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とある青年のレベル上げ ~グラド・サーガ~  作者: あいうえおさん
第3章 亡き母を求めて 《クラシア=ヴェルデ》
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レベル33 紅獣 《エヴィウス》

いよいよ『平成』も今日限りとなりました・・・

ラスト1日、皆さん良い思い出作りましょう!


(どうすればいい!?どうすれば致命傷を・・・!?)


眼の先では、シル・ガイアが魔女の形相でこちらを伺っている。


レイは今の状況を数秒で整理する。


まず、相手は結界を封じられている。しかし封じられてはいても攻撃力は変わりなく恐ろしいものだ。そして今は形勢が逆転し始め、レイたちは押され気味だ・・・ここまでは良しとしよう。

次はここからどうするかだが・・・

今の状態では速さではまずかなわないだろう・・・次は視野だ、相手はさっきシェリーとゲリュオンの左右攻撃を反撃することで攻略した・・・

じゃあ上はどうだ?

さっきシル・ガイアは上に飛ぼうとしたとき、少しの溜めがあった。そこを狙ってゲリュオンが雄叫びをあげて硬直を誘った・・・あれ、待てよ・・?


あの時確かシル・ガイアは羽を使っていなかった・・・普通飛ぶときは羽に動きがあるはずだ・・・

なぜ飛ぶのにあそこまで溜めを作る必要がある・・・?羽を使って飛びだけだったらすぐにはねを広げて飛んでいくはず・・・!!なのに羽を使わず、あの脚でチを蹴って飛ぼうとしていた・・・!?

まさか・・・シル・ガイアは・・・!!




(羽で飛べない・・・!?)





レイはシェリーが乗るゲリュオンのもとに行くと、


「なぁゲリュオン、俺を空中に飛ばしてくれ!!シェリーは俺と一緒に空中戦だ!ゲリュオンはさっきみたいなタイミングでひるませる!そう伝えてくれシェリー!」


「え?あ、うん。」



(羽で飛べない・・・ということは、長い時間空中にいることが出来ないってことだ!)



(上からの攻撃だったら、さっきみたいに器用な攻撃はしにくくなるはず・・・!!)



「ゲリュオン頼むッ!!シェリーは飛べッ!!」


ゲリュオンはレイを大尾で背中に乗せると、その身体をうならせながら王室の間の天井めがけてレイを放り投げた。

それと同じタイミングでシェリーも空中へと飛び出った。



『何をする気・・・!?』



レイは空高く舞い上がると、空中で剣に炎のスペルを撃ち込んでいく。

シェリーは光輝く矢を弓にかけて射撃の準備。



『ッ!?まさか空から・・・!』



シル・ガイアは上に飛ぶために一旦溜めを作り、動きが一度止まった。


「今よゲリュオンッ!!雄叫びよッ!!」

『ッ!?』



ゲリュオンは凄まじい雄叫びをあげた。




――― ~~~~~!!!!!!!! ―――




覇気を纏ったゲリュオンの雄叫びは、またもシル・ガイアの動きを硬直させる。


「今だシェリー!!」


二人は同時に攻撃を放った。



竜閃炎(イグナイトソウル)ッッ!!」

輝空閃(シェロスパーダ)!!!!」



二人の異なる方向からの同時攻撃。相手にとって絶対に防げない、不回避な攻撃。


『ッ~~~!!!!』


シル・ガイアは何とかして逃げようとするが、


「ゲリュオンもう一回ッ!!」




――― ~~~~~!!!!!!!! ―――




ゲリュオンの雄叫びで動きを封じられる。


『くッ・・・!!』




そして斬撃と射撃の両方がシル・ガイアに直撃した。




!!!!!!!!!  !!!!!!!!!!



『ッッッ!!???』


二人の避けようがない二連撃に、シル・ガイアは態勢を一瞬だが大きく崩す。


「シェリー次の攻撃準備ッ!!」

「うんッ」


シェリーは今度は3本の矢を取り出し、


「ゲリュオンッ!!!」


シェリーは3本の矢を一本ずつ空中に放り投げ、ゲリュオンはその一つ一つに青のスペルを撃ち込んでいく。


「レイ!あの矢がある所へ私を放り投げてッ!!!」

「あ、あぁ、おう!!」


レイはシェリーと足どうしをくっつけると、空へ向かってシェリーを蹴り上げた。

シェリーは空中に舞っていく。



『・・・!今度は・・・!!』



矢はアーチ状に放り投げられている。

シェリーは矢の軌跡通りに飛んで行って、まず一本目の矢を弓におさめると


「まずは一本目ッ!!!」


シェリーはその一本目を放った。


「ゲリュオン動きを封じてッ!!!」



――― ~~~~~!!!!!!!! ―――



『ッ!!何度も何度も・・・!!!』


矢がシル・ガイアの右腕に直撃。シェリーはそのまま弓を再び引いて、二本目の矢を内におさめる。


「行くよ二本目ッ!!!」


シェリーは二本目の矢を放った。

シル・ガイアは、またもゲリュオンの雄叫びで動けない。



!!!!!!!!



二本目もシル・ガイアにヒット。シェリーは空中で今度は三本目の矢のほうへ。


「こんな3連撃の仕方が・・・!?」


シェリーは3本目の矢を弓におさめ、そのままシル・ガイアへと射撃を放った。


「行け3本目ッ!! 扇神蒼閃(アーチグングニル)ッッ!!!!」


3本目の矢がうなりをあげてシル・ガイアへと放たれていく。


「俺も負けてられっかよッ!!」


レイは片手に炎を、右手にも炎を召喚。魔力を左右に集めて一気に合体。

両手の中で今にも破裂しそうなエネルギーの塊。


『ッ・・!!』


シル・ガイアは3本目も命中し、動きがわずかに鈍っている。

レイはシル・ガイアへぶっ放した。


今生まれたレイの新技。



星爆花(スターフレア)ッッ!!!!」



放たれた炎の塊はシル・ガイアの目の前で大破裂。

炎と爆発の二属性攻撃。


『くッ・・!!』

(さすがにここまでくらってしまっては・・・!!!)



――― ~~~~~!!!!!!!! ―――



瞬時にゲリュオンが雄叫びをあげて、シル・ガイアの動きを封じに掛かる。


『ッ!!!』ビクッ!!


(動かないと・・・さけないと・・・!!!)


シル・ガイアは脚に力を溜め始め、ギリギリ動く左手をレイのスペルに向けて


焔王盾(エビルシールド)ッ!!!』



星爆花(スターフレア)のスペルのほうへ、闇のバリアを形成した。


「な、動けるッ!?」

「ゲリュオンもう一回ッ!!」


ゲリュオンはもう一度雄叫びを放つ。



――― ~~~~~!!!!!!!! ―――



『!!!!・・・・』


しかしシル・ガイアの動きは止まらない。


「えッ、どうしたのゲリュオン!?」



(違う、ゲリュオンのほうじゃない・・・!!)


(もう雄叫びに慣れてきたんだッ・・・!!!)



雄叫びの乱発は、相手に慣れを生じさせる恐れがある。

シル・ガイアにとって今の状態では、ゲリュオンの雄叫びにある程度耐性がついてしまったのだ。


焔王盾(エビルシールド)!!』


シル・ガイアはとうとうバリアを召喚してしまう。

バリアはレイの攻撃をはじいてしまう。


(まずいッ!動きを止められるのは雄叫びだけなのにッ・・・!!ミスったぁ・・・!!!!)




『ハァハァ・・・よくも小賢しいマネしてくれたわね・・・!!!!!』


シル・ガイアが、動き始める。


(ヤバいッ、来る!!!)


シル・ガイアは上空へ飛び出した。

シル・ガイアは頂点に達すると両手を広げ、暗黒の魔力を召喚する。

魔力は瞬時に溜まり、それをさらに圧縮。

そしてレイとシェリー両方にそれらを放った。


シル・ガイアの反撃。



魔光弾(デスブレット)ッ!!!』



レイとシェリーは咄嗟によける。

が、・・・


「!!・・・なにッ!?」


シル・ガイアはレイの元へと急接近。レイの前で漆黒を纏う。

シル・ガイアは拳をレイへと思いっきり降り下げる。



魔神撃(デスブレイク)!!!!』

「なッ ―――



!!!!



漆黒の闇の力と増幅したシル・ガイアの力で、レイはすぐさま真下に突き落とされる。

レイは地面との衝突による衝撃で、身体が硬直してしまったようだ。


シル・ガイアはレイに向かって急降下。


「レイあぶない!!!」


シェリーが横からシル・ガイアに体当たり。


(ば、バカよせ・・・お前の体当たりじゃ・・!!)


シル・ガイアはびくともしない、シェリーの当たりではあまりにも弱すぎる。

シル・ガイアはいとも簡単にシェリーを端へとはじき返した。


『ッ!!』

「いやッ ―――


シェリーは城壁へ衝突。しかけた時にゲリュオンがそれをカバー。

しかしゲリュオンはもろに直撃したので、衝撃のあまり身体が動かない・・・


「げ、ゲリュオンッ!!!!」



シル・ガイアはレイの所へ急降下してくる・・・

身体は衝撃のあまり動いてくれないッ・・・


『死ねぇぇぇぇ!!!!!!!』


「ッ・・・!!」

(クソッ、これじゃ・・・!!)



レイの頭に、ふとペーディオ戦がよぎった。

あの時も、確かレイは同じような状況に追い込まれていた・・・

しかし前回とは違い、今回は逃げるための瓦礫がない。しかも身体も動かない。



(どうすれば・・・!?)



(どうしたら・・・!?)







(こいつに勝てる・・・!!??)







その時




――― 待タセタナ ―――




レイの頭に、ふと何者かの声が響き渡る。

そして次の瞬間





!!!!




「!?」




何かがレイの身体を咥えると、

そのまま横へと走り出し、瞬時にシル・ガイアの踏撃を回避していた。



『ッ!?誰だッ・・・ ――――



その何かを目にした瞬間、ふとシル・ガイアの動きが止まる。





それは、まさしく聖域の存在

背中に生やした大きな聖翼に、神々しいオーラを放つその大獣

赤く輝く瞳は、まっすぐとレイの姿を映し出す



その存在、それはあの時の姿とまったく同じ






守護獣 エヴィウス ――――



次回投稿日;5月1日

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