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「ありえない」

作者: 空乃 千尋

 「ありえない」


 思い通りにならない出来事に

 ふいにぼやいた

 在り得なくなんてなかった

 だって、もう起きてしまったのだから


 どうしてこんなに自由にならない?

 見つめているのは私の瞳

 ああ、視界は一切遮られていないのに

 眼に映る空はほんの一部で……


 今や物質は細かく刻まれ

 そこに在るとすら言えないらしい

 不思議な話だ

 肌を伝う雨には確かさがあるのに


 この感覚は幻想だろうか?

 あの暗い灰色から覗く白さも

 その上に広がる鮮やかな青さも

 無いと言うにはあまりに眼に焼き付いて


 文脈を間違え

 すっかり整理のつかなくなった言葉

 それは予報を裏切った嵐の様に

 描かれたラインを大きく外れる


 ほんの一瞬広がる晴れ間

 私が先か世界が先か

 悩んでいる暇が今はない

 そう、今日は傘を忘れたんだ


 駈け出す身体が熱を帯びる

 訳なんてまだわからないまま

 今、この瞬間も私は生きている

 ああ、なんて……


 「在り難い」

ここまでお読み下さった方々、ありえ……、いえ、ありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 空乃さん、こんばんはo(^-^)o 生きていると、あり得ないことがいっぱい起きて、それでも起きてしまったことは現実なんですよね。 最近、雨がよく降りますね。私はすぐに傘を忘れてしまうから、…
2015/09/07 19:04 退会済み
管理
[良い点] 雨が降ってる時に傘がないと「忘れてしまった…(>_<)」みたいな気持ちになりますよね。 家にコンビニで買ったビニール傘がたくさんあります(^-^; 傘がたくさんあるのは在り難いんですけどね…
[良い点] 言葉遊びの中、突然の雨模様からの晴れ間、最後の「在り難い」、色々と考えられる事がありますね。 傘の無いときの雨の絶望感たるや否や、もう晴れ間が本当に「在り難い」ものだと思います。 ご投稿…
2015/09/05 20:21 退会済み
管理
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