魅惑の「削る」作業
とりあえず、モチーフは見つけましたか? では書いてみましょう。
さらさらり。おや、書いてみたら200文字を随分超えてしまったぞ?
そう。ここからが200文字小説の醍醐味・文字数のそぎ落とし作業です。
普段、小説を書いていらっしゃる皆さんは推敲はしても文字数を削る作業はしていないのではないでしょうか。もししているというのなら、その方は同人誌などで活躍中か、ある種のライターをなさっておられるか、あるいは公募に向けて挑戦中、はたまた現役の商業小説家のいずれかです。
とにかく、そぎ落とし作業です。
しかしこれ、やってみると分かるのですが、普段自分がどれだけ贅肉の多い文章を書いているかを突き付けられます。あまりに修辞がねちっこい、前置詞がアホのように多い、特定の前置詞に頼り過ぎている、などなど。そういった余計なものを削っていく作業は、案外自分の文章を振り返る機会になったりします。
ここで注意を一つさせてください。実はこの「余計なものを削る」作業、あまりにやりすぎるとすっかすかの文章になってしまいます!
脂身が多すぎる骨付き肉も胃もたれしそうで食べる気がしませんが、骨しかない骨付き肉はそもそも食べるところがありません。程よく脂身と肉がついた骨付き肉が一番おいしい。それは小説も一緒です。
というわけで、「余計なものは省きつつ、おいしいところは残そう」と心がけましょう。