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6 花嫁衣装

 「大変ですッ! 奥様が」



 先触れに行かせた侍従が顔を真っ青にして走って戻ってきたのだ。


 其れを怒る執事だったが・・・



 「奥様が死んでおられますッ!」



 侍従の叫び声に己の耳を疑ったが、慌てて執事と侍従と共に妻の部屋へと向かった。



 そこには。



 天蓋付きのベッドの上に、結婚式の時のウェディングドレスを纏い、ご丁寧にベールまで被りまるで眠るように倒れている金髪の女性の姿。




 「早く医者を呼べッ!」



 慌てて侍従が走って行く。


 執事が慌ててウェディングドレス姿の妻の脈を確かめ、首を横に振った。



 「なんてことだ・・・」



 力が抜けその場で絨毯に膝をつく公爵。


 駆けつけた医者が、息を確かめたり脈を測ったりしたが、既にこと切れていると云い首を横に振った。


 青白い顔。


 細い身体に真っ白いウェディングドレスがまるで死に装束に見えて不気味だった・・・







 国王騎士達が知らせを受けてやって来て、死んだ妻を担架に載せて運んでいく。


 死因を調べる為に王宮侍医が解剖するのだという。



 なぜ死んだ妻が花嫁衣装だったのかが彼には分からない――







 「たった1ヶ月だったとしても、婚約期間に顔くらいは見ておくべきだったわね」


 「まあね」


 「それで、私の友人のマリアは?」


 「もう居ないよ。死んじゃったからね」


 

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