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なろラジのお部屋

コスモスを花束に【黒木あん10歳】

作者: スタジオ めぐみ

私は、黒木あん10歳。小4だ。


今日はおばあちゃんの誕生日。

放課後ママに頼まれたおつかいで、お花屋さんに来た。

「あの、コスモスの花束を取りに来ました。」とお花屋さんに言うと、

「おばあちゃんは元気?お母さんのおつかい偉いね。」と声をかけてくれた。

我が家では、おばあちゃんの誕生日には、お寿司とコスモスの花束と決まっていて、ここに来るのが毎年の行事になっている。

お店の人には、コスモス好きな人だと覚えられてるだろうな。

「おばあちゃんは元気です、今日誕生日で…毎年同じコスモスだけど、おばあちゃんは毎年飽きないのかな。コスモスって…」と、ふと疑問を言ってしまった。

私はあまり考えず、思ったことをすぐ声にしてしまう。

それでいつも友達と喧嘩してしまう。

思ったことでも、人が嫌だなと思うことは言っちゃダメと先生に言われたばかりなのに。

「コスモスは綺麗よ。花びらの色が特に綺麗で素敵だと思うけど、若いからまだわからないかもね。」

毎年、コスモスの花束で嬉しいのか?本当にわからなかった。

大人になれば、わかるのだろうか。

お花屋さんからコスモスの花束を受け取り、家に帰宅。


今日もパパは帰りが遅いだろう。

お寿司は、おばあちゃんとママと弟と私の分だけが用意されていた。

誕生日会という名の晩ごはん。

「おばあちゃん、おめでとう!」

みんなでお寿司を食べる。


お寿司、美味しい〜

「おばあちゃんの誕生日、いつもお寿司とコスモスの花束なのなんでなの?」と私は聞いてみた。

「おばあちゃん欲しいものないの。だから、みんなが好きな寿司をみんなで食べられたらそれだけでいいかな。」とおばあちゃんは言った。

私は信じられなかった。

私はいつだって欲しいものがいっぱいある。

「コスモスはおじいちゃんとの思い出のお花だから。」とおばあちゃんは言った。

「へー、そうなんだ。」それ以上は聞かなかった。




その夜、おばあちゃんは思い出を巡る。


昔、おじいちゃんとおばあちゃんが若かった頃。

お金がなかったおじいちゃんは、庭にいっぱい咲いてるコスモスを全部刈り取って花束みたいにして、おばあちゃんの誕生日にプレゼントした。

おじいちゃんの作ったコスモスの花束は両手いっぱいで不恰好で少し土の匂いがした。ふふふ。思い出し笑いした。


お花屋さんのコスモスは、綺麗すぎるとおばあちゃんは思った。

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