レベル159-2 新しい体制が始まります
希望者だった十二人を連れて村へと向かっていく。
既に仕事でいないサトシと、町に残ってるレンの事は心配だが、ここでその思いを断ち切る。
どうにもならない事を案じても仕方ないがない。
それよりも、今は十二人をちゃんと連れて行く事に専念する。
一週間ほどかかる旅なので、それなりに大変ではある。
ただ、参加を希望していた者達全員が今後もやっていくと決めた事はありがたくもあった。
実際にやってみて辞退する者が出て来ると思っていただけに。
まだ実力は全然足りないが、今後も頑張ってくれるなら助かる。
戦闘より解体作業に入る者が多いのは少し残念ではあるが。
倒したモンスターの回収などもあるので、これはこれで丁度良いかもしれないが。
(まあ、どうにかやってくか)
今は、新しく入ってきた者達とどうやっていくかを考えるしかない。
目安として三ヶ月ほどで更に新しい者達を入れたいと思っていた。
宿舎の方にも、まだ若干の余裕がある。
そこを早く埋めておきたかった。
そう簡単に人が集まるわけもないが、三ヶ月もあればどうにかなるはず。
サトシがあちこちの村を巡る事によって宣伝効果もあるかもしれない。
サトシの出身村の事もあるので、全く可能性がないわけではない。
それでも影響が形になるまで時間はかかる。
まずは一年は様子をみないといけないだろうと考えてもいた。
(もうちょっと急げればいいんだけど)
先々の事を考えると焦れったくなる。
一年も頑張れば、妖犬相手がつとまるほどにレベルは上がる。
しかし、一年は我慢せねばならない。
その上のモンスターを目指すには、二年か三年かかる。
レベルだけではない。
人数も必要になる。
(いけるかな、三年で)
どうしても懸念はあった。
レベルだけなら三年もあればどうにかなる。
しかし、必要となるのはレベルだけではない。
人数も揃ってないとどうしようもない。
モンスター退治は、一人の強力な人間がいるだけではどうしようもない。
数多くのモンスターを倒すには、数多くの人間が必要になる。
モンスターを倒すにも、解体作業をしていくにも。
高レベルの者達を揃えるとなると、その手間は大きくなる。
(五十人は欲しいけど)
計算してみると、それくらいの人数が必要になるのが分かった。
実際にはもっと大勢が必要になるかもしれない。
(レベル7が五十人か)
手元にいる一団の人間を全部合わせればそれくらいにはなる。
レベル7に到達してる者達も多い。
しかし、それらが一カ所に集まってるわけではない。
村や町に送り出したおかげで、今はかなり手薄になっている。
より多くの顧客と新人を獲得するためではあるし、これをしなければ今以上の人数を確保するのも難しい。
それは分かっているが、遠回りしてるという思いはぬぐえない。
各地の村を回って人を集め、町で受け入れる。
すぐには人を受け入れられないトモノリの領地の事情を緩和するための方策である。
これのおかげで、予定より早く人を確保出来そうになっている。
もしトモノリの村で受け入れ体制がととのうのを待っていたら、あと何年か追加で足踏みをしている羽目になっていた。
それを思えば…………となるのだが。
三年はやはり長い。
それも、全てが上手くいけばという話なのだから。
(ま、しょうがないか)
今は目の前の問題をどうにかいしないといけない。
新人十二人。
これを育てあげていかねばならない。
トモノリの領地の方も、大量に人が抜けている。
穴埋めは早急に必要だった。
(タカユキとシンザブロウに任せておけばどうにかなるか。
兵士見習いもいるけど、そっちはアツシのほうに回してるのを一人か二人引き抜けばどうにか……)
頭の中では今後の人の割り振りを考えていた。
続きを明日の7:00に投稿予定




