【コント】急な来訪者
ゲラゲラコンテスト2応募作品です。よろしくお願いします。
場所:ツッコミの家
役:家を溜まり場にされている大学生=ツッコミ 来訪者=ボケ
*()内に表記されるボケ・ツッコミについてはボケを演じる人間の名前を発語することを想定
呼び鈴が鳴る中、明転。ツッコミが喋り出す。
ツッコミ「こんな時間に……まったく家溜まり場にするのも考えものだよ……。また(ボケ)くんかな? いつも連絡なしで来るんだもんな。はいはい……」
ツッコミ、扉を開ける。ボケと目が合う。
ボケ 「俺の名前は、オードリー・ズバーン」
ツッコミ「パンチの効いたやつがきたなあ!」
ボケ 「ちなそれなりに強いっすよ?」
ボケ、力を誇示する。(方法は何でもいい)
ツッコミ「何のアピールなんですか?」
ボケ 「“あの”オードリー・ズバーン。“あの”」
ツッコミ「“あの”と言われる程度には高名な方でいるようだ……!」
ツッコミ「あの?」
ボケ 「はい、“あの”」
ツッコミ「えっと」
ボケ 「俳優の」
ツッコミ「あ俳優の」
ボケ 「そうアメリカはハリウッドの」
ツッコミ「ちょっと俺映画詳しくなくて……」
ボケ 「ノーベル賞とか獲ってますけど?」
ツッコミ「あれ俳優賞あるんですか!?」
ボケ 「俺が獲ったのは平和賞ですね。笑顔が評価されました(笑う)」
ボケ、ノーベル平和賞レベルの笑みを見せる。
ツッコミ「すげぇ~!」
ボケ 「でしょ~? YES We can!」
ツッコミ「えっウィーキャン!? 俺も獲れるってことですか!? 期待しちゃっていいんですか!?(最後まで言えない)」
ボケは首を横に振り、ツッコミのセリフを食いながら
ボケ 「NO You can’t!」
ボケはノーベル賞レベルの笑みを見せながら親指を下げる。
ツッコミ「あっちょっと厳しいみたいですね…」
ボケ 「とにかく会えて光栄だよ……えっと」
ボケ、表札の名前を確認するような素振り。
ボケ「ドミノピザ中野店くん!」
ツッコミ「え今何チラシ見てたんですか!? そんな名前の人いるわけないじゃないですか!!」
ボケ 「サンプラザ中野くんは?」
ツッコミ「中野くんも表札にサンプラザ中野くんとは書かないですよ! 俺、(ツッコミ)です」
ボケ 「おいお前」
ツッコミ「えっ名前は?」
ボケ 「そんなものはいい」
ツッコミ「いや言い方」
ボケ 「俺ははるばる来日してきたんだが?」
ツッコミ「しかも急に接待を求めてきた!」
ボケ 「いんすか? ズバーンとやりますよ?」
ツッコミ「何をどのようにされるのですか?」
ボケ 「鼻かんだ後のティッシュとかゴミ箱に俺はズバーンとやれますよ?」
ツッコミ「ちっちゃっ! そのくらい俺もやれますよ!」
ボケ 「ふ。やっぱちっちぇな、日本人は」
ツッコミ「主語がでかいなハリウッド人は!」
ボケ 「まったく。神は言ったぜ「光あれ」と」
ツッコミ「だからなんですか!?」
ボケ 「あ、間違えた」
ツッコミ「は!?」
ボケ 「うちの姉と似てんだよな」
ツッコミ「神が!?」
ボケ 「というかは!? ってなんだ。ノーベル平和賞獲ってんだぞこっちは」
ツッコミ「権威を笠に着はじめた! 平和とは似ても似つかない!!」
ボケ 「マイシスターは言ったぜ「…海? あれ海のように心広くあれ?」と」
ツッコミ「うろ覚えだし似てないし!」
ボケ 「ぷっつんだわ」
ツッコミ「それに加えて心まで狭い!!」
ボケ 「それだけ君に伝えに来たんだ」
ツッコミ「いやもういいんで帰ってください……」
ボケ 「確かに伝えたぜ。……マイシスター【オードリー・ザバーン】より」
ツッコミ「海というか波じゃねぇか! 帰れ!!」
ツッコミ、扉を閉める。
それほど待たず再び呼び鈴が鳴り、ツッコミは扉を開ける。
ボケ 「俺の名前は、ベンデル・ワシントン」
ツッコミ「トイレは奥だよ(ボケ)くん」
ボケ「わかってますよ〜」
ボケ、家に上がり、トイレに向かって歩き出す。
溶暗。