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【完結】転生したけどやっぱり底辺ぽいので冒険者をやるしかなかった  作者: よぎそーと
その8 目指すべき次は、やっぱりいつも通りな感じのようだった

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レベル163-1 別の道を考え提案してみます

「どうにか無事に着工できそうだ」

 六月、通知通りに入金があったのを確かめての言葉である。

「既に手配してるから、予定通りに完成するはずだ」

「助かります」

 これで新しい小屋を造る事が出来る。

 収容人数を増やし、人員を更に増大させる事が可能だ。

「それで、人の方はどうなってる。

 入れ物があってもそっちが集まらないんじゃ意味がないぞ」

「それが、意外なほど増えてて。

 町の方じゃ希望者が結構来てくれてます。

 前の報告書じゃ三十人くらいに増えてるそうで」

「ほう」

「ここまで増えるのは予想外でした。

 サトシが村から連れてきてるのが大半みたいです」

 穀潰しと言ったら言葉が悪いが、どうしても余ってしまう人手がある。

 それらを吸収出来てるのが大きい。

「この先もこの調子で行けるかはわかりませんが、もう少しくらいは人が集まるとは思います」

「なら心配する必要はないのかな」

「たぶん。

 先の事は分からないですけどね」

 未来については断言できなかった。

 まだまだ各地の村には、余ってる労働力があるだろう。

 しかし、それらが本当に来てくれるかは分からない。

 手軽に出来るようにはなってるが、危険を考えれば躊躇するのは当然である。

 今までは順調であったが、今後の増加は控えめになるかもしれない。

 あと少しは増えるとは思えるが。

「上手くいけばいいんですが」

 こればかりはトオルにもどうしようもない。



 年齢が上の者達の対処も考えねばならなかった。

 ここには兵役などの経験者も含まれる。

 単純に人手を増やすだけなら、こういった希望者を受け入れれば良い。

 特に兵役経験者は戦闘技術を身につけてるので、即戦力としてはありがたい。

 しかし、それだけに先輩風をふかす者も出て来るだろう。

 統制がとれなくなる懸念がある。

 だが、見捨てるのもしのびない。

 何かしら対処の仕方を与えられればと思ってしまう。



(自分達でやってもらうか)

 自分の一団に入れるのは躊躇われるが、彼らが活動をするのを邪魔するつもりはない。

 やる気があるならどんどんやってもらいたいと思ってはいる。

 それなりの人数がいるなら、トオル達に加わる事もなく独自に行動する事も出来る。

 やり方についてはレン達が講習をするという形で良いだろう。

 兵役経験者がいるなら、一週間もかからないはずだ。

(ま、三日くらいやり方を見せればいいか。

 実際にいくらかやってもらいながら)

 その方向でレンと周旋屋に手紙を出す。

 競争相手が出来てしまうが、それは仕方がないとは思っている。

 いずれ同じ事をする者達は出て来るだろう。

 早いか遅いかの違いでしかない。

 それなら、上手い具合にまとまってくれた方が幾らかマシである。



 仕事にあぶれた者達の末路は悲惨なものである。

 その事は前世で身に染みている。

 同じような者を増やしたくなかった。

 また、それだけではない問題もこの世界にはある。

 武装が簡単にできてしまう世界だ。

 戦闘技術ももってるとなると、転落して追い剥ぎの類に転落する者もいる。

 この世界にはそういった者達も多い。

 たいていは野外で活動する事になるので、モンスターの脅威にさらされ長生きは出来ないが。

 それらを無くす為にも、職や食い扶持にあぶれてるような者達に道を示しておきたかった。

 かわいそうだと言う哀れみだけではない。

 放置していたら危険な事になると言う社会的な問題もそこには潜んでいる。

 それらが巡り巡って自分達に降りかかるかもしれない。

 そうなる前の対処となればという思いもある。

 どう転ぶか分からない事ではある。

 そうやってやり方を教える事のほうが、更に深刻な問題を生み出してしまうかもしれない。

 それでも、やってみようとは思った。



(上手くいけばいいけど)

 手紙を書きながらため息を漏らす。

 余計な苦労を背負い込んでると思いながら。

 自分の一団でもない者達のために何をやってんだろうと。

 余計な事にまで手を回してる余裕は無いのに。

 それでも、さほど労力も割かずに実行出来る事ではある。

 多少の気遣い程度の事で済むなら、それくらいはしても良いと思う事にする。

 こちらからの報告と通知も兼ねた手紙の最後に、事の結果を報告してくれるよう記しながら。


 続きを19:00に投稿予定

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