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プロローグ

2022年4月、とある日の夜


「私は好きだよ、失敗しても、嫌われても」


目の前の少女は俺に言う。


「でも、俺は本当に馬鹿だよ。あーもう、明日こそは絶対に」


俺は今日も失敗した。俺は日々探偵を勤しんでいる。親友や母からは探偵ごっこなどと言われているが。それもそうだろう、今年で14歳の中学2年のガキが探偵だなんて。

俺はごっこのつもりは一切ない。この前だって、この町、大分県の田舎町で起きた連続ひったくり事件の犯人を休む暇を削いでまで聞き取りや、情報を集め犯人をつきとめた。


「もう19時だよ。お母さんが心配しちゃうよ」


「もう、そんな時間か。今日の所は帰る。じゃあな、れい」


そう言うと俺は高台にある山里公園(やまさとこうえん)のベンチから立ち上がり、学校カバンを持った。

目の前の少女、れいはそんな俺をにこにこしながらベンチに座ったまま見送っていた。




─────或は、少女は泣いていたのかもしれない


「或斗ったら、本当に探偵ばっかりだな。」


私は、笑顔で少年、視野月或斗(しのづきあると)を見送った。心のどこかで、このままじゃダメだと思いつつも、笑顔で。

私は、或斗が好きだ。でもこの恋心ははきっと届かないだろう。

これから起きるナニカ、これまで起こったナニカは必ずつながっている。その真実を知ると或斗が泣いてしまうかもしれない。そんな不安を私は心の中に閉まっていた。


「大丈夫、私が絶対守るからね。」


そう一人呟いて、私は公園を後にした。

少し強い風が、私の髪とセーラー服を靡かせて。





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