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【完結】保健委員だった僕、勇者パーティに火口に投げ込まれたのだからさすがに切れてもいいですかね?  作者: 安ころもっち
異世界の学園

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/// 03.久しぶりの座学

5人で教室に戻り、席へ座る。


久しぶりの教室での授業。まああっちとは違い国語数学理科社会じゃないけどね。最初の授業は魔法学という授業らしい。教師が黒板にすらすらと文字と図形を書き出した。


小中学校にあたる魔法学園では基礎となることのおさらいらしい。当然僕は初見であるが……カルラ(加奈)は少しだけ調べて知っていいる程度、サラ(サフィ)さんは頭に?を浮かべてそうな顔をしている。

どうやらサラ(サフィ)さんには授業は役に立たなそうだ。あれだけ魔法を使えるのは魔道の極みのスキルのおかげ?それとも竜は根本的に違うのかな?


そんなことを思いながらも、必死でその図形と意味を覚える。


まずはその図形を頭に描き体内の魔力を流し込む。そして発現させるためのイメージを高め、そしてよりイメージを具体化するための呪文を唱え……ちょっと挫折しそうになる。

とは言えここでは実際にぶっ放したら怒られるよね。万が一にも発動してしまうと困るので呪文は口には出さない。


ちゃんと実技の授業もあるから、その時に備えてノートに書き記しながら覚えていくのだ。


2時間目も同じ授業、さらに強い中級魔法をいよいよ始めるとのこと。みんなは暗記しているであろう初級魔法すら覚えていないのに……これが学歴社会!


くっ!と声を漏らしながら屈辱に耐える。……という脳内コントを繰り広げている間に授業は終わってしまった。もちろん全て書き写し終えている。僕はこう見えても真面目だからね!


これで午前中の授業は終わった。お昼である。

各々が一人食堂に走るもの、ワイワイと食堂に向かうもの、友達同士で集まってお弁当を広げるものなどがいた。


「よし。じゃあ僕たちも食べようか」

サラ(サフィ)さんとカルラ(加奈)にそう伝えると、メイド役のカルラ(加奈)が魔法の袋から重箱のような形の1メートル各程の大きなお弁当が出てくる。多いと思うだろう?

中にはぎっしりとお肉中心のおかずが詰まっている。僕は次元収納から一回り小さい程度の重箱を……中はもちろんご飯である。大部分はサラ(サフィ)さんが食べるからね……


開いている前の席のテーブルを引っ張りその重箱を並べていく。

僕の方は上のふたを外すと普通サイズの重箱が二つ。僕とカルラ(加奈)用だ。下の二段はサラ(サフィ)さん用として並べて置く。


「よし!じゃあいただきま……」

「タク(タケル)くんたちすごいね!やばくない?」

フランソワから声がかけられる。まあそうだよね。目立つことこの上ない。僕もそう思いながらどうにでもなれと思って並べてたからね。


「本当にこんなに食べるんですか?」

そちらに視線を向けると、驚きながらも楽しそうなフランソワと、信じられないと目を見開いているルーナが立っていた。手には普通サイズのお弁当を持っている。


「おう!このぐらいで丁度いいな!本当はもうちょっとあるぐらいがいいけどな。午後もなんかやるんだろ?眠くなっちゃうからこのぐらいだとカナあーカルラ(加奈)がな!」

「カナアカルラ?」

最後のサラ(サフィ)さんの言い間違えに反応するルーナ。


「な、なんのことだ?俺はカルラって言ったぞ?それよりお前たちも食いにきたんだろ?まあ座れよ!」

誤魔化しながらも男前なお誘いをするサラ(サフィ)さん。


「えっ良いんですか?」

「もちろんいいよ」

二人をさりげなく僕の隣へ誘導すると、遠慮なく隣に座るフランソワ。肌があたって心地よいドキドキ感が……これ、サラ(サフィ)さんや。ニヤニヤしないでご飯食べちゃいなさい。


そんなことを思いつつさらにそのフランソワの隣に座ったルーナを確認すると、お弁当へ目線を戻しゆっくりと食べ始めた。おかずの重箱が大きいから食べたいおかずまで遠いこともあるのが難点だ。


そして話題は普段の生活の話になったが、ふたりが僕との夜の生活を赤裸々に話始めようとしたから「うぉーい」と大声でごまかした。ルーナは僕の声にびっくりして、フランソワはなんか笑っていた。


「そ、それより二人は、というか魔法学園の時とかダンジョンとかには行ったりしてたの?」

話題を変えてごまかしてみる。


「あ、そうねー。魔法学園ではダンジョンの基礎知識的なのはあるけど実際には行くことは無いわ」

「まー私たちは二人で遊びにはいったけどね」


そんな感じで無事話題転換には成功したようで、話は弾んでいく。


初ダンジョンでゴブリンが怖くて逃げだしたこととか、10階層のボスゴブリンには二人だと勝てなくて進んでいない事だったり、それでも10階層に行っては素材を換金してお小遣いにしているとか……

魔道学園では実際に引率付きだが三年で30階踏破を目指すらしいけど滅多にたどり着けないらしい。20階のボスであるオークが倒せないとか……


そう言えば中央ダンジョンの40階層以下にいた岩竜を狩って、冒険者ギルドで大騒ぎになったことあったなと1年程度前のことを思い出す。そしてどの程度に抑えておけば良いのか悩んでしまう。


「そうなんだな!俺たちはひゃんんん!」

「サフ、サラ(サフィ)さん!何を言おうとしたのかな?僕たちは10階層を他の冒険者さんに助けてもらいながら突破した!ってことかな?」

「んん!んんん!」

僕は押さえていたサラ(サフィ)さんの口を離す。というか危うく僕まで名前を間違えるところだった。「ひゃ」ってなんだよ!この流れで僕たちの最高到達階層言おうとしたよね絶対。


「そうですね。タク(タケル)様は10階層を突破しましたね。他に強い冒険者が多数いましたので……」

「ま、まあな!他の強い冒険者がいたからな!」

カルラ(加奈)の冷静な説明と、サラ(サフィ)さんのたどたどしい相槌で、首を傾げながらではあるが納得したような二人……いや納得させれてないよねきっと。

20階層とか言っとけば良かったかな?咄嗟だったからね。二人がすでに僕たちを強者だって思ってるからね。10階層はさすがに低すぎたか……


「ま、まあ?かなり昔だからね、今はもっと行けるかな?三人ならそれなりに?」

なんだか自分がこんなに大根だったとは思わなかった。動揺しすぎていたようだ。それでもなんだか誤魔化せたようなので、丁度お昼も終わるのでそこで話はお開きとなった。ふう。助かったぜ!


そして午後はそのダンジョンの説明、最初はおさらいらしい授業に臨むのであった。


それがまさかあんなことが起こるなんて……

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