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異世界終末旅行 ~救世主として召喚されたわけだが、一足遅く異世界は滅んでおりました~  作者: 夜狩仁志
第3章 いこうよエルフの杜

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第37話 エルフ街の悪夢

「カズヤ様、起きてください」


 う……う……ん……


 激しく体を揺らされ、俺は重い体を起こし目を覚ます。


「なんだよ?」


 あー まだ眠い。

 体が重いし、目蓋も重い。

 長旅の疲れが出たのかもしれない。


 ここは外部から隔離された、安全なエルフの杜。旅の道中での野宿とは違う。

 別に急ぐこともないんだし、せっかくなら、ゆっくり寝かせてもらいたい。


 俺はエリスの部屋の下の部屋を使わせてもらって、夜を明かしたのだった。


「早く起きてください。もう朝ですよ」

「特にやることないんだから、朝も昼も関係ないじゃないかよ。もう少し寝かせてくれよ」


「森の精霊や妖精達が、是非ともカズヤ様に挨拶をしたいと」

「あー そうなの?」


 たしかに到着してからすぐに食事して寝てしまったから、挨拶もなにもしなかったからな。失礼といえば失礼だよな。


「しょうがないなー じゃあ行くか」


 そんなわけで、俺は村の外れの、森の中にある小さな池の前まで連れてこられる。


 とても綺麗な水が広がっている池の前には、池を見下ろすかのように、美しい女性をした石像がたたずんでいた。


「で、なんでこんなところまで連れてきたん?」

「ここは私達にとって神聖な場です。ここで、救済主カズヤ様に精霊達がご挨拶したいと」

「まあ、そーゆーことなら」


 俺に挨拶しにくるなんて、なんか偉くなったみたいで悪い気はしない。


「ちなみにこの石像は、妖精の女王をかたどったものです」

「これ、妖精の女王様だったんだね」


「これは、その女王様からの贈り物です。お受け取り下さい」

「え? これ……って、金色の王冠?」


「しゃがんで下さい」

「こんなのもらっていいの?」


 スゲー高そうなんだけど?

 純金かな?

 周りに色とりどりの宝石がちりばめられてある。

 いいの? 俺なんかがもらっちゃって?


 エリスがうやうやしく、俺の頭へと載せてくれる。

 ズッシリとした重さが、頭を襲う。


「よくお似合いです」

「そう?」


 悪い気はしない。

 むしろ女性からプレゼントをもらうなんて、人生初かもしれない。


 ためしに池に反射した自分の姿を確認するも……

 ん~ あんまりしっくりこないなー


「さあ、カズヤ様。今度は四大精霊の代表がカズヤ様にご挨拶いたします」


「四大精霊? 俺はなに? どうすればいいの?」

「そこに立っているだけで大丈夫です」


「あーそーなの」

「先ずは水の精霊です」


 エリスに促され立たせられると、目の前の空中に大きな球体の水の塊が出現する。そして、あっという間に可愛らしい女性の姿に変化する!?


 うぉ! かわいい!


「さあ、カズヤ様。熱い抱擁を」

「えっ!? 挨拶って? 抱きしめろ……と!?」


 水の精霊は軽く頭を下げお辞儀をする。


 なんか緊張するな……

 女の子に抱きついたことなんて、一度もない。

 まあ、これは挨拶なんで別にやましいことなどないからな……


 俺はウキウキで抱きつこうとする。

 ……が、しょせん実体は水、スルッとすり抜けてしまう。

 しかも、体はしっとり濡れる……


「なにをやってるのですか?」

「これ、無理じゃね? 水の精霊って、要するに水なんでしょ? 触れないって」


「では、次は風の精霊です」

「え? 次いっちゃうの?」


 突然風が吹き込んだかと思えば、目の前で風が集まり、またもや美しい女性の姿が!

 しかし下半身は竜巻のように渦巻いて、よく見えない。


「さあ、抱擁を……」

「えっ? ちょっと……」


 彼女の回りは凄い勢いで風が渦巻いてるんだが?

 風の精霊魔法は、前に俺が髪を切るときに嫌な思いしたから、とょっと近寄りたくないんだけど……


「さあ、カズヤ様」

「ちょっとまっ……」


 エリスが俺の背中を押してきて……

 風の精霊に、俺の身体が触れる!


 ギヤー!!

 刃のような風が!

 俺の身体を切り刻む!!


 うっ……全身が痛い……

 痛さのあまり、膝をついてしまう。


「今度は土の精霊です」

「あ? まだつづけるの?」


 休む暇もなく今度は、俺の足下の地面がズブズブっと盛り上がり……

 俺の背丈ほどの、土でできた雪だるまのようなものが出現する。


「えっ? これ、土の精霊? ただの泥人形じゃん?」

「さぁ、早く抱擁と口づけを」


「ちょ! ハグだけでなく、なんでキスまで!? こいつ、ドロドロじゃんか! 口づけって、できねーよ! きたねーよ!」

「なんと失礼な。土の精霊ですよ」


「だってこれは!

 ただの泥人形だろ!

 可愛くねーし、汚ねーし!」


 と喋ってる隙に泥人形が俺に近寄り、ドロドロの両腕でガッチリと抱き締められる!


 がはっ!

 なんてパワーだ!

 振りほどけない!

 そしてベタベタで気持ち悪い!!


 そんな身動きとれない俺の口に迫る泥唇……


 ちょわーヤメヤメー!!


 んんんん!!!


 完全に触感が泥!!

 口ん中がジャリジャリする!


 う、うぇっ、吐きそう、気持ち悪……


「最後に火の精霊です」

「……え? まだ……?」


 この流れは……きびしくないか?


 目の前には人の大きさほどの火柱が!?

 もう美女とか人間というか、人の形をしてない。

 ただの大きな炎。


「さあ、カズヤ様……」

「これは無理!! 焼け死ぬ!!」


「大丈夫です。死にそうになったら魔法で回復しますので」

「そんな問題じゃねえ!!」


 火はまずいって!

 さすがに火は!


「あ、あの……ハグやキスは無理なんで……

 会釈で……いや、土下座で勘弁してください」

「仕方ありませんね」


 こうして俺は、真っ赤に燃え上がる火柱の前で全力の土下座をするのだった……


「さあ、挨拶も済みましたことですし、そろそろ始めますか」

「もう終わりじゃないの? これ以上、なにを始めると……?」


 俺は早く帰りたいんだけど?

 身も心もボロボロだ。

 一刻も早く、この無意味な儀式から抜け出したい。


 そんな、既に疲れはてた俺の前で今度はエリスが……?


 立ちふさがり?


 いきなり自分の着ている服に?


 手をかけると……?


 な!? 脱ぎ始めたぁー!?


「お前! なにやってんだよ!!」


 エリスの白く美しい上半身があらわになる!


「待て!待て!!まて!! なにやってんだよ、おい!」


 エリスのふっくらした胸が!


 そして下半身を覆っている物も全て脱ぎ去り、全裸になるエリス!!


 恥ずかしー!!

 見てるこっちが恥ずかしくて目を覆ってしまう!!


 裸の女性なんて見たこと無いし!

 こんなに綺麗でエッチな……


 じゃなくてだな!


「なにやってんだよ! エリス!」

「なにって、これからカズヤ様と子作りをするのです」


 ……


 …………


 ………………は?


 は??



 はあ?



「なに言ってんの!!


 バカじゃないの!?


 はああ?


 は、早く服着ろって!」


「さあ……」

「うわー 近寄るなって」


 急いでこの場から逃げようとするも……


 痛っ!!

 いたたた!


 あ、頭が締め付けられるように、急に痛みが!!


「ふふふ、騙されましたね、カズヤ様。観念して下さい」

「え? エ、エリス?」


 振り替えるとそこには不敵に笑うエリスと、精霊たちが……


「その王冠は私の呪文一つで締め付けられるようになってます。私に従わないなら、更に締め上げますよ」


「な! なんだとぉ!!」


 急いで頭に載った王冠を取ろうとするも、既に食い込んで取れない!?


「人類が滅亡した今、人口を増やすためにカズヤ様には私たちと子作りに励んでもらいます」

「な、そんな、ばかな!」


 なんて羨ま……けしからん!


「人口を維持するために、最低300人は必要なので、カズヤ様には頑張っていただきます」

「し、死ぬ! 300人も!? そんなに出来るかー!!

 ……っていうか誰としろっていうんだよ!!」


「もちろん私たちとです」

「は?」


「さあ、これから精霊たちと順番に交わってもらいますので」


 ち、ちょっと待ってくれよ

 この4人と??


 俺はいつの間にかエリスと精霊たちに取り囲まれていた……


 マジかよ……おい……


 水の精霊とやったら、溺れるんじゃ……?

 風となら身体ズタズタにされて……

 土なんか、変な病気になるんじゃ……

 火?? そんなの焼け死ぬじゃん!


「さあ、まずは誰からですか?」


「まてって!

 近寄るな!

 触るな!!」


「さあ、カズヤ様。300人の子どもができるまで死なせませんので」


 だれか―――!

 たすけて―――!!


 ああ―――!!




 う……


 苦しい……


 熱い……


 痛い……


 死んじゃう……


 もう……たてないから……




「……カズヤ様? 起きてください」

「もう無理、たたない……です」


「カズヤ様!」


「うっ……うわぁ!……エリス!?」


 どうやら俺は気を失って……

 目を開けると、そこにはエリスが……


「あれ? エリスが、ちゃんと服を着てる?」

「なに言ってるんですか? 着てるにきまってるじゃないですか? 私を変態みたいに言わないで下さい」


「あれ? ここは?」


 ここは朝まで、寝ていた部屋だ?

 あれ? っていうことは……?


「まだ寝ぼけたこと言ってるんですか?」 「あ……あぁ、夢をみてたのか……」


 よかったぁ……


「酷くうなされてましたが、どうかしたのですか?」

「え? いや、なんでも……痛っ……」


 あ、頭が痛い……

 そして体の間接や節々が痛い……


「どうしましたか?」

「なんか……頭痛い……」


 しかも体が熱っぽい。

 悪夢のせいか変な汗かいて、服がビショビショだ。


 あ……すごく気分が悪い。なんか吐きそう……


「風邪でもひきましたか?」

「うぅ……なんか具合悪い」


「昨日、変なものでも食べたんじゃないですか?」

「変なもの? 変なも……あっ!!

 あの花だろ!? 毒があったんじゃね?」


「そうですか、人間には毒でしたか……やはり火を通すべきでしたね」

「そんなもん、食わすなよ!!」


「大丈夫です。毒消草も持ってきてますので」

「あ……苦し……頭いてぇ……」


「熱はどうですか?」

「か、顔を、近づけるな!」


 俺の顔色をうかがおうと、エリスが覗き込んでくる!


「……? 近寄らないと体の具合が分からないです。汗もかいてますね、服を脱いで下さい」

「断る!!」


「でも、顔が真っ赤ですよ、熱を計らせて……」

「うつるから! 風邪がうつるから近寄るな!!」


「……そうですか。近寄るだけで毒は感染しないのですが」

「寝てれば治るから!」


「毒消草だけでも、後程、お持ちします」

「うぅ……しんどぃ……」


「今日は無理そうですね。残念です。また今度にしましょう」

「……なにが?」


「今日は杜の精霊たちに、挨拶にでも行こうかと思っていたところです」


 な、なにぃ!?


「カズヤ様の体調が回復してからにしますか?」

「い、行きたくないんですけど!!」


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