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【完結】保健委員だった僕、勇者パーティに火口に投げ込まれたのだからさすがに切れてもいいですかね?  作者: 安ころもっち
異世界の学園

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/// 11.素晴らしき学園生活

今日も新たな一日が始まる。

昨日は週明け、月の日だった昨日は午前は魔法学x2、昼食のあの友情イベント第一章をこなし、午後からは聖魔法学だった。結局、期待していた放課後友情イベントの追加無く帰路についた。


ふと昨日のメテルの授業を振り返る。

前回の授業ではメテルの怖い女教師プレーによって、周りからの視線が痛かったこともあったが、その後のお泊りの間にメテルを目一杯に持て成してなんとか授業のあの冷たい態度は止めてもらったから安心していたんだ。


その安心しきっていた僕に、前回と真逆にメテルからは事あるごとに甘い誘惑を施された、という極端な展開に泣いたのだ。


「タク(タケル)くん?この問題わかる?大丈夫よ。普通は分からないんだから。ゆっくり覚えていこうねー。後でゆっくり教えてあげるからー」

などと幼い見た目に反した悩殺ボイスで囁かれるのだから……周りからの白い目に拍車がかかったのは言うまでもない。


あっ……そうか!あれがあったからアデルくん達の友情ポイントが下がって放課後イベントが無くなってしまったのかも!

今更ながらその事にたどり着いた僕はにんまりとした。



すでに手は打(・・・・・・)ってあるのだ(・・・・・・)


昨晩もお泊りしたメテルにあんな授業は止めて普通に進めてほしいことをお願いした。懇切丁寧に土下座して頼み込んだ。最後には「もータケルはホントしょうがないんだから!」と言ってナデナデしてくれたので大丈夫だ。

来週の授業が楽しみであり、アデルくんたちと放課後の寄り道イベントにも一歩近づいた気がした。


そして本日は、火の日は魔法学x2、錬金術だ。ということで午後は佳苗の授業となる。まあそこは何事もないだろう。ないよね?


水の日は運動日、体術、剣術、隠密の日である。ということでまた康代と悠衣子、そして真理の授業となる。まあ……なんとかなるだろう……三人も先週のサフィさんの制裁で懲りただろうし。

そして木の日は魔法学x2、ダンジョン学だ。ここは普通に授業だけだから問題ないだろう。


土の日は午前中にダンジョン学x2だけなので先週はダンジョン攻略の野外授業となった。本当はこの日は前日のダンジョン学の授業で軽く説明したことを確認、実体験するための時間だったのだ。

すでに攻略してしまった僕らは今後どうするのだろう。


続いて光の日と精の日は学園はお休みとなる。

先週の休日は意外と慌ただしかったな……今週は少しゆっくりしたい。まだ火の日の朝なのにもう休みのことを考えているのはあっちの世界とかわらないなと思った。


なんだか……嬉しいな。


僕は今、佳苗たちと同じ学園生活を過ごしている。

まあ佳苗たちは講師としてだが……

あっちの世界では叶わなかった生活だ。ずっと寂しく過ごしてきた高校生活がこっちの世界ではバラ色な生活と言ってもいいだろ。ちょっとセンチになってしまう。


いや!まだまだこれからだ!

これから、望んでもいなかった男の友情も育めるのだ!僕は拳をぐっと高く上げ、まだ見ぬ青春の日々を思い描いていた。


「タケルくん、起きたの?」

僕がそんな思いを巡らせていると、隣で寝ていた佳苗が起きてきた。これこれ、そろそろ服を着ておきなよ。風邪ひくよ?とすっかり賢者の様になった僕は投げ捨ててあった下着を佳苗に差し出した。


すると佳苗が微笑んで、同じく床に投げ捨ててあった僕のトランクスを拾い差し出してくれた。僕は微笑みながら受け取るとそれを大人しく身につけた。そうしないと朝の運動が始まってしまうからね。


その後、反対の隣に寝ていた真理にも下着を渡してやると、それを投げ捨てくっついてきたが、今日はもう時間がないからと諦めてもらった。危ないところだった。遅刻はいけないことだからね!


◆◇◆◇◆


こうして始まった火の日だったが……本当に何事もなかった。

アデルくんたちに話しかけるも「うるさい!あっちいけ!」と取り付く島もなかった。これは、何か切っ掛けになるイベントが発生しないと進まないルートなのか?と頭を悩ませるが今は考えても仕方ないと諦めた。時間が解決するだろう。


そして本当に何事もなく時は流れてゆく。


その日の佳苗は熱心に授業していた。そしてルーナとラブラブな個人授業をしているように見えた。少し妬いちゃう。そしてルーナはやっぱりそっちなのだと確信へと変わる。

まあそれならそれで、新たに嫁が増えたと佳苗たちに怒られることもないし?いいんだよ?


水の日には無難にサラ(サフィ)さんと組んで技の確認などがあった。カルラ(加奈)は講師の三人と模擬戦をしていた。なので特に問題はなかった。手加減にムラがあるサラ(サフィ)さんが途中木剣を折ったというか爆散したということ以外は問題はなかった。


木の日では本当に何も起きなかった。

魔法学はノートを写す作業に没頭し、午後のダンジョン学では各階層の特徴や注意点などのおさらいが続いた。

強いて言えば昼食時間に調子にのったカルラ(加奈)の挑発で、真っ赤になったフランソワが僕の膝に横に乗ってアーんとしていた時のクラスメートの冷たい視線が、僕の【精神耐性】を看破してダメージを喰らったぐらいであろう。


そしてあっという間に土の日。

今日も野外実習として5人でダンジョンの中へ入ってゆく。


結局、今年度の課題はクリア済みなので先に進むもよし、さぼるも良しという状況らしい。そして相談して決めた結果、行けるとこまで行きたいというルーナたちの願いに沿ってダンジョンでレベル上げをすることとなった。


「すぐに20階層は無理だからゆっくりレベル上げてこうね!」

ルーナの言葉でこの日の実習はスタートした。

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