表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

探偵ロストバーン①

『輝くまで死ぬ夜』 亜ノ夜黄泉(あのよきせん)作 から抜粋


もしも貴方が死ぬまで1度も輝かなかった場合、僕は誰の光を受ければいいのだろうか。



──────────


2022年4月7日 三山中学、始業式当日


「或斗〜!起きなさい!朝ごはんよ!」


俺は母の声で起きた。時刻は朝7時5分。


「やっべー!今日のズッキリに亜ノ夜先生出るんだった!!!」


亜ノ夜黄泉先生、俺が小学6年生の夏休みの読書感想文の宿題の際に出会った小説家。最近で言うと『ユートピアは明日から』『輝くまで死ぬ夜』が話題だ。でも亜ノ夜黄泉の小説の中でも少しマイナーな『幽霊探偵ロストバーン』は俺の人生に影響を与えた作品だ。


俺は階段を早足で降りて、テレビのチャンネルを変えた。


「あら、どうしたのそんなに急いで」


「10分から、亜ノ夜先生の最新作のインタビューがあるんだよ!」


俺は母に少し食い気味に言った。

そう、今日は亜ノ夜黄泉先生の最新作である『最弱宇宙人』の発売日。


「母さん、今日学校昼で帰るから!!」


「何言ってるの!?絶対にダメです。はぁ、やっぱり。或斗あんた、夢でも亜ノ夜先生出てきたでしょ?寝言が聞こえてきたし。」


「げっ!?なんて言ってたん?」


「やばい、早くしないと最新作発売日に間に合わなーいってね」


俺は少し照れながらもあと10秒ほどで10分になる事は意識から外さずにいた。


────7時10分


テレビに移るアナウンサーの声


「続いてはこちら!本日発売の最新作『最弱宇宙人』の作者、亜ノ夜黄泉先生へのインタビュー!」


始まったインタビューを俺は目を離さずに最後まで見た。

そんなこんなで、インタビューも終わり今日の運勢コーナー。


「或斗!遅刻するよ!早くご飯食べて歯磨きして用意して!!」


「わかったよ母さん。」


俺は言われた通り、朝食に歯磨きに、用意に…。


───約20分後


「行ってきやーーす!!」


俺はそそくさと、今年度初の制服にローファーを履き玄関を出た。


「行ってらっしゃい!『最弱宇宙人』はお昼休みに買っとくから、あんたはしっかり授業を受けなさいよ」


「わかったよ、そんじゃよろしく〜」


俺は母が見えなくなる角まで小走りで向かった。


そして、街の有名老舗、星宮製菓の前


「或斗、おはよー!」


「よっ!翔」


彼は星宮翔(ほしみやかける)、おれの親友であり、俺の"探偵"を行う上での欠かせない相棒だ。頭が良くて顔も良くて、オマケに星宮製菓の社長の姉の息子。将来安定が約束されたハイスペック野郎だ。


「今日、発売日だね〜、或斗はもちろん買うでしょ?」


そんな話をしながら俺らは学校へ向かった。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ