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とある青年のレベル上げ ~グラド・サーガ~  作者: あいうえおさん
第6章 『天』という世界で 《ヘブンズ・ウェイハザード》
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レベル75 終末 《ザ・アウェイク》


『スキル2;「魔力覚醒」が発動しました。』





驚くレイの横には、そう書かれたステータスパネルの文字。

“スキル2”と書いてある、自分のスキルでもたった今このフィールドに来たシェリーのスキルでもない。ましてや倒れるフィルのスキルでもない。

ステータスパネルはしっかりと、『発動者;アリナ=メルド』という項目を映していた。


「アリナ・・・お前ッ・・・!!」



『スキル2;「魔力覚醒」

 発動条件;保有者生存時かつ特定条件を満たした時

 発動内容;持つ魔力が暴走を始め、魔法攻撃の威力が十倍に上がる。』




『ッ!!誰かと思えばそこのロリガキだとォ・・・・・!!!????』


全身に大火傷で初めて重傷を負わされたデモンズカウザムは、呪文を放った前方の少女に大きな怒りをぶつけている。

先程まで風神を宿したフィルでさえこのような深手を負わすことが出来なかった、しかし今のアリナはたった一発でここまでの威力。


“天才少女”が、覚醒した ―――




『ッ!!なら呪文で分からせてやるよ!! 「フレイガッシュ」ッ!!!!! 』


デモンズカウザムは怒りのままに、炎魔法最強呪文『フレイガッシュ』をアリナに向けてぶっ放す。

が、



「!!『シラゼド』ッ!!」


アリナの魔力が、暴走する。





!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



『う、ウソだろッ・・!?たかが上位魔法に俺の呪文が負けるのかッ・・・!???』



真ん中で衝突した両スペルだが、アリナのスペルが炎魔法を押しのけていく。

ありえない、最強魔法が上位魔法に負けるとは。



『クソがッ・・・!!』




目の前の少女の下級魔法に自分の最強魔法が負けた。

この事実がデモンズカウザムをヒートアップさせる、しかしそのせいである事を見失っていた。それは・・・


『覚醒しているのが、アリナだけではない』ということだ。




『スキル3;「デュミローア」が特殊条件下で発動しました。一定時間能力が向上します。

 スキル4;「アウェイク」が特殊条件下で発動しました。一定時間能力がかなり上昇します。』



先程の追い込まれた状況を一気にひっくり返したのは、なんとも信じがたい一人の少女であった。


獣騎士全員が、不思議なチカラで覚醒する ―――




『はッ、はぁ・・・!!??』




形勢が、逆転する ―――





「「「ッ!!」」」


動き出したのは3人の騎士達。

ついさっきまで瀕死状態で倒れていたフィルだが、スキル発動によってなぜか今ここまで動けている・・・いや、先程以上の動きを見せている。

スキル発動は、獣騎士をここまで覚醒させるのか。


3騎は一斉に魔力を召喚、デモンズカウザムの前に属性を纏ったフォースとして現出させる。


『ッ!?やべぇ・・!!』


デモンズカウザム、カラダを起こし反撃の態勢・・・が、



『動かねぇ・・・だ、と・・・!?』



火傷を負った箇所があまりにも重度のもので、デモンズカウザムの身体は瞬間的な拒絶反応を起こしている。


「 『ルジェベリ』!! 」

『なッ』


その隙にアリナの暴走した防御力低下魔法『ルジェベリ』が瞬時にヒット、暴走した魔力はデモンズカウザムの防御力をなんと0まで一気に下げたのだ。



『マジかッ・・!!!!!!』




そして獣騎士達の攻撃が、一斉に放たれる。



「『竜王殺(デスドラゴ)』ッ」

「『神蒼閃(グングニル)』ぅぅ!!!」

「『暴乱嵐(ダウンバースト)』!!」



紅、蒼、翠

三種の属性が融合した巨大なフォースと化して、3人の放った攻撃はデモンズカウザムへと一直線。

そして、



『!!!!!!??????』



攻撃は、正面から突撃した。




!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

『ッ』!!!!!



デモンズカウザムの体力が、先程とは考えられないほど一気に下がる。

『最強スキルたち』が発動した獣騎士の攻撃は、いくら悪魔の王でも耐えられない。


『』 ――――



!!!!!!!!!!!



光速で城壁に飛ばされるデモンズカウザム、あまりにも衝撃で身体が本当に動いてくれない。

身体が本格的に拒絶反応を起こしているのだ。



『ハァハァ・・・ッ!?』


ふとデモンズカウザム、偶然視界に入ったある少女から目が離れない。



『やめてくれッ・・・!!!それを放つのはやめてくれッ!!!!』



「・・・」ゴゴゴゴゴ・・!!!!




アリナが召喚するスペルで、雲上のフィールド全域の空気粒子が光を出して燃え始めるのだ。

爆発の核が発熱し始めているのだろう、いつしかデモンズカウザムの眼に入る光景全てが眩い爆光を放っているのだ。


『やめろっつってんだろッ!!!俺が言ってんだぞッ!!!』


デモンズカウザムが何を言っても、空気全部が光輝き出すのは変わらない。

いつこんな最強魔法を習得したのか、レイやシェリー、そして他のパーティーメンバーも分からない。

しかし今放とうとしているこの魔法は、間違いなくこの一戦の中で最強のものである。


爆発魔法最強呪文・



――― 『ハイパーノヴァ』




そしてアリナは、呪文を放った。



「 『ハイパーノヴァ』ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

『やめろォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!』




その瞬間、全域が




爆発する ―――





!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!





域を越えた爆風が雲上を荒れ狂い、その爆光は全ての『黒』を一瞬でかき消すかの如く、


無数に散らばっていたエネルギー粒子たちが、デモンズカウザムの前で一斉に弾け出した。



『』



悪魔の身から、悲鳴の声も聞こえなくなった。

レイは剣に炎のスペルを召喚し、“最後の攻撃”を仕掛ける。


魔力が十分に溜まると、レイは思いっきりぶっ放した。




「『竜閃炎(イグナイトソウル)』ッ」





燃え上がる爆炎へ高速で放ったレイの斬撃は、





ッ!!!!!

『ヴッ』





“大悪魔”の心中を、一瞬で貫いた ―――







『“魔王獣”デモンズカウザムを討伐。それぞれ経験値65000、0ゴールドを獲得。

 スキル発動;レイ=ベルディア、シェリー=クラシアは経験値260000を獲得。』




次回投稿日;6月20日

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