表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

会話で紡ぐ短編集

贈り物

作者: 池咲ゆき

「婚約指輪って地味にもったいないと思わない?」

「ん?どういうこと?」

「さっきの番組でやってたプロポーズのやつ観てて思ったんだけど…婚姻したら結婚指輪するし、高価なのに出番少なくない?最近は2連着けする人もいるけどさ。私たぶん仕舞い込んじゃう。」

「大事な物は仕舞っておきたいタイプだもんね。でも、プロポーズ指輪をパカッてされるの嬉しいものじゃないの?」

「嬉しいとは思うけど、期間の割に高価かなと。」

「そうか…となると花束の方がいいの?記念に残せないけど。」

「そうしたら、ドライフラワーにして飾っておく。」

「保管するもの増えちゃうね。間違って捨てたら怒られそう。」

「鬼怒りするかもしれない。」

「ははは。君にプロポーズする時の参考にしておくよ。心配だから花束はやめておこうかな。」


――


「僕と結婚してくれませんか。」


… パカッ


「…!っふふ、ふふふ。はい、よろしくお願いします。」


――


「確かに随分前、婚約指輪がもったいないって言ったのは私だけど… さすがに、プロポーズでパカッとするのは印鑑じゃないと思うよ?」

「色々考えたんだけど、贈るならコレしかないなって思って。嫌だった?」

「嫌じゃないし、嬉しかった。けど、私じゃ無かったら怒ってるかもよ?」

「君の為だけに考えたからね。君に喜んでもらえるなら、一般的じゃなくてもパカッてするよ。この苗字の実印なら、まだ持ってないだろうし、指輪より実用的で、花束より保管しやすくて、記念にするにもちょうど良いかなって思って。あまりかっこ良くないし、ジョークだと思われないか心配だっだけど。」

「ちゃんと考えてくれてたんだね。ありがとう。」

「婚約指輪を買おうと思って貯めてたから、いっそ差額で結婚指輪のグレードアップしちゃおうか。」


似た者同士なのか、似てきた二人なのか。


※ご注意※

本作もフィクションです。推奨しておりませんので、自己責任でお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ