という意思表示にもなる。

 他に客が流れるかもしれないが、変に値切るような客を排除する時に便利になるかもしれなかった。



 離れて行動する事になったサトシやレン達にも基準を提供する事にもなる。

 遠く離れるといったら大げさだが、離れていても参考になるものがあれば全体として同じ方向を見る事も出来る。

 これらを有効活用出来なければ意味がないが、まずは活用する物が無くては動きようがない。

 また、配布するだけではなく、どうやって用いるのかも伝えていかねばならない。

 もちろんトオルとてやり方の全てを熟知してるわけではない。

 最初はあれこれと試行錯誤になるだろう。

 その結果を互いに共有していかねばならない。



 ざっと考えるだけでもこれだけ出てきた。

 何から手をつけて良いのか分からないが、何かしら着手していかねばならない。

 まずは簡単に片付く所からと思いながら、何が簡単なのかを考えていく。

(面倒だな、本当に)

 組織の成長というのがとんでもなく苦労するものであるとよく分かる。

 軍師や参謀部というのはこういう時に必要なのだろうと実感した。


 続きを19:00に投稿予定

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